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第二六九段 時奏する

 時を奏するのは、たいそう「おかし」。


 とても寒い中で、夜中の時分に、こほこほと音を立てながら(くつ)を引きずりやってきて、魔よけの弦打ちをして、

「何家の、何がし。丑三(うしみ)つ(午前三時)」「子四(ねよ)つ((午前一時半)」など言って、時のくいをさす音がするのは、格別趣がある。


 「子九つ」「丑八つ」などは、里人(さとびと)は言うけれど、宮中では四つだけ時のくいをさす。


(平安時代にも、時を知らせるものはあったのですね。名前まで名乗って、責任をもってくい打ちをしていたとは、知りませんでした。)

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