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第二七一段 成信中将は(その4)
人によって物事の感じ方が違うのであろうか。物事をよく知り、人の心もよく知っている女で、思う気持ちがあるのだと語り聞かせる。だが、通う先はあまたあり、本妻の家などもあるのでしげしげと通っては来ない。それでもなお、そうであっても、格別に思われる雨の日に来たことを、皆が語り継ぎ自分を褒められたいと思う人の仕業であろうか。
それでも、本当に思う心がなかったのならば、いかにもつくり事をしてまで会いに来るであろうか。来はしないであろう。
とはいえ、雨の降るときは、ただ、気がふさぎ、今朝まで晴れ晴れとしていた空とも思えず、非常に美しい細殿が素晴らしいとさえ思えない。まして、そうでもない普通の家ならば、
「早く降りやんでほしいものだ」と思って情緒など感じない。
(雨の日にやってきた成信は、散々な言われようです。)




