37 十次郎 亀山会議に参加する
急遽、亀山城で会議が行われた。
僕にも関わる重要な話をするそうだ。
部屋で待機するように言い渡された。
十次郎 「何の話をしておるのじゃ？」
隠岐惟恒「はぁ？何か申しましたかな？」
監視役の隠岐惟恒は、耳が遠い爺さんだ。
十次郎 「（大きな声で）父上は何をしているのじゃ」
隠岐惟恒「はぁ？何ですか十内様」
十次郎 「わしは十次郎じゃ」
隠岐惟恒「はい、自然様ですね」
駄目だこりゃ。
家臣 「十次郎様、殿がお呼びです」
会議をしている広間に向かった。
広間には７人いた。
メンバーは、右から
父親、 明智光秀 明智家当主
親族、 明智光忠（治右衛門）光秀の従兄弟、義理の娘婿、弟の様な存在
義理の兄、明智秀満（弥平次） 光秀の娘婿
左に、
筆頭家老 斎藤利三（内蔵助） 光秀の信頼する家臣
家老 藤田行政（伝五郎） 明智家の古くからの家臣
家老 溝尾茂朝（庄兵衛） 明智家の影の薄い家臣
真ん中の上座に、白い顔の公家のおっさん。
公家 「その者が、そなたのご嫡男でおじゃるか？」
ヤバイ、吹きそうになった。
明智光秀「次男の十次郎で御座います」
公家 「そなたに似て、賢そうな童でおじゃるな」
この公家は、一体誰だ。何しに来た。
公家 「御先祖様を蘇らせたのは、誠でおじゃるか？」
斎藤利三「いえ、小さい雷を起こす玩具でございます」
静電気発生装置は斎藤利三に渡してある。
しかし御先祖？菅原道真の子孫か？
明智光秀「十次郎、説明せよ」
斎藤利三から、静電気発生装置をかえされた。
十次郎 「この突起を押すと、銅線から小さい雷が出ます」
溝尾茂朝で試してみた。
パチン！！！
溝尾茂朝「ビリィとしましたぞ」
十次郎 「それが雷です」
公家 「どういう仕組みでおじゃるか？」
十次郎 「中に鉄が入っていまして、この突起で叩くと、
この銅線の中を通り、小さい雷が出るのでございます」
公家 「簡単過ぎでおじゃる」
十次郎 「分解して見せまする」
公家 「たった、これだけでおじゃるか？」
十次郎 「雷様は太鼓を叩いて、雷をおこします。
それと同じ原理でございます」
公家 「では、大きな雷は起こせるのでおじゃるか？」
知らないよ、本当は静電気だし。
十次郎 「京の都と、同じぐらいの物を作れば出来るかと思われます」
公家 「それは、無理でおじゃるな」
十次郎 「人には無理でございます（未来では出来るけど）」
公家 「これは何の為に作ったのでおじゃる？」
十次郎 「ただの玩具でございます」
公家 「武家の子は、恐ろしい玩具で遊ぶのでおじゃるな」
明智光秀「近衛様、御納得いただけましたでしょうか？」
公家 「明智殿も、苦労が絶ぬでおじゃる」
明智光秀「全くで御座います」
公家のおっさんは帰っていった。
十次郎 「あのお方は誰だったのですか？」
明智秀満「近衛前久様、元関白様で御座います」
関白か、豊臣秀吉が後に就任する役職だよな。
知らない人だけど、もしかしたら朝廷黒幕説の中心人物かも知れない。
十次郎 「偉いお方なのですか？」
明智秀満「宮中で発言力のある御方だと聞いております」
知った所で、今は何もすることは出来ないが。
明智光秀が、近衛前久の見送りから帰ってきた。
明智光秀「さて、この玩具じゃが、今後作る事を禁ずる」
十次郎 「何故でございますか？」
明智光秀「影響が大きくなりすぎておる」
まさか、静電気だぞ。なんの役にもたたないよ。
十次郎 「それほど評判なのですか？」
明智光秀「たわけ！！！悪名が広まっておる」
ヤベェ怒られた。
斎藤利三「しかしながら、悪い事ばかりではございませぬ」
藤田行政「明智家には、恐るべき武具があると評判でございます」
明智光秀「実態は、指に針を刺す程度の物じゃぞ」
斎藤利三「ですが、領地が増えますではありませぬか」
明智光秀「あれは、佐久間の失態じゃぞ」
十次郎 「何の話ですか？」
明智秀満「佐久間家が追放され、お取り潰しになり、
その土地を明智家が、管理する事が決まったそうです」
信長さん、何してくれてるの。敵に力を与えて殺されるよ。
佐久間さんも、しっかりしてくれよ。
十次郎 「それは、おめでとう御座います」
明智光秀「おぬしのおかげでは無いぞ」
明智光忠「しかし、多少は影響しているのでは無いのでしょうか？」
明智光秀「あまり十次郎を、つけあがらせる事を申すでない」
十次郎 「では、もうこの玩具作りはやめまする」
明智光秀「そうせよ」
まあ、別にいいけどね。金儲けの為だし。
ヨーヨーと、改良竹とんぼと、積み木で、ある程度は儲けた。
他にも、手は有る。
重要人物全員登場。
明智光忠は優しい叔父さん。
明智秀満はフォロー役
斎藤利三は光秀の友達
藤田行政はただの家老
溝尾茂朝は目立たない人
裏設定です。
近衛前久の経歴が間違っていたので訂正しました
