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第二七一段 成信中将は(その8)
こう聞いたからと言って、雨の日に歩かない男はいないはずはないであろう。
月のとても明るい夜、紅の紙のたいそう赤い紙に、ただ
「あらずとも」
月のあかかりける夜 女のもとに遣わしける 源 信明
恋しさは 同じ心に あらずとも 今宵の月を 君みざらめや(拾遺集)
と書いた文を廂に差してあるのを、女が月の光にあてて見ている姿が趣深いことだ。雨が降っている折では、そんな風に趣があろうか。
(何もここまで書かなくても、と思われる、成信に対する批判でした。書き出したら止まらなくなったのか、何か深い恨みでもあったのか。)




