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第二四九段 八月つごもりに
八月の月末に、太秦の広隆寺に参詣しようと出かけた。
穂の出ている田に、人がたくさんいて騒いでいる。稲を刈るようである。
昨日こそ 早苗取りしか いつの間に 稲葉そよぎて 秋風の吹く(古今集)
と歌うのは、本当になるほど、先だって賀茂神社に参ろうとして早苗を植えるのを見たが、趣深く実っていることだ。早苗のときは女もいたが、この度は女は混じらず、男たちが片手に大変赤い稲で、根本は青いのを刈り持って、刀か何かであろうか、根元を切る様子が軽々としてすばらしいので、やってみたいように見えるのだ。どうしてそうしているのかわからないが、穂を上にして並んで座っている。それが「おかし」と見える。いお(小さな番小屋)の様子が、知っているものと違っている。




