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第二七三段 ただ朝は

 ただ、朝は、そんなに降りそうにもなかった空が、ひどく暗くかき曇って、雪が辺りをかき暗くして降っている。


 とても心細い気持ちで見ている間もないほどに、やはりひどく降っているときに、随身(ずいしん)のようななりをした華やかに美しい男が、から傘をさして近くの家の戸から入って行って、文を差し入れたのは、「おかし」。


 まして、その男が、うち微笑(ほほえ)むのは、とても「おかし」。


(あら、雪景色の中で、いい男が微笑む場面を見ちゃったわ。雪の日も、いいものね、とか思って書いたのでしょうか。)

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