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第二五六段 関白殿、二月十日のほどに(その18)
関白である道隆様、それに次ぐ内大臣の道兼様などの殿方がそこにいらっしゃる限り、三条院様にかしづきご奉仕される様子は、格別に素晴らしい。そのご様子を、こちらの女房達も見申し上げて感嘆する。三条院様の御一行も、こちらの女房達の車が二十輌立て並べてある様子を趣があると見ていることであろう。
いつ定子様がお出ましになられるのであろうとお待ち申し上げてながら、どのようなご様子であろうかと待ち遠しく思っていると、やっとのことで采女八人が馬にの乗せられて引き出されてくる。青裙濃の裳、裙帯、領巾などが、風に吹かれている様がたいそう趣がありおもしろい。
豊前という采女は、典薬の頭の丹波重雅の思い人である。葡萄染めの織物の指貫を着ているので、並々ではなく格別である。
「重雅は、禁色である紫を身に着けることを許されたのだな。」と、大納言である道頼様(道隆の異母兄)がお笑いになる。
采女たちが馬に乗って立ち並んでいるところに、今、定子様の御輿が出ていらっしゃる。さきほどすばらしいと思って見申しあげた三条院様の御様子でさえ、定子様のすばらしさとは比べようもないほどである。




