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第二五四段 うれしきもの(その5)
さし櫛を結ばせて、いい感じになるのも、また、うれしいことだ。他にもうれしいことはたくさんあるのに。
何日も、何月も気分が悪かったのが、治ったのも、大変うれしい。大切に思う人が治るのは、自分の事よりもまさって、うれしく思う。
定子様の御前にたくさんの人が隙間もなく座っているところに、今やってきたので、少し遠い柱のもとなどに座っているのをご覧になって、
「こっちに来なさい。」とおっしゃったので、そこにいた人々が道をあけてくれて、定子様の近くに召し入れられたのは、何よりうれしい。




