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第二七一段 成信中将は(その7)
風などが吹き、荒々しい夜に男が来れば、頼もしくて、「おかし」の人だと思うであろう。
雪の日に来る男こそ、格別である。直衣は言うまでもなく、狩衣や蔵人の着る青色の上着が、たいそう冷え冷えと濡れている様は、とても趣がある。たとえ六位の着る緑衫であっても、雪に濡れているのならば、憎く思うはずがない。
昔の蔵人は、恋人のところに青色の衣を着てやってきて、雨に濡れて袖を絞ったという話を聞いたことがある。今では、昼でも青い衣は着ないようだが。ただ緑衫だけ引き被っているようだ。
衛府の役人の着ている衣は、ましてとても「おかし」と思えるものであった。




