5話
この物語には妖怪に対する自己解釈やオリジナル設定が含まれています。
オリジナルの妖怪が登場することもあります。
素人がただ思い付きで書いている物語なので最後まで温かい目で読んでいただければと思います。
※作者に教養がないためここで使っている外国語はAIで翻訳しています。
柚子と樹霧之介は学校が休みの日に真生に会いに行こうと決めて平日の今日は普通に過ごす事になった。
妖ノ郷の中を見回ったり、人間の町にいる妖怪たちに挨拶をしながら変わったことがないか聞いて回り、異常がない事を確認して最近見つけた山中の日当たりの良い場所で日光浴をする。
その後隠里にある志乃の屋敷で動きのチェックをしようと思っていたら紐声環に黒根から通話がかかってきた。
樹霧之介「どうしたんですか?」
黒根「さっき雫から連絡が来て例の森で狼を操る奴と交戦中なんだそうじゃ。」
樹霧之介「え!ディブク以外が出たんですか?」
黒根「相手が狼ということで柚子も行くと言っておってな、わしらは先に向かう。」
樹霧之介「大丈夫なんですか?」
黒根「真琴と風見には連絡つかんだが、あっちには雫の他にも焔と茂蔵もいる。危なければ直ぐに撤退するつもりじゃ。」
樹霧之介「分かりました。僕もすぐに向かいます。」
黒根「待っとるぞ。」
通話が切れると樹霧之介は妖ノ郷へ急ぐ。
そして妖ノ郷から森へ行くと狼の唸り声が聞こえてその方向へと向かうと狼の群れと先に来ていた黒根たちが向かい合っていた。
狼の群れの中には1人の男性がいて狼たちに指示を出している。
黒根「やっと来たか。」
樹霧之介「どんな状況ですか?」
柚子「あの狼たち、操られているのか私の声は届かないの。」
黒根「今は焔が炎で牽制してくれておるが、無闇に傷つけられんからの。お主がやつらを止めてくれ。」
樹霧之介「直接あいつを捕まえるのは駄目なんですか?」
黒根「どうやって狼どもを操っているか分からんからの。周りから攻めた方が良い。」
樹霧之介「分かりました。」
柚子「私もお香で鎮めたいけど、風見がいないから撒くことができないの。ごめんね。」
樹霧之介「大丈夫です。母さんはもう戻って下さい。」
黒根「わしは狼を2匹木の根で絡めただけで妖力切れじゃ。柚子と戻るからあとは頼んだぞ。」
樹霧之介「はい。」
黒根と柚子は妖ノ郷の入り口に向かい、樹霧之介は雫たちと合流する。
黒根の言っていた通り焔が狼の足止めをし、茂蔵が足止めできなかった狼から雫を守っていた。
樹霧之介「僕が狼たちを足止めします。」
雫「樹霧之介、良かった。ここ木々が多くて雨があまり当たらなくて、私の状態異常かけれないの。」
樹霧之介「なら先にこの木を退かした方が良いかもしれませんね。」
雫「お願い。」
だが樹霧之介は森の木を動かして隙間を作ろうとするが少し葉が揺れるだけで動かない。
茂蔵「何してんだ?」
樹霧之介「前から感じていたんですがここの木、動かしにくいんです。ですが全く動かないなんて、、」
そんな時1匹の狼が焔の炎をすり抜けて樹霧之介に襲いかかって来たので樹霧之介は持っていた木の玉を棒に変えて受け止める。
そのまま木の棒を操り、狼の足に絡ませて行動不能にした。
樹霧之介「時間がかかるかもしれませんが1匹づつこうするしかないですね。」
雫「役に立てないのがもどかしいわね。」
樹霧之介「雫は誰かが怪我した時に治療を頼みます。」
雫「分かったわ。」
樹霧之介「茂蔵、手伝ってください。」
茂蔵「おう。」
樹霧之介「焔、狼を少しずつ通して下さい。」
焔「分かった。」
そうして樹霧之介が狼を1匹ずつ木を絡ませていると狼を操っているであろう男性が遠吠えをし、それを聞いた狼たちは解散して行った。
急に走って行く狼たちをぽかんと見ていたらあの男性もいつの間にかいなくなっており、迷うので森の中には行けない樹霧之介たちは大人しくなった狼を解放してから一度妖ノ郷へ戻る事にした。
茂蔵「何だったんだ?」
焔「狼が動けなくなって不利だと思ったんじゃないか?」
樹霧之介「何故、出て来たんでしょうか?」
雫「時々何か喋っていたけど、言葉が分からなかったのよね。」
樹霧之介「いきなり襲われたんですか?」
雫「ええ。狼に囲まれて焔が牽制してくれたんだけど、その時はただの野生の狼だと思っていたの。」
茂蔵「妖ノ郷に戻ろうとした時に話しかけられてさ、それでそれが普通の狼じゃないって気づいたんだ。」
焔「本当、あの時何言ってたんだろうな。」
樹霧之介「次から12号にも同行してもらいましょう。」
雫「そうね。」
話しながら妖ノ郷の入り口近くに行くと柚子が座り込んでいるのを見つける。
樹霧之介「母さん、どうしたんですか!?」
樹霧之介が走り寄ると柚子は樹霧之介の方を向く。
柚子「樹霧之介、黒根が、、」
樹霧之介「父さんがどうしたんですか?」
柚子の様子で樹霧之介は嫌な予感が頭をよぎる。
柚子「黒根が連れ去られた。」
茂蔵「狼か?」
柚子「違う。女性だった。」
樹霧之介「志乃さん、ディブクですか?」
柚子「それも違う。黒い外套を羽織った細い人の姿だったわ。黒根の背後に突然現れて一緒に消えたの。」
それを聞いて樹霧之介は森の方へ走り出す。
柚子「待ちなさい!お願い、樹霧之介を止めて!」
それを聞いて茂蔵が虎に化けて樹霧之介に飛びかかり、押さえ込んだ。
茂蔵「気持ちは分かるが落ち着けよ。」
樹霧之介「ですが、志乃さんに続いて父さんまで、、」
柚子「だけど、森の中だと手が出せない。あなたまで失ったら、私はどうすればいいの?」
樹霧之介「それは、、」
雫「樹霧之介、あの森の術について言おうかどうか迷っていた事があるの。」
樹霧之介「何ですか?」
雫「3年ほど前から少しずつ弱まっているの。」
焔「そうなのか?ならいつかは消えるのか?」
雫「可能性はあるけど、理由も分からないし、また強まる可能性もあるから言うかどうか迷っていた。」
樹霧之介「、、どのくらい弱まっていますか?」
雫「微々たるものよ。でも確実に減っていて、今は1番強い時より⅔くらいになってる。」
焔「ならあと6年で無くなるのか?」
雫「そう簡単なものじゃないわ。たまに強くもなってるんだから。」
樹霧之介「この術、僕らみたいな存在が維持しているんですよね。父さんが攫われた事と関係あるんでしょうか?」
雫「分からないけど、あるかもしれないわね。」
樹霧之介「それと茂蔵、もう行かないので降りてくれませんか?」
茂蔵「あ、ああ。止めるためとはいえ、悪かったな。」
樹霧之介「いえ、一度帰って作戦を立てましょう。」
茂蔵が退くと樹霧之介は立ち上がり服についた土を落として妖ノ郷にある樹霧之介の家へと帰る。
樹霧之介の家では妖怪の依頼を解決した真琴と風見が待っていたので情報交換をして、今後の事を話し合った。
一方で黒根が起きると周りは太い木の根で囲われた空間だった。
日の光は入らず、火のような灯りも無いが壁には見た事もない文字の様な物が書かれており、それが光っていて暗くはない。
所々根が垂れ、その間に草の様な物が下がっていたり壁に動物の皮や棚の様になっている場所には骨や瓶等が並んでいる。
黒根は黒いローブを着た女性に掴まれた時に妖力を取られたせいで人の姿が中途半端になり、皮膚の大半が木の皮で覆われ、手足の先は木の枝や根になっていて立つ事も動くことすらできなかった。
何とかして妖力を回復する方法がないかと辺りを見渡していると、カラカラと乾いた音が響き、あの女性が入って来た。
???「O, obudziłeś się.Miałam nadzieję, że zrobisz dla mnie coś pożytecznego ale wygląda na to, że masz tylko taką resztkę mocy.Rozczarowujące.」
黒根「何を言っておるのか分からんわ。」
???「Nawet mówić nie potrafisz.Trudno…co może się przydać jako materiał.」
女性は黒根にとって意味が分からない言葉を呟きながら近づき、木の枝になっている場所に手をかけて折る。
黒根「ぐっ。」
痛みで声を上げる黒根を他所にその枝を机の方に持って行き、その枝で壁に書かれているのと同じような文字を空に書いてみたり、黒根の木の皮を削り実験道具のような物に入れたりしている。
???「Ta moc ma nieco inną naturę niż nasza.」
女性はぶつぶつ何かを呟きながら集中していたがしばらくして何処かへ行ってしまった。
黒根「わしは、このまま実験材料として使われて終わるのか?いや、諦めるな。妖力さえ回復すれば良い。体さえ動けば、、」
黒根がそう自分を鼓舞しているとさっきよりも小さくカラカラと音がして誰かが入って来た。
???「黒丸。」
黒根「お主、志乃か?」
静かに入って来たのはディブクに体を取られたはずの志乃だった。
志乃?「ああ、妖力を分けるからここから出るぞ。」
志乃が黒根から生えている枝に触りしばらくするとそれは手に変わっていく。
他の部分も木から人の姿になり黒根は動けるようになる。
その間、黒根はずっと志乃の事を観察していた。
志乃の姿は前に森で出会った時と同じで、厚手のシャツに革のコート、ワークパンツと革のブーツを着けて髪を高い場所で結び、腰には片手斧を装備している。
志乃?「そんなに見なくてもいいだろ。違和感はあるだろうが、今はこの服しか無いんだ。」
黒根「、、すまんな。」
志乃?「動けるか?」
黒根「あ、ああ、それでここは何処なんじゃ?」
志乃?「ヴィエジマの拠点だ。」
黒根「ヴィ、、?そいつは名前か?」
志乃?「魔女という意味だ。あいつは森の魔女でこの森の古株なんだ。」
黒根「何故わしを連れて来たんじゃ?」
志乃?「、、ここの森はレーシィというやつが管理していて、あの感覚を鈍くする術もそいつのものなんだ。だが、そのレーシィが最近弱ってきている。ヴィエジマは人嫌いでその術が無くなる事を恐れていて、レーシィの代わりを探しているんだ。」
黒根「そのレーシィとやらはわしらと似た存在なんじゃな。」
志乃?「まあ、レーシィは森の精霊で、お前らは木の精霊だけど、木を操るのは同じだな。」
黒根「もしかしてこの森の木が操りにくいのはそやつのせいか。」
志乃?「だと思う。」
黒根「それでここは森の中なんじゃな。どうやって出るんじゃ?」
志乃?「レーシィに認められたものと一緒に行動すれば良い。私もその1人だからついて来い。」
黒根「お主がか?」
志乃?「、、正確にはディブクの方だが、私でも平気だろう。」
そんな時カラカラという音と共にドアが開いた。
志乃?「無駄話は後だ。隠れろ。」
黒根は壁の木の根を操り隙間を作ってそこに隠れる。
部屋に入って来たのは黒根を連れて来た女性、ヴィエジマだ。
ヴィエジマ「Ty.Gdzie podziałaś tego, którego przyprowadziłam?」
志乃?「Coś tu było?Kiedy przyszedłem, nie było tu nikogo.」
ヴィエジマ「Nie udawaj.Ukrywanie czegokolwiek nie wyjdzie ci na dobre.」
志乃?「Tak czy inaczej, nie sądzę, żeby to mogło zastąpić Leszy.」
ヴィエジマ「Mimo wszystko to był mój cenny materiał.A ty… zamierzasz go zastąpić?」
志乃?「Wolałbym tego uniknąć.」
ヴィエジマは頭に血が上り志乃しか見ていない。
その隙に志乃は後手に黒根に合図を送ると黒根はドアの方へ移動し開けるが、ドアに付いている骨が揺れてカラカラ音を立ててしまう。
ヴィエジマ「A więc tam byłaś.」
ヴィエジマがドアの方を振り向いた隙に志乃は斧の柄で殴って気絶させ、黒根の後を追う。
一方、大きな枯れ木のようなヴィエジマの家を出た黒根は前方に淡い光を放つ場所を見つけてその方へ進むと泉を見つけた。
泉の周りには淡く光る光の玉が浮いており、それは人の魂という事が分かる。
黒根「何じゃここは。」
???「Kim jesteś?」
声の聞こえた方向を見ると泉の縁に女性が座っている。
その女性は薄い衣のみを纏い、肌は青白く長い髪を垂らしている。
黒根「何じゃ?お主は誰じゃ?」
???「Hmm…nie rozumiem tych słów Brzmi to jak… japoński?Może Dybuk by to pojął nigdy nie wiem, gdzie się włóczy.」
黒根「やはり言葉は通じんか、英語なら少し勉強したがそれとも少し違うんじゃよな。」
???「Powiedz… jak tu wszedłeś?」
泉の女性はいつの間にか黒根の側にやって来て見つめている。
黒根「ハ、ハロー?」
言葉が分からず戸惑っている黒根の後ろから志乃が追いつく。
志乃?「Rusałka on jest tylko zagubiony Odprowadzę go więc nie martw się.」
黒根「志乃、こいつは誰じゃ?」
志乃?「こいつはルサルカ、水の精霊でこの泉に住んでいる。」
黒根「この泉は何なんじゃ?」
志乃?「今は時間が無い。後ででも良いか?」
ヴィエジマ「Dybuku!Czy ty w ogóle rozumiesz, co robisz?!」
ヴィエジマが顔を真っ赤にして追いついてきた。
志乃?「頑丈な奴だな。」
ルサルカ「Wiedźmo… co się stało?」
ヴィエジマ「On nie tylko ukradł mój materiał, ale jeszcze mnie zaatakował.」
ルサルカ「Uspokój się… Myślę, że Dybuk też to przeżył, bo byłaś okrutna. Może tym razem mogłabyś mu wybaczyć?」
ヴィエジマ「On jest potrzebny, żeby utrzymać ten las.」
黒根を指差すヴィエジマの前に志乃は黒根を隠す様に立ちふさがり、言い争いが始まる。
志乃?「Nie zastąpi Leszy.」
ヴィエジマ「Ale mogę go wykorzystać, żeby przywrócić Leszy’ego. To, co robisz, naraża ten las na niebezpieczeństwo.」
志乃?「To tylko gra na czas.」
ヴィエジマ「Przed chwilą złamałam mu gałąź, a jednak nie widzę żadnego ubytku.W przeciwieństwie do ciebie, jako istota roślinna — tak jak Leszy — on ma pewien potencjał.Jeśli ci to nie odpowiada, to naucz się wreszcie korzystać z mocy tego ciała.」
ルサルカ「W takim razie lepiej oddać go Wiedźmie. Ty też wiesz, że Leszy jest czymś, bez czego ten las i to źródło nie mogą istnieć.」
志乃?「Nawet tak… nie pozwolę ci go użyć.」
説得はできないと悟った志乃は黒根の腕を掴み走り出した。
黒根「おい、どうなったんじゃ?」
志乃?「説得が失敗した。早く離れないとヤバい事になる。」
その時泉の方からルサルカの大きな声が聞こえた。
それはただの叫び声というより泣き声のように聞こえる。
途端に木々が生い茂った森の中にも関わらず激しい雨が降り出し、黒根と志乃の視界を塞いで足を止める。
黒根「これは何じゃ!?」
志乃?「ルサルカの術だ。これが止めばヴォルコラクの狼も来てしまう。隠れるぞ。」
黒根「じゃが前が見えん。どこに行けばいいんじゃ。」
志乃?「とにかく、近くの木の影に、、」
志乃が近くの大きな木に近づくと影から赤い色の蛇が現れて隠れようとした志乃の邪魔をする。
志乃?「Smoku… dlaczego ty też się pojawiłeś?」
スモクに足止めされているうちに雨は止み、ルサルカとヴィエジマが追いついて来ていた。
遠くからは狼の遠吠えも聞こえる。
ルサルカ「To boli, Dybuku… naprawdę nas opuszczasz? 」
スモク「Mówiliście, że zdrajca jest przed nami, prawda?Może to właśnie on.」
志乃?「Nie! To nie ma z tym nic wspólnego.」
黒根「おい志乃。どうなっておるんじゃ。」
ヴィエジマ「Shino… tak powiedziałeś? Czyżbyś odzyskał swoje ciało?」
スモク「Nieważne, co tam bredzi. To, co zrobił, to zdrada wobec nas. Łapmy go.」
志乃?「Czekaj! Ja…!」
言い訳しようとする志乃を無視してスモクは火を纏った尻尾を振り回して来たのでそれを黒根を庇いながら避ける。
スモク「Opieraj się, jeśli chcesz.Będzie tylko ciekawiej.」
志乃?「Rozmowa nie ma sensu…とにかく逃げるぞ。黒丸、お前は隠れるのは得意だよな。」
志乃は黒根とスモクたちの間をすり抜けて走り出す。
黒根「ここなら木も多いから簡単じゃが、お主はどうするんじゃ。」
志乃?「私はあいつらを引き付ける。静かになったら出てくれ。」
黒根「出口も分からんのにどうしろと。」
その時、スモクの吐いた火の玉が迫り、それを体で受けようとする志乃。
だが火の玉が当たる前に志乃の前に木の根が現れて火の玉を防ぎ、スモクたちの足元にも表れて足を止めた。
志乃?「妖力を分けたがまだ本調子じゃないだろ。無理はするな。」
妖力を使ったせいで黒根の皮膚の一部が木の皮に変わっている。
黒根「まだ動けるわい。お主がいなくなればここから出る事ができんくなる。そっちの方が危険じゃからの。」
志乃?「それならあいつの術を無効にする術があるからそれを教える。だが一つだけ約束してほしい。」
黒根「なんじゃ?」
志乃?「この森にはもう来るな。他のやつにもそう言ってあの出口を閉じろ。」
黒根「、、志乃が戻ればあいつらもそうするだろう。」
志乃?「私は、、もう、戻らない。」
黒根「そうだとしても、あいつらに志乃の言葉で伝えてやることはできんのか?」
その時ガサッという音と共に茂みの中から狼が2人の前に現われた。
志乃?「その話は後だ。まずは靴を脱いで、、」
志乃が説明しようとすると狼の現れた茂みの奥の木の裏から大きな影が覗く。
それは白い髪と髭を足の方まで伸ばし、見える皮膚は木の皮のようにガサガサな大男だ。
志乃?「Leszy…」
黒根「あいつがレーシィか。」
狼たちはレーシィが現れると怯えて散り散りに逃げていく。
志乃?「Leszy… to nie zdrada wobec ciebie.Dlatego… proszę, nie złość się.」
表情の見えないレーシィに志乃はそう訴えるが、レーシィは志乃を見るだけで何も言わずに森の奥へと引っ込んで行った。
黒根「何しに出てきたんじゃ?」
志乃?「分からない。狼が怯えてたからてっきり怒っているのかと思ったんだが、違ったのか?」
黒根「じゃが、今なら出れるんじゃないか?」
志乃?「あ、ああ。案内するからついて来てくれ。」
2人は急いでレーシィの術が届かない場所まで移動する。
志乃?「ここまで来ればあいつらも来ないし、お前1人でいいだろ。」
黒根「お主は来んのか?さっきの奴らとわしのせいで喧嘩したんじゃろ?」
志乃?「、、別に、平気だから気にするな。」
黒根「それで、あの泉は何なんじゃ?」
志乃?「レーシィはあの泉を守るためにこの森に術を掛けている。今言えるのはそれだけだ。」
黒根「お主は何のためにここに残る?」
志乃?「私もこの森は大事なんだ。すまないな。」
黒根「そうか、わしらをうっとおしいと言ってそっちを取るんじゃな。」
志乃?「それは、、」
黒根「それはいい。じゃが最後に聞いても良いか?」
志乃?「答えれる事なら。」
黒根「篠原茶舗を知っておるか?」
志乃?「、、飴屋の方を言わない時点で気づいてるんだろ。」
黒根「あそこの店主と何かあったんか?」
志乃?「あの茶屋は元々私の息子が盛り上げた商店から続いた場所なんだ。」
黒根「ならあの店主は志乃の、、」
志乃?「何代目かは忘れたが子孫ではあるな。今更聞く事か?」
黒根「篠原の者にあったんじゃよ。」
志乃?「もしかして子孫がいるのか?」
黒根「ああ、元気に小学校に通っとるぞ。」
志乃?「そうか。」
樹霧之介「父さん!!」
黒根を探しに来た樹霧之介が2人を見つけて駆け寄って来た。
黒根「樹霧之介、心配かけたかの?」
樹霧之介「当たり前です!攫われたって聞いて、心配し無いわけないじゃないですか!それで、父さんを助けたって事はあなたは、志乃さん、、ですか?」
黒根「いや、ディブクじゃよ。」
ディブク「なんだ、気づいていたのか。いつからだ?」
黒根「どうせ柚子にでもわしの過去を聞いたんじゃろ。いつからか斧や鋸といった道具は使わんようになっておったわ。」
黒根はディブクの腰に下がる斧を指差す。
ディブク「なら最初からか?何故私に付いて来た。」
黒根「初めは疑っておった。それでもわしが逃げるには話を合わせた方が良いと思ってな。じゃが、あいつらと敵対するお主を見てたら信じてみようと思ったんじゃ。お主こそ何故わしを助けた。」
ディブク「この体の元の持ち主と記憶を共有したせいだろうな。お前がヴィエジマの拠点に運び込まれるのを見てこの辺がざわっとしたんだ。」
ディブクは胸を押さえてそう説明する。
樹霧之介「元の持ち主ですか。今回は父を助けてくれたので良いですがその体、志乃さんに返してもらいますからね。」
ディブク「そうは言っても本当にそいつはいないんだ。」
樹霧之介「奥にもですか?」
ディブク「最初は体を奪うために大量の記憶からこいつの弱点だけを見ていたが、今は深いところも見ている。だがいないんだ。こいつを元に戻したいのであればまずはこいつを見つけないと体を返す事すらできない。」
黒根「それはこの森に入れさせないための方便ではないんじゃな?」
ディブク「本当だ。それにこの森は今は本当に危ないんだ。」
黒根「レーシィとやらが弱っているのが原因かの?」
ディブク「ああ、そしてその原因はあの中の誰かが作っている。」
樹霧之介「仲間割れですか?」
ディブク「裏切り者がいるとヴィエジマが言っていた。理由は分からないがこの森か泉を狙っているんだろう。黒根でもレーシィの回復に使えると言っていた。樹霧之介はレーシィの代わりになり得るだろうから見つかればその裏切り者は消しに来るだろう。」
黒根「どちらにしろあいつらに樹霧之介の存在がバレれば連れ去られるじゃろ。」
ディブク「そうだな。お前と違って妖力があるから一度バレてしまえば妖ノ郷にまで押し入る可能性だってある。」
黒根「敵意あるものは入れんようになっておるぞ。」
ディブク「ヴィエジマはそういった術に詳しい、多少複雑でも時間があれば解けるだろう。」
樹霧之介「僕のせいであそこまで危険にさらされるんですか?」
黒根「志乃の魂を見つけるまでここには来ん方がいいじゃろうな。」
ディブク「すまない、それまでには解決させるから。」
樹霧之介「もしかして前襲って来たのは僕たちを遠ざけるためですか?」
ディブク「ああ、危ないからと来なくなれば良し、だがお前たちの目的を考えればそれは無い。けど警戒して戦力は増やしてくれただろ。」
樹霧之介「確かにそのおかげで狼が出た時焔たちが対応できました。」
黒根「けど、雫はここを見つけてからずっと調べておった。なんで今更出て来たんじゃ?」
ディブク「レーシィが弱まった理由がその雫にあるかもしれないと話が出たんだ。初めは術に干渉できてないから違うと言っていたが、最近では少しでも可能性があるなら排除すべきという意見が強くて警告の為に攻撃を仕掛けた。」
樹霧之介「説明してくれれば良かったんじゃないですか?」
ディブク「仲間の体を奪った奴の話を聞いてくれるのか?」
樹霧之介「う、確かに、、」
ディブク「だけどあれは悪手だった。その時に木を操るものがいるとバレてな。誰かまでは分からなかったみたいで安心してたがまさかこんなに早く仕掛けるなんて思ってもいなかった。」
黒根「狼が出た時じゃな、わしが狼を木の根で捕まえたから狙われたのか。」
樹霧之介「逆に僕は持って来た木の棒しか使わなかったから木自体を操るものとして見られなかったんでしょうか?」
黒根「使わなくて良かったの。」
樹霧之介「あ、いえ、使わなかったと言うより使えなかったんです。最初雫の雨を通す為に枝を動かそうとしたら何故か動かなくて、仕方なくあの戦法になりました。」
ディブク「木を動かせないならレーシィの仕業だろうが、何でそんな事、、」
黒根「お主にも分からんか。」
ディブク「体の無い状態の時から助けてくれたが、正直考えている事はよく分からないんだ。」
黒根「それで、お主は志乃に体を返す意思があるのか?」
ディブク「私の昔の仲間は皆既に他界していた。ここで世話になったから今の問題は解決したいと思ってはいるがそれ以外に未練は無いからな。」
樹霧之介「ここは信じます。ですが志乃さんの魂を見つけて来た時に逃げたりしたら力づくでいかせていただきますよ。」
ディブク「分かった。」
黒根「そういや、樹霧之介1人か?他のものは来ておらんのか?」
樹霧之介「え?あ、えっと、、」
黒根「心配かけた本人が言うのもあれじゃが何しとるんじゃ!わしらがここにいなければ森の奥に入るつもりだったんじゃなかろうな。お主志乃に影響されておるんじゃないのか?」
ディブク「私はもう戻る。誤解を解かないといけないからな。」
黒根「今回の事、一応礼は言っておく。ありがとう。」
ディブク「まあ、お前が私の事志乃と呼んでくれたおかげでお前を助けたのは体を取り戻したこいつという事になっているかもしれない。記憶が無いフリで通すよ。」
そう言ってディブクは森の中へ消えて行った。
それを見送り、黒根と樹霧之介も妖ノ郷に帰るために入り口の方へ行くと、樹霧之介が消えた事に気づいた柚子が集めた仲間達と出会い、樹霧之介は黒根と共に説教を受ける。
その後に攫われた先であった事やディブクと話した事を共有し、志乃の魂を探すためしばらくはあの森には行かない事になった。
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