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第二二三段 うまやは
馬屋(三十里に一駅ある馬の乗り継ぎ駅)は、梨原の馬屋。ひぐれの馬屋。つきの馬屋。のぐちの馬屋が、趣深い。
やまの馬屋は、以前からしみじみとした説話を聞いていたのだが、また、定子様の兄君伊周様が大宰府に左遷される際、播磨の国にとどめられたということがあったので、やはりいろいろなことを取り集めて、しみじみと感慨深く思われる所だ。
君ばかり おぼゆる物は なし原の むまやいでこむ たぐひなきかな(古今六帖)
逢坂の 関の清水に 影見えて 今や曳くらむ 望月の駒(拾遺和歌集)




