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魔女③

空気に静けさが戻り始める中、タツヤ、ユリ、アリサの3人は迅速に行動を開始していた。


「ユリちゃん、ランバートの残骸の座標データ、ダストハイブへ転送済みや!」


アリサがドローン端末を操作しながら指示を出す。


「りょ、了解! 解析班への転送も完了!輸送部隊に通知を飛ばします!」


ユリの視線が素早くバイザー型端末の中で走る。


その横では、タツヤがライフルを背負い直しながら壊れた装甲の一部を見上げる。


「……どう見ても、いつものランバートじゃないな…」


彼の表情は固く、どこか嫌な予感を感じさせていた。


--


「うぅ……やっぱりナツキ兄ちゃんには敵わないや……」


地面に横たわっていたホタフーキが声を漏らす。


「ったく…根性だけは買ってやるよ」


ナツキはニッと笑うと、停めてあったユウキのウロボロスに跨がる。


「ケツに乗ってな小僧。今のテメェはここがお似合いだぜ」


半分気絶しかけてるホタフーキを車体に乗せ、片手で支えながらキーを回す。


ウロボロスのエンジンがうなりを上げる。

それに気付いたユウキはハッと視線を向ける。

しかし、気付いた頃にはもう遅い。ナツキはホタフーキを後ろに乗せたままウロボロスを走らせていた。


「ナツキテメー!!勝手に俺の魂に跨ってんじゃねーぞ!!」


遠くからユウキの声が飛んできたが、ナツキは振り返りもせずに叫ぶ。


「バーカ!テメェはそこでお姉様とイチャついてな!!俺は弟分をあのパチモンサイコ野郎の所に運んで来るからよ!!アシ借りんぜ!!」


ブォォン!!


爆音を残して、ウロボロスが土煙を撒きながら走り去っていく。



残されたのは、ユウキとシア。


装甲車に収容されていくランバートの残骸を見送る中、ユウキは妙にぎこちない笑顔を浮かべる。


「……あいや……はは、俺んとこのバカ共がうるさくしちゃって申し訳ないです……」


「ううん。そんなことより…助けてくれてありがとう」


その言葉と同時に、シアがそっとユウキの頬に触れる。


「っ……い、いえ!そ、そんな!シアさんに怪我がなかったんなら、俺はもうそれだけで……!」


焦ったように言いかけたその瞬間、シアは両手を添え、ユウキの顔をそっと引き寄せる。


ユウキの目が見開かれたまま、口元がふさがれる。


…口付けだった。


ほんの数秒の沈黙。


最初は驚きで硬直していたユウキの身体が、徐々に力を抜き、目を閉じる。


シアは唇を離すと、優しく囁く。


「…これからも、私のこと、守ってね…?」


その声で、ユウキの目がゆっくりと開かれる。

まるで何かが、彼の内側で“開いた”かのように。


彼の瞳は赤く染まっていた。

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