風に①
ダストハイブとHG住宅の協力関係が正式に結ばれてからというもの、かつては閉鎖的だった基地内に少しずつ笑い声が増えていった。
軍用ヘリによる定期便が導入され、双方の人材交流も活発になっていた。技術者、看護師、商売人…様々な人々が行き来し、壁の多かった日常が少しずつ溶けていく。
ユウキはというと、意外なことに禁煙治療のため、ワタナベのもとに通い始めていた。
「禁煙と言っても、ストレス溜めたていたら?逆効果だろ?どうだい?コレは私が新開発したタバコ型のデバイスだ…。これを吸えばストレス緩和だけでなく、痛みも貧血も"感じなくなる"よ…ふっ…ふふふ…」
「オッサン…なんか危ねぇモン混ぜてねぇか、ソレ…」
そんな掛け合いをしながらも、兵器や機械の話になると二人は妙に気が合った。気づけば共同で新たな武装開発が始まっており、周囲はやや引き気味だ。
一方のナツキは、HG住宅の自由な雰囲気にすっかり馴染んでいた。ちょくちょく訪れては、地元の子供達と遊び、ブラッドエネルギーを使った「面白い何か」をナツキとユウキのコンビで製作していた。
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ダストハイブの食堂の一角ポップコーンを頬張りながら、ホタフーキがテーブルに突っ伏して呟いた。
「……納得いかない」
「どうしたの?」とユリが優しく声をかける。
「……最近さ。アニキ、ナツキ兄ちゃんとばっかりツルんでる。俺たちは一応……家族なのに」
ぶすっとした顔のホタフーキに、ユリはくすっと笑って彼の頭を優しく撫でる。
「ふふっ、なんだかんだ言っても、まだまだ子供ね」
その夜。ホタフーキが少し拗ねながら自宅に戻ると、入り口の前で何かの準備をしている影が見えた。
「ん?なんだアレ…」
パッと照らされたライトの真ん中、満面の笑みでポーズを決める二人の男。
「完成したぜ……遂に!」
「ブラッドエネルギーシステム応用……俺たちの“ジハード”!!」
二人の声が重なる。
「“ブラッドバイク”がよォ!!」




