前へ目次 次へ PR 372/484 第二四四段 細殿の遣戸を 早朝に局(つぼね)のある細殿(ほそどの)の遣戸(やりど)を押し開けると、御湯殿の廊下から降りてくる殿上人がいる。 よれよれになった直衣(なおし)や指貫(さしぬき)をひどくほつれさせているので、無理に押し込んで、北の陣のほうに歩いていく。開いている遣戸の前を通り過ぎないうちは、冠の後ろに垂れている纓(えい)を前に引き越して、顔を隠しながら通り過ぎていくのも「おかし」。 (宿直に向かう殿上人は華やかに向かっていくのに、仕事を終えた殿上人は、よれよれになって顔を隠しながら帰っていくのは、「おかし」ですね。)