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第二五六段 関白殿、二月十日のほどに(その22)
定子様のもとに参上すると、はじめに車から降りた女房達が見物できそうな端の方に八人ほど出て座っていた。定子様は、一尺(約三十センチ)あまり二尺ぐらいの高さの長押の上にいらっしゃった。
「この私が立って隠して連れてまいりました。」と伊周様が申し上げられると、
「どうだったか。(満足しましたか。)」とおっしゃって、几帳のこちら側に出ていらっしゃった。
まだ唐の御衣をお召しになっていらっしゃるのも素晴らしい。紅の御衣の美しくないことがあろうか。中には、浮き織りの柳襲(おもてが白く、裏は青い)、葡萄染めの五重、赤色(縦糸が紫、横糸が赤)の唐の御衣をお召しで、地摺りの唐の薄物に象眼(模様の縁を糸で縫ったもの)の御裳を着けていらっしゃる。これらの色は、とてもすべて似るべきものなどない。
(凝りに凝った素晴らしく手の込んだお衣装です。清少納言、よくこんなに覚えていたものです。)




