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第二五六段 関白殿、二月十日のほどに(その17)

 真っ先に、一条天皇の御母である三条院詮子様を御迎えに、関白道隆様(詮子様の兄)をはじめとして、殿上人も、五位以下の地下など皆参上する。


 三条院様が積善寺(しゃくぜんじ)に渡られた後で、定子様は出立なさるということで、大変待ち遠しいことだと思っていると、日が差し上ってから三条院様はいらっしゃった。


 三条院様のお車を含め十五(りょう)、うち四(りょう)は尼車。先頭は唐廂(からびさし)の車で、それに続いて尼車で、車の後ろには水晶の数珠、薄墨の袈裟(けさ)、衣などが素晴らしい。簾は上げず、下簾も薄色で裾の色が少し濃い色になっている。


 次にただの女房車が十(りょう)、桜色の唐衣、薄色の裳、紅色の打衣をずらりと並んで皆が着ている。その様はたいそう上品で優美だ。


 日はたいそううららかであるが、空は浅緑に霞み渡っている。その下で女房の装束が色めきあって、美しい織物の多彩な色や、唐衣などよりも、上品で優美なこと、この上ない。

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