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Episode 14 真っ赤になるルカ様

「――おいテメェら! 何やってやがんだ、この色ボケ王族と宮廷魔術師がァァァァァァッ!!!」


 お義兄(にい)様が炎のような形相で乱入。


「……お義兄様!?」

 わたしは思わず叫んだ。


「エリオット。貴様、なんでここに……!」

 アレクシス様が驚くが、


「殿下ッ!! あんたこそ何してんだ!! 婚約者の部屋で、顔近づけてんじゃねぇ!!!」


 お義兄様はまっすぐアレクシス様に殴りかかりそうな勢いで詰め寄る。


「……お義兄様、落ち着いて――」

 わたしが制止しようとした瞬間──


「落ち着けるかッ!!」

 お義兄様が怒号。


「お前もだ、ルカ!! 何を当然みたいな顔してエルの部屋から出てきてんだよ!!! 正気か!?!?」


 ルカ様が、すっと眉を寄せる。


「……私は、エルを守ってただけで――」


「守る!? 守るって言いながら殿下と部屋で喧嘩してんじゃねえ!!! エルが怖がるだろうがッッ!!」


「っ……!」


(お、お義兄様、めちゃくちゃ怒ってる……!!)


 お義兄様の声が雷みたいに響き、その怒気が部屋全体を揺らす。


 その瞬間、わたしの肩がびくっと震えた。


(……怖い……っ)


「――エル?」

 お義兄様が気づく前に──


 ぎゅっ……!


 わたしは思わず、ルカ様に抱きついていた。


 自分でも驚いた。

 でも、怖くて、反射みたいに。


「エ……エル……っ!?」

 ルカ様の声が跳ね上がる。


 わたしは震えている肩を抑えるようにしがみついてしまった。


「び、びっくりして……っ」

 涙声になってしまう。


 ルカ様は、完全にフリーズした。


 そして──


 ぼぼぼぼぼぼぼぼっ!!!


 と、すごい勢いで、顔が真っ赤に染まった。


「⋯⋯おい、ルカ。なんで真っ赤になってる」

 お義兄様が睨む。


「え、え、エル⋯⋯っ!? ち、違っ……ちが……こ、これは……!!」


 完全に挙動不審。

 “氷の公爵”とは思えないほどテンパっているルカ様。


「ちょ、ちょっと待ってください……!! あの、エル、近い、です……っ! 温か……近い……っ!!」


 手が宙を泳ぐ。

 触れたいのに触れられない。

 抱きしめたいのに抱きしめていいのかわからない。


(──ルカ様、可愛い⋯⋯っ!!)


 お義兄様は一瞬固まり、怒号が止まった。


 アレクシス様はアレクシス様で、めちゃくちゃ嫉妬で顔が引きつっている。


「……ルカ。その手を離せ。今すぐ」

 低い声。


 しかしルカ様は真っ赤な顔のまま、完全に固まって動かない。


「無理です……。い、今は……絶対に離せない……!」


(え、告白未遂!?)


 お義兄様はこめかみを押さえる。


「……もう全員落ち着けっ!!!!」


 怒鳴り声とともに、寮室は地獄のような修羅場のまま静止した。



 結局は、わたしが三人をなだめることでこの場は収まったのだった。

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