ダストハイブ前線基地④
「ナツキ!セーフティ外して、弾を薬室に送って!」
タツヤの声が響く。彼はすでにM4を構え、チャージングハンドルを引いてセーフティをセミオートに切り替えた。
「あ、これか!」
ナツキは慌ててチャージングハンドルを引き、セレクターを回すと、知ってか知らずかフルオートに切り替わる。
そのまま突っ走りながら、叫ぶように引き金を引いた。
「オラァァァァッ!!」
連射音が轟き、銃口が上下に跳ねながら火花を散らす。狙いはまるで定まっていないが、構わずに突っ込むナツキ。
「あんの馬鹿……!」
タツヤは頭を振り、セミオートで一発ずつ丁寧に射撃。人型ランバートの脚部、関節、頭部と、動きを制限できる箇所を狙い、撃ち込んでいく。
一方ユリは、マシンガンを構えたままナツキの背後にピタリとついていた。ランバートの背中から伸びる鎌のような触手がナツキを狙って振り下ろされた瞬間
タタタッ!
ユリのマシンガンがそれを迎撃。金属的な火花が散り、触手の一つが弾け飛ぶ。
「前に集中して、私が援護する」
無駄口ひとつ叩かず、ユリは次の攻撃に備えて即座に位置を調整する。
弾を撃ち尽くしたナツキは、反動で後ろに跳ねる銃を一瞥し、ハンドガードを両手で握り直した。
「じゃ、こっちでいくぜ!」
フルスイング。ライフルのストックが横薙ぎに振るわれ、ランバートの顔面を直撃する。甲高い音とともに異形の頭が仰け反った。
その隙を逃さず、ナツキは腰からサバイバルナイフを抜き、裂けた皮膚と触手の根元を一気に切り裂きながら回り込む。
「タツヤー!!後ろ取る!」
「好きにしてくれ!!こっちは君に当てないようにするので手一杯だ!!」
文句を言いながらも、タツヤは空いた胴部へ数発の弾を撃ち込む。ナツキが切り裂いた傷口に弾丸が叩き込まれ、ランバートの身体がのけぞる。
次の瞬間、ランバートが鋭く跳ね上がり、全員に向かって咆哮を放つ。
訓練とは思えない、圧倒的な殺意。
だが、それを前にしても、3人の呼吸は乱れなかった。恐怖を感じながらも、体は確かに動いている。
戦える。ここが"初めて"だとしても。




