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第二五六段 関白殿、二月十日のほどに(その26)
僧都の君(定子の同腹弟)は、赤色の薄物の御衣、紫の袈裟、とても薄い色のお召し物を何枚かと、指貫を着られて菩薩のようでいらっしゃる。その様で女房に交じって歩いていらっしゃるのが、たいそう「おかし」。
「たくさんいらっしゃる僧都の中で、威儀具足もしていらっしゃらないで、見苦しいこと。女房の中にいらっしゃるとは。」などと言って女房達が笑う。
父である大納言伊周様の前から、松君を連れていらっしゃる。葡萄染めの織物の直衣、濃い綾の打ってある紅梅の織物などを着ていらっしゃる。いつものように、四位、五位の者がたくさんいる。御桟敷の女房の中に入れられる。何がお気に召さなかったのか、大声でお泣きになっているのでさえ、たいそう華やかで見栄えがする。
(次に、やっと一切経供養が始まります。)




