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第二六六段 神は
神社は、右京にある松尾神社(京都最古級の神社)がよい。
八幡神社(第15代天皇である応神天皇を祀る神社)の神は、この国の御門でいらっしゃるのが、たいそう格別である。一条天皇はじめ代々の天皇が行幸なさるときに、水葱の花のついた御輿お乗りになるなど、やはりとても格別に素晴らしい。
大野原の神社、摘み手の神社もよい。池に鴛鴦が浮かぶ様はとても趣がある。加茂の神社は、言うまでもない。
稲荷神社、春日神社は、大変格別に思わされられる。春日神社に参詣するための館に、佐保殿(それほどでも)などと言う名がつけられているのまでもおもしろい。
平野神社は、空き家があったのを、
「ここは何をする所か。」と問われて、
「御輿宿りです。」といったのも、めでたいことである。斎垣に蔦などが多くかかっていて、紅葉など色とりどりの葉が見える。
ちはやぶる 神の斎垣 におう葛も 秋はあえず うつろいにけり (古今集)
と、貫之が歌った歌が思い出されて、しみじみと久しくそこに立ち止まっていたことだ。
みこもり神社は、「御子守」なのか、「身籠り」なのか、名がおもしろい。




