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第二五六段 関白殿、二月十日のほどに(その14)

 御経のために、明日寺に渡られようということで、今宵参上する。南の院の北面に行ってのぞいてみると、高坏に火をともし、二人、三人、四人と固まっていたり、わざわざ几帳で隔てている者もある。また、そうでなくても、集まって衣をとじ重ねたり、裳の腰を挿し縫ったり、化粧をしたりしている様子は、言うまでもない。髪を結うのも、今日一日もてば、明日以降はどうでもよいと思っているように見える。


(遠足や校外学習のバス席に、親しい人で固まって乗ろうとしていたり、持ち物や服装をかまったりしてそわそわしている雰囲気ですね。)


「寅の時(午前四時ごろ)に、定子様は寺に渡られるそうです。なぜ、いままでこちらに来られなかったのですか。扇を持たせられてあなたを探している者がいましたよ。」などと告げられた。


 そうして、本当に寅の時かと、装束を整えているのに、夜明けも過ぎ、日もさしてきた。



 



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