表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

400/409

第二五六段 関白殿、二月十日のほどに(その11)

 中宮様が二条の宮にお移りになる夜のこと、牛車に乗る次第もなく、

「我が先に、我が先に。」と乗り騒いでいるのが嫌なので、それなりの女房三人と、

「やはりこの車乗りの様子といったら、とても騒がしくて、祭りが終わった時のように倒れそうに混乱していて、ひどく見苦しいですこと。まったく、どうしようもない。乗ることのできる車がなくて行くことができなければ、定子様が自然と聞きつけられて、車を差し向けてくださることでしょう。」などと言って笑い合わせて立っている前を、他の女房達は押し合い見苦しく乗っていく。


 宮司が出てきて、

「これで終わりか。」と問うので、

「まだここに居ります。」と答えると、寄ってきて、

「だれだれがいらっしゃるのか。」と問う。


「ずいぶん不思議なことですね。今は、皆乗っておしまいになったと思っておりました。どうしてこんなに遅れておられるのか。今は、御厨子所の女官を乗せようとしていたのですよ。珍しいことだ。」と言って驚いて車を寄せる。


(定子様お気に入りの清少納言たちがまだ残っていたので、宮司は、しきりに不思議がっています。貴族の娘はみんな乗ってしまって、最後に采女の女官を送る手はずだったようです。)


「それなら、まず予定の方を乗せられて、その次にでも。」と私が言うのを聞きつけて、

「とんでもないことだ。意地悪なことをおっしゃる。」

(我がおとがめを受けるではないか。)

などと言うので、車に乗った。


 その次は、本当に御厨子所の女官の車なので、最後尾になり、松明の明かりも暗いのを笑いながら二条の宮についたのであった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ