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第二三四段 さかしきもの
こざかしいもの。
このごろの三歳児。
幼児の病気平癒をして、腹をさする女ども。祈祷に必要な物を言い並べて、祈祷のための道具を作るのに、紙をたくさん押し重ねて、ずいぶん鈍っている刀で着る様子と言ったら、一枚の紙さえ切れそうにもなく見えるのに、このための刀と見えて、自分の口までゆがめながら無理やり押し切っている。
目の多い道具(鋸)で竹を切り、紙を掛けて、いかにも神々しく仕立てて、打ち震えながら祈る様子は、とてもこざかしい。
祈る一方では、
「何とかの宮の、その殿の若君が、ひどく重い病でいらっしゃったときに、私が、かきぬぐったようにお治し申し上げたので、ご褒美をたくさんいただいたのです。だれそれの祈祷師をおよびになったのですが、治る兆しが見えなかったので、今でも、この私をお呼びになるのですよ。徳のあるお方です。」などと語っているのもおもしろい。
つまらない身分の家の女主人は、あきれた者だ。それも、おもしろい。
それも、こざかしく、本当に賢い人を「おかし」とするべきなのだが。
(平安時代の病気対策は、神頼み(祈祷)。ああ、こわ。)




