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魔女②

瓦礫の塊が、シアに向かって一直線に向かう。

が、その直前。


ズバァンッ!!という轟音とともに、瓦礫が弾き飛ばされる。


「っ!?……ユウキ!」


空から飛び込んできたのはユウキだった。

その拳が直撃したコンクリートの塊は、砕けた破片を撒き散らしながら空中で弾け飛んだ。


「間に合ってよかった……!」


ユウキは振り返り、呆然と立ち尽くすシアの方へちらりと視線を送って、安堵の笑みを浮かべた。


直後、ガガガッ!!と地面を削る音。

ウロボロスが高く跳ね上がり、派手なドリフトで着地。泥を撒き散らしながら何とか停止する。


その車体の上で、ハンドルを握ったまま汗をダラダラと流し真っ青な顔になったタツヤが叫ぶ。


「ユウキぃぃぃ!!飛び出すんなら一言言ってくれぇぇぇ!!!」


「文句は後で聞く!!俺のウロボロス無事か!?」


「僕のことを心配してくれぇぇ!!」


口喧嘩じみたやり取りが交差する中、ナツキの表情に安堵の色が差す。


「…遅いぜお前ら!全く…廊下に立っちょれ!!」


そう言ってナツキが吠えた瞬間。


「そんなことよりコレをっ!!」


タツヤは後部座席に置いていた血刀を勢いよくナツキに向かって投げる。


ナツキはホタフーキをそっと地面に降ろすと、助走をつけて跳躍する。投げられた血刀を空中で掴み、そのまま一閃、鞘から引き抜く。


紅く光る刃が月光を裂くように煌めいた。


「反撃開始だぜサソリ野郎ぉぉぉ!!」


ナツキが落下する軌道へ、アリサのドローン2機が滑り込む。

ドローンの下部から展開された小型スラスターがナツキの足元に滑り込む。

体勢を補正し、ピタリとナツキの足の裏へ張り付いた。


「撃てるか、タツヤ!!」


ナツキの呼びかけに、タツヤがライフルを構える。

標的はランバートの尾、ドリルの針と軸の隙間。


「…誰に聞いてんだよっと!!」


パンッ!!


ライフルの発射音と共に弾丸が抜け、ピンポイントで尾のジョイント部に命中。

ギギギギ、と嫌な音を立ててドリルがぶれて、そのまま回転が止まった。


その衝撃でランバートが仰け反ると


「今だぁぁぁぁ!!」


ナツキの身体が加速する。アリサのドローンのスラスターがナツキの落下の勢いを更に増す。そして、ナツキは血刀を構えたままランバートの首元へ突き刺す。


ズガァァン!!


赤い刀身が装甲を削り取る。


さらに、腰のハンドガンをホルスターから引き抜くと、フレーム下部に取り付けられた折りたたみナイフを展開。

装甲を削り落として露出した"弱点"にナイフを突き刺し、トリガーを引いた。


ガガガッ!! 連射。

火花と血飛沫が舞い、ランバートは断末魔の悲鳴を上げ、その場に崩れ落ちた。


--


ナツキは肩で息をしながら、ゆっくりと立ち上がる。

血刀を肩に担ぎ、唇の端を吊り上げる。


「やっぱ…コイツがねぇと始まらねぇよなぁ」


その背後、朽ちた瓦礫の前に立っていたユウキとシア。

ユウキは肩をなでおろし、安心した様子を見せているが、シアだけは違った。


無表情のままナツキとタツヤに視線を送っている。


…まるで、何かを見据えているかのように

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