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第二五六段 関白殿、二月十日のほどに(その20)

 一切経供養をおこなう寺にお着きになると、大門の元に、唐土の楽を奏して獅子と狛犬が踊り舞い、笙の演奏の音と鼓を打つ音が鳴り響き、圧倒されて何も考えられない。いったいこれはどこの御仏の国に来たのであろうかと、空に響き上るように思われる。


(やっと着きました。まだまだ続きます。)


 寺の内に入ると、いろいろな(にしき)幄屋(あげばり)(屋外の神事や儀式などの際に、柱を立てて幕を張り巡らせて作った臨時の建物)に、御簾を青々と掛けわたし、屛幔(へいまん)(張りめぐらす幕)をひいてある様子と言ったらとてもこの世のものとは思えない。

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