3話
この物語には妖怪に対する自己解釈やオリジナル設定が含まれています。
オリジナルの妖怪が登場することもあります。
素人がただ思い付きで書いている物語なので最後まで温かい目で読んでいただければと思います。
※作者に教養がないためここで使っている外国語はAIで翻訳しています。
樹霧之介たちが妖ノ郷にある樹霧之介の家へ戻ると中では焔と茂蔵が柚子と共に待っていた。
樹霧之介「2人も来ていたんですね。」
焔「樹霧之介の親父に呼ばれてな。」
茂蔵「それより何待ってんだよ。」
何か手掛かりにならないかと樹霧之介は切り落とされた志乃の腕を持って来ていたのだ。
樹霧之介たちはさっきあった事を3人にも共有する。
焔「何でそっちに呼んでくれなかったんだ?」
黒根「お主らを呼んだのはこれまでのことを樹霧之介に伝えてほしかったからじゃ。まさかあいつが出てくるなんて思ってもいなかった。」
雫「焔なら魂を見れるから何か分かったかもしれないのにね。」
焔「隠れてたら俺にも分からない。実際、樹霧之介の中にいた樹霧之介の母さんのこと分からなかった。」
雫「使えないわね。」
焔「それでも妖力の扱いは上手くなったんだぞ。できることも増えたんだからな。」
樹霧之介「焔も努力していたんですね。それなのに僕は周りも見ずに足元ばかり見てました。」
焔「なんか俺が1番努力しないような言い方じゃないか?」
樹霧之介「そんな事ないです。焔が努力家なのはよく知っています。」
雫「焔も意地悪な言い方しないの。」
茂蔵「それでどうするんだ?あいつが見つかったのならおいらたちもう探さなくていいんだろ?」
黒根「そうじゃな、他の場所にいることも考えてお主らには別行動とってもらっておったが必要無くなった。次からは雫が術の解析のために森へ行く時の護衛をしてもらおうかの。」
焔「分かった。」
茂蔵「なあ、行く時は前もって言ってもらってもいいか?」
雫「茂蔵は山の事もあるもんね。大丈夫よ。私も行く時は準備が必要だから。」
茂蔵「悪いな。」
雫「それに12号に聞きたい事もあるからしばらくは行かないわ。」
黒根「そうだったのう。」
雫「それで12号の居場所は分かるの?」
雫は樹霧之介にそう聞くが樹霧之介は首を横に振る。
樹霧之介「しばらく屋敷の方にも帰っていないようです。」
風見「人間の町って翠嶺町の事だろ?ならワイが探すぞ。」
雫「お願いするわ。」
樹霧之介「僕も行っていいですか?何が気になっているのか知りたいので。」
風見「分かった。」
焔「雫が行くなら俺も、、」
雫「大勢で行くものでもないの。あなたはお留守番。」
焔「えー。」
樹霧之介「待ってください。焔は人の魂が見えるんですよね?」
焔「ああ。」
樹霧之介「どこまで見えるんですか?」
焔「どこまでって?」
樹霧之介「例えば同じ人の魂だったら分かるとか。」
焔「それは分からない。俺が分かるのは魂があるかどうかとその魂が罪を背負っているかどうかくらいだ。」
樹霧之介「そうですか、ならお留守番ですね。」
焔「樹霧之介もそんな事言うのか!?」
黒根「これ、樹霧之介。お主が考えている事は分かるが焔に当たらなくても良かろう。」
樹霧之介「、、すみません、、焔もすみませんでした。」
焔「いや、俺も役に立たなくてごめんよ。」
茂蔵「何だ?何の話だ?」
柚子「3人が12号探しに行っている間に私から説明しましょうか。ほら、3人は遅くならないうちにいってらっしゃい。」
樹霧之介「あ、いってきます。」
風見「ほんじゃ、チャチャッと済ませますか。」
雫「何?私にも説明欲しいんだけど。」
樹霧之介「多分、12号を見つけたら分かると思います。行きましょう。」
雫「まあ、分かったわ。」
樹霧之介たちは翠嶺町を探すと住宅地にある大きめの一軒家の近くで12号を見つけた。
樹霧之介「やっぱりこの辺でしたか。」
12号「どうしたの?」
雫「あなたに聞きたい事があって探してたの。それでこの家って誰の家?」
樹霧之介「それが、、」
樹霧之介は雫にこの前の古家での一件を話した。
雫「小学生ね。その子が1年生なら年齢的にも可能性は高いわね。」
樹霧之介「ですがまだ決まったわけではありません。そうですよね。12号。」
12号「うん。あの時はご主人があの子の側にいるような感覚したけど、やっぱり分からないや。」
樹霧之介「あの子自身から感じたわけじゃなかったんですか?」
風見「なあ、それよりも12号探してた理由、忘れたわけじゃないよな?」
樹霧之介「そうでした。」
12号「僕に聞きたい事って何?」
雫「あの森に行った時、浜名瀬さんは力づくならあの術が解けるって言ったのよね?大元が分かっていたのか聞きたいの。」
12号「大元は森の中の一本の木だよ。」
雫「どの木なの?」
12号「樹霧之介みたいな存在だよ。そして同じ場所にいるわけじゃないみたい。」
樹霧之介「それであの時僕たちの方が適任って言ったんですね。」
雫「でも、樹霧之介もおじさん、おばさんも気づかなかったんでしょ?」
樹霧之介「同族といえど、僕たちは気配を察知するのは苦手なんです。感覚も鈍くなってたので余計に分かりませんでした。」
雫「なら樹霧之介に探してって言うのは、、」
樹霧之介「すみません、、」
雫「責めてる訳じゃないわ。得意不得意あるもの。」
風見「だけど手掛かりは分かった。そいつが妖気出してるならワイでも探せないかな?」
樹霧之介「5号ですら探せず落ち込んでましたよ。」
風見「でも、それだったらどうやってあいつはそれを探し出すつもりだったんだ?」
12号「ご主人なら怪しい木に片っ端から霊力流すつもりだったよ。」
風見「本当に力づくなんだな。」
雫「それでも一歩近づいたわ。そいつを見つける方法探しましょ。」
樹霧之介「そうですね。12号、僕たち帰りますが12号はどうしますか?」
12号「僕も帰る。」
そう言うと12号は樹霧之介の持っている木の筒に入って行った。
樹霧之介たちも妖ノ郷にある樹霧之介の家に戻ると陽葵が来ており、気まずい雰囲気が流れていた。
樹霧之介「陽葵さん、こんな時間にどうしたんですか?」
陽葵「樹霧之介、浜名瀬さんに会ったんだ。」
樹霧之介「はい。」
陽葵「何で連絡してくれなかったの?」
樹霧之介「こちらとしても予想外の出来事でした。」
黒根「そこら辺はわしも説明したじゃろ。」
陽葵「そうだけど、、」
陽葵は持って来ていた志乃の腕を見つめている。
樹霧之介「人体の一部を見てもあまり驚かないんですね。」
陽葵「最初は驚いたよ。だけど警察官になってから血や死体はいくらか見てきたの。警察官になったばかりの時なんて通報で行った場所で原型留めてない死体見たもん。」
真琴「苦労してるのね。」
樹霧之介「それで陽葵さんの用事は何なんですか?」
陽葵「夜勤の外回り中に困ってそうな妖怪見つけたから連れて来たの。」
黒根「そいつはこの腕に驚いてな。家の裏で柚子が話を聞いておる。」
樹霧之介「そうだったんですね。陽葵さん、いつもありがとうございます。」
陽葵「いいよ。だけどそろそろ戻らないと怒られる。」
真琴「気をつけて帰ってね。」
陽葵「うん。また来るね。」
そう言って陽葵が出て行ったので樹霧之介は家の裏に回り、困っていると言う妖怪の話を聞きに行く。
そこには柚子と体育座りでボソボソと話す背の高い男性の妖怪がいた。
柚子「あ、樹霧之介。この方、川男さんっていうんだけど、友達の魚霊がいなくなったから探して欲しいんだって。」
川男「別に、友達ってわけじゃ、、」
川男が話す時は小声で聞き取るのが難しいので柚子が聞いた事を話してくれた。
川男は二人でいる事が多いが、この川男は怖がりで他人と話すのが怖いらしい。
だけど喋る事自体は好きらしく、川辺でぶつぶつと1人で喋っていたらある日魚霊が現れ、川男の近くで漂っていた。
魚霊は死んだ魚の霊であり、喋る事もできないのだが、川男には自分の話を聞いてくれているように見えてその魚霊が現れる度に一方的ではあるが、話をするようになった。
だが最近はパッタリ来なくなり、心配していたところに陽葵に声を掛けられたんだそう。
樹霧之介「あなたはその魚霊を見つけてどうしたいんですか?」
川男「、、また、話を聞いて欲しい、、1人、喋っても、、つまらない、、」
柚子「どう?樹霧之介、探せそう?」
樹霧之介「分かりました。風見と5号にも手伝ってもらいましょう。」
川男「それ、誰?不安、、怖い、、」
柚子「怖くてもここまで来れたのはそれくらいその魚霊に会いたいからなのよね?」
川男「そう、、会いたい、、お願い、します、、」
樹霧之介「はい、全力を尽くします。任せてください。」
それから樹霧之介は風見と共に川男に案内されてその魚霊が度々現れていた川辺に来ると樹霧之介は木の筒から5号を出し、周りの小動物たちに聞き込みを始める。
風見と5号は微かな妖気を辿り、それぞれ行った方向とその魚霊がどこから来たのかを調べた。
だが小さな魚霊の事だったため、中々情報が集まらず、1週間が経ってしまった。
今日も昼から探していたが辺りが暗くなりはじめたが進展はない。
川男「、、もう、いい。」
樹霧之介「何故ですか?」
川男「あいつは、ただ居ただけ、、僕が勝手に話をしていただけ、、」
樹霧之介「それでも、居ないと寂しいんですよね?」
川男「寂しい?これまでの生活に戻るのが?」
樹霧之介「居てくれると思っていた存在が急に居なくなって、心に穴が空いたような感じで、何かが足りなくて、、」
川男「そうか、、僕は、話を聞いてくれる存在が居なくなって寂しいのか、、1人で話してても盛り上がらなくて、つまらないだけかと思っていた、、僕は、寂しかったのか、、」
そんな時5号が戻って来てキューキューと樹霧之介に話しかける。
樹霧之介「すみません。12号、出て来て翻訳してくれますか?」
12号「5号のおっちゃん、魚霊の元の飼い主見つけたみたい。」
川男「魚霊じゃ、ないのか。」
12号「うん。そっちはまだ。」
樹霧之介「ですが手掛かりがあるかもしれません。行ってみましょう。5号、案内してください。」
それに答えるように5号はキューと鳴いて近くの住宅地へ案内すると、そのうちの一軒の家の窓から中の空になった水槽を見つめる。
樹霧之介「ここで飼われていたんでしょうか。」
その時、隣の部屋から誰かの声が聞こえてくる。
それは1人だけで、会話をしていると言うより何かを読み上げているような声だった。
魚霊の居場所のヒントになるかもしれないので樹霧之介は静かに家の中にある木製の机から枝を伸ばして窓の鍵を開けて中に入る。
そして声の聞こえる部屋を覗くと女性が仏壇の前で絵本を読んでいた。
川男「何を、しているんだ?」
樹霧之介「仏壇の写真には男の子が写っています。あの子が好きだった本ではないでしょうか。」
12号「こっちには本棚あるよ。いっぱい本がある。」
管狐は細いのでドアの隙間から入っていたらしく、5号と12号は仏壇のある部屋の中を飛び回るが、女性には妖怪は見えてないらしく管狐には気づかずに絵本を読み続けている。
樹霧之介「5号、その子の事調べられませんか?」
川男「魚霊は魚の霊じゃないのか?」
樹霧之介「人の霊が混ざる事もあるんです。」
樹霧之介に言われて5号は仏壇の周りを飛んだり、女性の匂いを嗅いだりした後にキューキューと何か喋っている。
12号「案内したい所があるって。」
樹霧之介「ならついて行けば良いですか?」
5号は頷いて家から出て行ったので樹霧之介たちはそれについて行くと病院にたどり着いた。
一部明かりが付いており、行ってみるとそこは救急外来で、自動ドアが作動したのでそのまま入ることができた。
5号はまだ病院の奥へと入って行き、入院患者のいる病棟へ入ると1つの扉の前で止まる。
樹霧之介は誰もいないタイミングを見計らってその扉を静かに開けて中に入るとそこはベッドが1つだけの病室で、その上には夜なのに眠れないのか上半身を起こして窓の外を見つめる老人がいた。
川男「本当に、ここに、魚霊の手掛かり、あるのか?」
川男は知らない場所で知らない人がいる所が怖いらしく樹霧之介の後ろにずっと隠れている。
樹霧之介「5号がここに案内したのは何かあるからです。普通の人間に僕たちは見えてないんですから調べますよ。」
だが樹霧之介が部屋を見回そうとすると老人と目が合う。
老人「君たちは誰だい?元気そうだけど、ここに入院しているのかい?」
老人は明らかに樹霧之介に向かって優しい口調で話してきている。
川男「み、見えてるじゃないか。嘘つき。」
樹霧之介「僕たちが見えるんですか?」
老人「何だ?それなら君たちは死神だとでも言うのかい?」
樹霧之介「似たようなものですね。見えなかった人が見えるようになったということは僕たち妖怪との繋がりができたか、死に近いということですから。」
老人「そうか、わしはあの子よりも長く生きてしまったが、もうそろそろなんだな。」
樹霧之介「あの子?」
老人「ここの部屋に入院していた子供だよ。たまたまデイルームで知り合って、それから色々話しをしたんだ。あの子は誰かの声を聞くことが好きみたいでね、わしの知っている話しを、うろ覚えで思い出しながらだったが、静かに聞いてくれてな。教師をしていた頃を思い出させてくれた。それなのに先に逝ってしまうなんて、、」
川男「聞くの、好き、、だったのか。」
樹霧之介「その子金魚とか飼っていたか分かりませんか?」
老人「そう言えば、一度聞いたことがある。早く家に帰って友達の金魚に会いたいと。」
樹霧之介「そうだったんですね。その子が亡くなったのはいつか分かりますか?」
老人「明日、いや、もう12時を回っているから今日が四十九日だよ。それで、君たちはあの子とどういう関係なんだい?」
樹霧之介「僕は会った事もないですが、こっちの方はその子の友達です。いつ出会ったんでしたっけ?」
川男「えっと、、」
川男は少し指を折って数えてから答える。
川男「6週間前だと、思う、、」
老人「亡くなった後じゃないか、冗談はよしてくれ。」
樹霧之介「子供の霊は彷徨いやすいんです。そして迷子になって成仏できない事も多い。ですが、その子は川男さんが引き留めてくれました。多分今は、、」
そう樹霧之介が言いかけると窓の外に魚の影が泳ぐ。
川男「あ、あいつだ。」
樹霧之介「やっぱり、思い出の場所を巡っていましたね。この後の行き先は多分家です。行きますか?」
川男「あ、うん、、」
老人「行くのかい?」
樹霧之介「はい、お話し聞かせてくれてありがとうございました。」
老人「ああ、気をつけてな。それと君、あの子の友達になってくれて、話を聞かせてくれてありがとう。」
川男「何で、礼を言う。」
老人「あの子が君を見る目が楽しそうだったからだよ。」
川男「見てたのは、あなた、だろう?」
老人「確かにわしも見ていただろうが、君にも目線は送っていたよ。どちらにしろ君はあの子を救ってくれたんだ。」
川男「、、救われたのは僕の方だ。」
老人「何か言ったかい?」
川男はそのままなにも言わずに病室を出て行ったので樹霧之介は老人に一礼してから後を追いかけた。
病院を出ると月の光に照らされて鱗をキラキラと輝かせながら空を泳ぐ魚霊を見つけたので後をついて行くと、初めに来た空の水槽のある家へ着く。
女性の声に惹かれて仏間へと入って行く魚霊の姿が見えたので樹霧之介たちもその部屋を覗くと横に何冊か絵本を積み上げて女性はまだ絵本を読んでいた。
魚霊はその女性に寄り添いそれを静かに聞いている。
その時男性が来たので樹霧之介たちはドアから離れるとその男性は仏間に入り、女性に話しかける。
男性「もういいだろ。もう寝ないと朝起きれなくなるぞ。」
女性「もう少し、もう少しだけ、あの子が聞いてくれてる気がするの。」
男性「ちゃんと聞いてるさ。だからもう寝よう。」
女性「なら、あの子が1番好きだったこれだけ読んだら寝るわ。」
男性「分かった。先に寝室行っているからな。」
女性「ええ。」
男性は仏間から出ると2階へ上がって行った。
女性は読みかけの絵本を最後まで読むと次に1番好きだったと言う絵本を手に取り見つめ、しばらくしてから表紙を開いて内容を読み出した。
それは1匹の色の違う魚が孤独を感じていたが、大きな脅威に対して他の魚と力を合わせる話だった。
心なしか、魚霊は嬉しそうに女性の方を見つめている気がする。
いつか自分もその輪の中に入る事を夢見て何度も母にねだって読んでもらった絵本。
クライマックスに近づくほどに魚霊は白く光り、光の粒となって小さな人の形へと変わってゆく。
絵本を閉じた女性はその光の粒の方をじっと見て涙を流している。
見えてはなさそうだが、そこにいる存在を感じているのか名前だろう、何度も同じ言葉を繰り返していた。
光の粒は手を女性と川男の方にも振ると徐々に分散して、消えてしまった。
樹霧之介「逝ってしまいましたね。」
川男「そう、だな。」
樹霧之介「どちらにしろ引き留めることはできませんでしたが、川男さん大丈夫ですか?」
川男「何が、心配だ?元の、生活に戻るだけ、、」
樹霧之介「元の生活に戻ることなんてできませんよ。」
川男「元に、戻るしか、できない、、あいつは、もう、、居ないんだ、、」
樹霧之介「ですが、他人を怖がるあなたが僕たちに頼むくらい見つけてほしい存在だったんです。そんな存在に出会えば時折その存在を考えてしまいます。その人が頭に浮かべば今の生活に何かが足りないと感じて気が落ち込み、やる気が無くなって、無気力になって、、」
川男「お前にも、そんな奴がいたのか?」
樹霧之介「あ、すみません、何でもないです。忘れてください。」
川男「だけど、お前の言うとおりだ、、あいつが、いなくなって、、1週間は、そんな感じだった、、ふらっとやって来て、ふらっとどこか行っただけなのに、気になって仕方なかった、、見つかったのに、居なくなったけど、僕は、今は、すごく安心している、、ありがとう。」
樹霧之介「何で、いきなりお礼なんて、、」
川男「あいつが、いてくれて、僕は独りじゃない時間を過ごして、その大切さを知ることができた、、一方的に、貰ってなかった、、僕もあいつの為に、なっていた、、それを、気づかせてくれた、、だから、ありがとう。」
樹霧之介「それなら、良かったです。」
川男「僕だけだと、魚霊の事、調べる事すらしなかった、、君に、会わせてくれた、あの、、そそっかしい人間にも、ありがとうって、伝えて、、」
樹霧之介「陽葵さんですね。分かりました。」
そうして川男は元の川に戻り、樹霧之介も妖ノ郷を目指す。
樹霧之介「あれ?何か忘れている気が?」
樹霧之介が独り言を呟くと紐声環から声が聞こえる。
風見「解決したなら連絡くれよ。」
樹霧之介「すみません、探索に夢中になって忘れてました。」
風見「途中で川男さんに会って事情聞いたからいいものの、ワイずーっと探してたんだぞ。」
樹霧之介「帰ったら銭湯で洗ってあげますから。」
風見「本当か?約束だぞ。」
樹霧之介「はい。」
風見「釜の底までしっかりな。」
樹霧之介「分かってますって。」
樹霧之介は帰ると待っていた風見と柚子、黒根に魚霊の事を話してから風見と妖ノ郷にある銭湯へと行き、約束通り風見を洗ってあげる。
風見「あー、そこそこ。いつも手が届かなくて洗えないんだよ。」
樹霧之介「上がったら油も塗りましょう。」
風見「おう、よろしくな。」
そして風見はピカピカに磨き上げられてそれぞれの帰路に着く。
樹霧之介は家に帰ると柚子と黒根に胸の内を明かす事にした。
樹霧之介「父さん、母さん。」
黒根「何じゃ?改まって。」
樹霧之介「僕、正直怖かったんです。」
柚子「どうしたの?」
樹霧之介「ディブクが言ったことが真実なのか、志乃さんが今どうなっているのかを知るのが怖いんです。」
柚子「どうなっていたら怖いの?」
樹霧之介「志乃さんが僕たちを嫌っていて、成仏して戻って来ないこと、、」
柚子「嫌っていたら嘘をついてまでここに居ようとはしなかったわ。」
黒根「成仏のことや戻って来れるかどうかは分からないが、樹霧之介はどうだったら良いと思っておるんじゃ?」
樹霧之介「最悪戻って来なくても良いです。ですが、ディブクに囚われて苦しんだりしていなければ、ですが、、」
柚子「やっぱりあの別れ方は嫌よね。」
黒根「もう一度会ってガツンと言ってやらねばな。」
樹霧之介「それで、あの真生という子を少し調べたいんです。」
柚子「あなたからその言葉が出るなんてね。」
黒根「生まれ変わっていたとすれば、わしらのことなんて覚えておらんだろう。」
樹霧之介「12号はあの子から直接志乃さんの気配はしないと言っていました。生まれ変わりではないかもしれません。」
黒根「なら何で調べたいんじゃ?理由もなく普通の人間をわしらの世界に巻き込むのは良くないぞ。」
樹霧之介「逆に言えば直接でなくても志乃さんの気配を感じたと言う事です。何かしらの手がかりを持っている可能性はあります。」
黒根「まあ、良いじゃろう。気の済むようにやりなさい。」
樹霧之介「はい。」
柚子「だけど何か分かるまでこっちからこの世界に連れて来ちゃ駄目よ。」
樹霧之介「分かっています。」
黒根「篠原真生か、、」
柚子「篠原?」
黒根「やはりお前も引っかかるか。」
柚子「ええ、どこかで聞いたような?」
黒根「なーんか、印象には残っておるんじゃが思い出せん。」
樹霧之介「そこまで珍しい名字でもないと思うんですが、何か志乃さんと関係あったりするんですか?」
黒根「あったような、無かったような、、」
柚子「まあ、思い出したら伝えるわ。今日はもう寝ましょう。」
樹霧之介「はい。」
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
次も読んでくれたら嬉しいです。




