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木霊の成長記  作者: 火乃香


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2話

この物語には妖怪に対する自己解釈やオリジナル設定が含まれています。

オリジナルの妖怪が登場することもあります。

素人がただ思い付きで書いている物語なので最後まで温かい目で読んでいただければと思います。

※作者に教養がないためここで使っている外国語はAIで翻訳しています。

妖ノ郷(あやかしのさと)へ戻った樹霧之介(きりのすけ)たちは今日あったことを整理する為に家で柚子(ゆず)も交えて話し始める。

柚子(ゆず)「それにしても不思議ね。12号がその子の場所が分かるなんて。」

風見(かざみ)「あいつの生まれ変わりだったりしてな。」

樹霧之介(きりのすけ)「4号を12号と言って撫でてました。それはあり得ません。」

風見(かざみ)「そうか?記憶を無くした時のあいつに雰囲気似てなかったか?特に、、」

樹霧之介(きりのすけ)「あり得ません!」

樹霧之介(きりのすけ)はそう叫んで立ち上がる。

風見(かざみ)「、、悪かったよ。」

樹霧之介(きりのすけ)「話は終わりました。僕はもう寝ます。」

樹霧之介(きりのすけ)は不機嫌そうにいつも寝ている家の裏に行ってしまった。

黒根(くろね)「あいつがいなくなって7年か、悪かったな風見(かざみ)。あいつの話は、、」

風見(かざみ)「分かってはいたんだけどな。似たような奴がいたら気が紛れると思ったんだ。」

真琴(まこと)「だけどあんな向きにならなくてもいいのにね。」

柚子(ゆず)「生まれ変わりって言葉が嫌だったんだと思うわ。それを認めるとあの人が死んだ事も認める事になるから。」

風見(かざみ)「そうか。次から気をつけるよ。」

柚子(ゆず)「ごめんね。図体は大きくなったけど、一部に関してはまだ子供のままなんだから。」

風見(かざみ)「これに関してはワイが悪かったんだ。笑って話せる事ではないと分かっていたはずなんだけどな。」

黒根(くろね)「いつまでも引きずっていて良い事は無いんじゃがな。」

柚子(ゆず)「あなたは私の事いつまでも引きずっていたけどね。」

黒根(くろね)「感情的になる事はそんなになかったじゃろ。」

柚子(ゆず)「それでもあの子には時間が必要よ。」

真琴(まこと)「昔はあんなに怒る事なかったのにね。」

柚子(ゆず)「私たちがあの子を作った時、あの人の事待っていたからその時の想いがあの子に移っちゃったのかもね。」

風見(かざみ)「今はそっとしとくしかないか。ワイは帰るけど、また何かあれば呼んでくれよ。」

黒根(くろね)「ああ、今日はありがとな。」

真琴(まこと)「なら、私も。」

柚子(ゆず)「ええ、ありがとう。またお願いね。」

真琴(まこと)「はい。」

真琴(まこと)風見(かざみ)が帰り、柚子(ゆず)黒根(くろね)も寝ようと家の裏に行くが樹霧之介(きりのすけ)はいなかった。

黒根(くろね)「またあそこに行ったか。」

柚子(ゆず)「良いじゃない。好きにさせましょう。」

黒根(くろね)「そうじゃな、わしらが止めれる事でもないからな。」

実は志乃(しの)がいなくなるきっかけを作ったディブクがいたであろう森は早い段階で見つけていたのだが、入るものの感覚を鈍くするうえに広く続いているので探索は進まず、今では樹霧之介(きりのすけ)もたまに行く程度なのだ。

そしてその樹霧之介(きりのすけ)は探すという行動をして自分はまだ諦めてないんだと気を紛らわす為に行っているような感じだった。

樹霧之介(きりのすけ)「、、12号。」

樹霧之介(きりのすけ)が呼ぶと木の筒から12号が出て来る。

12号「樹霧之介(きりのすけ)。やっぱり分かんないよ。」

樹霧之介(きりのすけ)「そうですか、あんなが事あったので今日こそはと思ったんですが。」

12号「僕も何であんな事思ったのか分かんない。」

樹霧之介(きりのすけ)「あんな事って何ですか?」

12号「、、何でもない。僕、しばらく人間の町に行きたい。」

樹霧之介(きりのすけ)「やっぱりあの子に何か感じたんですか?」

12号「答えられない。僕呼ばれてもしばらく出れないから。」

そう言って12号は木の筒に入って行ってしまった。

樹霧之介(きりのすけ)「あ、、まだ、見つかってないじゃないですか。何で、、みんな志乃(しの)さんを見捨てるんですか?」

それからしばらくして、樹霧之介(きりのすけ)妖ノ郷(あやかしのさと)に戻って寝ているとお昼頃に風見(かざみ)樹霧之介(きりのすけ)を呼びに来た。

風見(かざみ)樹霧之介(きりのすけ)、起きてるか?」

樹霧之介(きりのすけ)たち木霊(こだま)は寝る時は木の姿になっていて表情が分からないので風見(かざみ)は昨日の事もあり、恐る恐る話しかける。

樹霧之介(きりのすけ)風見(かざみ)?何かありましたか?」

風見(かざみ)の声で人の姿になった樹霧之介(きりのすけ)はいつも通りの様に見える。

風見(かざみ)「何度も現れたり消えたりする妖気を感じるんだ。絶対何かが悪さしてる。」

樹霧之介(きりのすけ)「なら止めないとですね。案内してください。」

風見(かざみ)「おう。」

樹霧之介(きりのすけ)風見(かざみ)妖ノ郷(あやかしのさと)を出て、見晴らしの良い高い木の上へと移動する。

樹霧之介(きりのすけ)「いましたか?」

風見(かざみ)「うーん。また妖気隠したな。」

樹霧之介(きりのすけ)「さっきまで頻繁に動いてたならまた動きます。待ちましょう。」

風見(かざみ)「そうだな。」

妖気は感じないが異常がないか確かめていると学校のチャイムの音が聞こえてきた。

その方向を見ると小学校があり、休み時間なのか校庭にぞろぞろと子供たちが出てきているところだった。

風見(かざみ)「妖気を感じた。行くぞ、樹霧之介(きりのすけ)。」

風見(かざみ)が声をかけるが樹霧之介(きりのすけ)はボーッと一点を見つめている。

風見(かざみ)樹霧之介(きりのすけ)!」

大きな声で呼ぶと、樹霧之介(きりのすけ)風見(かざみ)が何かを話していた事にやっと気がつく。

樹霧之介(きりのすけ)「すみません。何でした?」

風見(かざみ)「妖気を見つけた。あっちだ行けるか?」

樹霧之介(きりのすけ)「はい、行きましょう。」

風見(かざみ)が指差す方向には住宅地があり、行ってみると人がどこかにぶつかったり、つまづいて転んだりしている。

そしてその様子を上から見てキキキッっと笑い声に似た鳴き声を出すものがいた。

樹霧之介(きりのすけ)「あいつですね。」

風見(かざみ)「小さいがいけるか?」

樹霧之介(きりのすけ)「これが届けば良いんですが。」

そう言って樹霧之介(きりのすけ)は小さな木の玉をそれに向かって投げるが軽く躱される。

風見(かざみ)「すばしっこいな。」

それは黒く小さな体をしていて電柱の間を飛び回っている。

樹霧之介(きりのすけ)「電柱が木であれば簡単なんですが。」

風見(かざみ)「飛ぶやつ相手なら真琴(まこと)にも声掛ければ良かったな。」

大体の妖力の多い妖怪は空中に浮かぶことができるが風見(かざみ)はそこまで妖力が多くなく、樹霧之介(きりのすけ)は地に根付いた木の妖怪である木霊(こだま)である為、妖力はあるが飛ぶことができないのだ。

樹霧之介(きりのすけ)「そうですね。今からでも連絡してくれますか?」

風見(かざみ)「分かった。樹霧之介(きりのすけ)は?」

樹霧之介(きりのすけ)「見失うわけにはいきません。追いかけます。」

風見(かざみ)「気をつけろよ。」

樹霧之介(きりのすけ)「はい。」

それから樹霧之介(きりのすけ)は見失わないようにと少しでも近づく為に屋根を伝って追いかけるが危険を感じた黒い妖怪は高度を上げて逃げて行く。

しばらく追って行くと家が少なくなり、道路に出てしまった。

幸いにもまだ見失ってはいないが黒い妖怪は一台のトラックの上を飛んでいる。

トラックの窓は開いており、運転手が鼻歌を歌いながらスピードを出していて、黒い妖怪がその窓から飛び込むと運転手の顔に張り付いてしまった。

運転手は急に前が見えなくなったことでパニックになり、ブレーキを踏もうとしてアクセルを踏んでしまい、しかも猛スピードで走るトラックの前方には小学校の校庭が見える。

幸いにも校庭の周りには木が生えており、樹霧之介(きりのすけ)は校庭へ侵入する前にその木の枝を伸ばしてトラックを止める事には成功したが、トラックが衝突する前に運転手に張り付いていた黒い妖怪はトラックから飛び出し、樹霧之介(きりのすけ)に飛び付いた。

すると樹霧之介(きりのすけ)の視界は真っ暗になり、バサバサという音と共に離れる感覚はあったが視界は暗いままだった。

視界を奪われた事により動けなくなりその場で座り込んでいると声が聞こえる。

真琴(まこと)樹霧之介(きりのすけ)大丈夫?何があったの?」

樹霧之介(きりのすけ)「その声、真琴(まこと)ですか?」

近くにいるのにキョロキョロする樹霧之介(きりのすけ)に異常を感じて顔を覗き込むと樹霧之介(きりのすけ)の目は真っ黒に染まっていた。

真琴(まこと)「その目どうしたの!?」

樹霧之介(きりのすけ)「妖怪を追いかけてたら顔に張り付いてしまって、それから何も見えないんです。トラックは?怪我人はいませんか?」

黒根(くろね)「お主が止めてくれたおかげでトラックと衝突した者はいなさそうじゃ。運転手も意識はあるみたいじゃったし、近くにはあいつのおる派出所もある。後は任せよう。」

樹霧之介(きりのすけ)「父さんも来てくれたんですね。」

黒根(くろね)「まあの。不自然な木の枝はわしが直しておく、一度妖ノ郷(あやかしのさと)へ戻ろう。」

樹霧之介(きりのすけ)「ですがさっきの妖怪放っておいたらまた同じ事しますよ。」

風見(かざみ)「それなんだけど、さっきよりも妖気が弱くなったんだ。多分樹霧之介(きりのすけ)にかけた術で妖力使ったんじゃないか?しばらくは悪さできないよ。」

樹霧之介(きりのすけ)「それなら良かったです。一度作戦を練り直しましょう。」

真琴(まこと)「それより治療が先よ。」

黒根(くろね)「じゃが、それは呪いのようじゃ。それを解くにはかけたものを倒すか解呪せねばなるまい。」

???「何?誰か呪われたの?」

樹霧之介(きりのすけ)たちが話していると猫又(ねこまた)を連れた警察官が話しかけてきた。

真琴(まこと)陽葵(ひまり)。調査はいいの?」

陽葵(ひまり)「今調査中だよ。だから目撃者に事情聞こうかなって。」

黒根(くろね)「普通の人間にはわしらは見えておらん。サボっているようにしか見えんぞ。」

陽葵(ひまり)「ここは陰だしすぐ戻るから大丈夫。それで何があったの?」

樹霧之介(きりのすけ)「住宅地で悪戯していた蝙蝠の妖怪を追いかけていたらトラックの中に飛び込んで、多分運転手の視界を奪ったんだと思います。」

黒根(くろね)「視界を奪うのであれば野衾(のぶすま)かのう?」

樹霧之介(きりのすけ)野衾(のぶすま)はムササビじゃないんですか?」

黒根(くろね)「ムササビも蝙蝠も両方いるんじゃ。蝙蝠だと時間が経てば別の妖怪になるからムササビの野衾(のぶすま)が多くてお主にはそう説明したがの。」

陽葵(ひまり)「あれ?樹霧之介(きりのすけ)の目が黒くなってる。呪われてるってそういう事?解呪しようか?」

樹霧之介(きりのすけ)「え、あ、大丈夫です。山姥(やまんば)さんにしてもらうので。」

元巫女の山姥(やまんば)は解呪などの術に詳しいのだ。

陽葵(ひまり)「何で?帰るとしても目が見えなかったら不便でしょ?」

ハラミ「お前、前に(ほむら)さんの解呪しようとして封呪符(ふうじゅふ)と間違えて呪滅符(じゅめつふ)使って消滅させかけたの忘れたのか?」

陽葵(ひまり)「だって似てるんだもん。もう間違えないよ。」

陽葵(ひまり)の足元で陽葵(ひまり)の式神であるハラミが文句を言っている。

樹霧之介(きりのすけ)「どちらにしても霊力は僕たち妖怪には毒になります。気持ちだけ受け取っておきますね。」

陽葵(ひまり)「うん。分かったよ。」

真琴(まこと)「それにそろそろ行った方がいいわ。あの人たち、陽葵(ひまり)を探しているみたい。」

陽葵(ひまり)「え?あ、本当だ。怒られる前に行くね。」

黒根(くろね)「後始末させてすまんな。」

陽葵(ひまり)「大丈夫。これが私の仕事だから。」

そう言って陽葵(ひまり)は行ってしまった。

真琴(まこと)「この状態の樹霧之介(きりのすけ)を動かすのは危険よね。山姥(やまんば)さんには紐声環(ちゅうせいかん)で連絡して来てもらいましょう。」

黒根(くろね)「そうじゃな。」

真琴(まこと)山姥(やまんば)紐声環(ちゅうせいかん)で連絡すると山姥(やまんば)はすぐ来てくれるようでそれまでその場で待つ事になった。

だが今いる場所には事故で野次馬が集まって来たので静かな場所に移動する事にしたが、目の見えない樹霧之介(きりのすけ)真琴(まこと)に手を引かれて恐る恐る移動する。

黒根(くろね)「視界を奪われて動けんくなるなんて、意外と視覚に頼っておったんじゃな。」

真琴(まこと)「どういう事?」

黒根(くろね)「わしら木霊(こだま)は元々木で目が無いから周りを確認する時は気配を頼りにすることの方が多いんじゃ。」

樹霧之介(きりのすけ)「ですがそれは動かなくて良いから見る必要もないんじゃないですか?」

黒根(くろね)「そうでもないぞ。真琴(まこと)、わしの目を紙で塞いでくれんか?」

真琴(まこと)「良いけど、無理はしないでね。」

黒根(くろね)「このくらいなんて事ない。ほれ、樹霧之介(きりのすけ)、木の玉持っておるじゃろ一つ渡せ。」

樹霧之介(きりのすけ)「あ、はい。」

樹霧之介(きりのすけ)は木の玉を一つ取り出し、それを黒根(くろね)が受け取ると伸ばして木の棒に変える。

真琴(まこと)「何するつもり?」

黒根(くろね)「ここは妖ノ郷(あやかしのさと)からはちいっと遠いからの。山姥(やまんば)が来るまで時間がかかる。ほれ、樹霧之介(きりのすけ)お主も杖を持たんか。」

樹霧之介(きりのすけ)「え?」

黒根(くろね)「こんならわしから行くぞ。」

そう言って黒根(くろね)は木の棒で樹霧之介(きりのすけ)の頭を軽く叩く。

樹霧之介(きりのすけ)「痛いです。」

風見(かざみ)樹霧之介(きりのすけ)から玉取る時もそうだったけど見えてないのによく分かるな。」

黒根(くろね)「このくらいなんて事ない。」

樹霧之介(きりのすけ)「父さんは木でいることの方が長かったから簡単なんです。」

黒根(くろね)「確かにそうかもしれんがわしにできるならお主にもできるはずじゃ。」

樹霧之介(きりのすけ)「でも、、」

黒根(くろね)「見えないからって諦めるのか?お主が見えてなくても地面はあるじゃろ。道もあるし、わしもおる。」

樹霧之介(きりのすけ)「ですが障害物も見えません。」

黒根(くろね)「別に良い。躓き、ぶつかればそこに何があるかは分かる。どこに何があったか、それでどうなるか学びながら立ち上がることさえできればな。」

樹霧之介(きりのすけ)「ならもしも、進んだ先が取り返しのつかない場所だったら、深く這い上がれないような穴だったらどうすれば良いんですか?」

黒根(くろね)「そうならんようにわしがおる。不安なら相談せい。」

真琴(まこと)「私も、いつでも手を引くわよ。」

風見(かざみ)「ワイだって、手伝うさ。」

樹霧之介(きりのすけ)「ですが、今は誰も志乃(しの)さんを探してくれません。」

黒根(くろね)「、、そろそろ潮時かの?」

真琴(まこと)「そうね。野衾(のぶすま)を退治してから全員で話しましょう。」

樹霧之介(きりのすけ)「何を?」

真生(まお)「あれ?昨日のお兄ちゃん、座り込んで大丈夫?事故で怪我したの?」

真琴(まこと)「あ、えっと、名前なんだっけ?」

真生(まお)真生(まお)篠原(しのはら)真生(まお)だよ。」

黒根(くろね)篠原(しのはら)?」

樹霧之介(きりのすけ)「何か思い当たる節でもあるんですか?」

黒根(くろね)「あ、いや。何でもない。」

真琴(まこと)「それにしても真生(まお)ちゃん。もう学校来てるの?首は痛くない?」

真生(まお)「うん。お姉ちゃんが手当てしてくれたから痛くないよ。」

真琴(まこと)「それなら良かった。けど念の為見せてくれる?」

真生(まお)「うん。」

真琴(まこと)が包帯を取ってみると既に痣は薄くなってきていた。

真琴(まこと)「若いからかな?治り早いね。」

真生(まお)「そうなの?」

真琴(まこと)「うん。これなら少し早めに包帯取っても良いかも。」

真生(まお)「良かった。結衣(ゆい)ちゃんも他の子たちも私が近づいたら離れちゃって、遥馬(はるま)くんなんて今日休んでるし、治ればまた話せるようになるかな?」

真琴(まこと)「そっか。昨日怖い思いをしたものね。大丈夫。また話せるよ。」

真生(まお)「うん。」

黒根(くろね)「それで一応ここは学校の敷地内ではあるが、少し離れたこの場所に何しに来たのかな?」

真生(まお)「じじょーちょーしゅ?っていうのに呼ばれて警察の人に見た事話して来たんだよ。何処にいたとか聞かれて直接案内したんだ。それで戻る途中でお兄ちゃんたち見つけたの。」

黒根(くろね)「お主も校庭に出ておったのか。昨日の今日で災難じゃったの。」

真生(まお)「今日は教室にいたくなかったから。それでお兄ちゃん、おめめ怪我したの?大人の人呼ぼうか?」

樹霧之介(きりのすけ)「大丈夫です。今治せる方が来るので。」

真生(まお)「あ、痛。」

真琴(まこと)「大丈夫?やっぱり首まだ痛む?」

真生(まお)「ううん。ちょっと頭が痛くなっただけ、いつものことだから。」

黒根(くろね)「昨日もそれで調子悪そうだったの。」

真生(まお)「これはすぐ治るから平気。」

黒根(くろね)「もしかしたら妖力酔いかもの。」

真琴(まこと)「妖力酔い?」

黒根(くろね)「妖力に敏感な者が妖力に当てられて頭痛や目眩という症状が出る事があるんじゃ。いくらか妖力に慣れれば治るんじゃが、、」

先生「真生(まお)ちゃーん。どこー?」

真生(まお)「あ、先生呼んでる。」

真琴(まこと)「じゃあね。痣が無くなる頃に一度あなたの家に行くわ。」

真生(まお)「うん。あ、その前に。」

真生(まお)は先生の方へ行こうとしていたが急に振り向き、樹霧之介(きりのすけ)の額にキスをする。

真生(まお)「良くなるおまじない。」

そう言って行ってしまった。

それからすぐに山姥(やまんば)が到着する。

黒根(くろね)「わざわざすまんの。」

山姥(やまんば)「それで誰が呪いをかけられたって?」

樹霧之介(きりのすけ)「え?あれ?見えます。」

黒根(くろね)「時間で解けるものだったのかの?」

山姥(やまんば)「その可能性もあるが、一応見てみよう。」

風見(かざみ)「それかさっきのおまじないが効いてたりしてな。」

山姥(やまんば)「おまじないとは何のことだ?」

樹霧之介(きりのすけ)「何でもありません。時間が経ったから見えるようになったんです。霊力は僕たちには毒です。あんな子供が呪いだけを霊力で消すことなんてできるはずありません。」

山姥(やまんば)「弱いからこそできたのかもしれないがな。」

黒根(くろね)「そう言えば昔はあいつの実験台にされたな。あいつが霊力の量を調整できるまで何度も痛い思いをさせられた。」

山姥(やまんば)「何だ。あいつが妙に妖怪に対して霊力の扱いが上手かったのはそんな事していたからなのか。」

樹霧之介(きりのすけ)志乃(しの)さんも同じ事できたんですか?」

黒根(くろね)「あ、いや。少し思い出したんだ。そうだ、あいつはいつも手を添えておった。」

樹霧之介(きりのすけ)「いいですよ。無理に違う場所言わなくても。」

山姥(やまんば)「何かあったのか?」

真琴(まこと)「ちょっとね。」

樹霧之介(きりのすけ)「それより野衾(のぶすま)です。また悪戯する前に捕まえますよ。」

黒根(くろね)「どうやって捕まえるつもりじゃ?」

風見(かざみ)「妖気も今は感じないから場所も分からないぞ。」

樹霧之介(きりのすけ)「あいつに飛びかかられた時、何か皮膚が震えた感じがしたんです。蝙蝠って高周波を出しながら飛んでいるんですよね。これ、誘き出すのに使えませんか?」

黒根(くろね)「何をするつもりじゃ?」

樹霧之介(きりのすけ)風見(かざみ)、音も操れますよね。」

風見(かざみ)「何すればいいんだ?」

樹霧之介(きりのすけ)たちは野衾(のぶすま)が最初に悪戯をしていた住宅地へ移動して風見(かざみ)が釜を鳴らして野衾(のぶすま)と同じような高周波を出す。

するとすぐに野衾(のぶすま)が現れ風見(かざみ)を見つけ、突撃して来る。

真琴(まこと)「本当に来た。」

黒根(くろね)「じゃが怒っているようじゃ。これは仲間というより縄張りを荒らされたと思っていそうじゃの。」

樹霧之介(きりのすけ)「姿を現してくれたのならどちらでも良いです。真琴(まこと)、お願いします。」

真琴(まこと)「ええ。」

真琴(まこと)が紙を飛ばすと野衾(のぶすま)はそれを躱してまた電柱の上に逃げようとしたが電柱には樹霧之介(きりのすけ)があらかじめ木の玉を仕掛けていたので樹霧之介(きりのすけ)はその木の玉から枝を伸ばして近づいた野衾(のぶすま)を捕まえ、動けなくなったところで真琴(まこと)が硬いの文字を付与した槍型の紙を野衾(のぶすま)に突き刺すと白い煙となって消えた。

黒根(くろね)「ご苦労じゃったの。さて、家に戻ろうと言いたいところじゃが、その前に行きたい場所がある。」

樹霧之介(きりのすけ)「何処ですか?」

黒根(くろね)「行けば分かる。」

黒根(くろね)樹霧之介(きりのすけ)たちを連れてディブクのいた森へと移動する。

樹霧之介(きりのすけ)「ここに何かあるんですか?」

黒根(くろね)は黙って森の奥の方へと移動すると声が聞こえる。

???「あれ?おじさんどうしたの?」

樹霧之介(きりのすけ)(しずく)、何でここに居るんですか?」

(しずく)「あ、樹霧之介(きりのすけ)。」

黒根(くろね)(しずく)はこの感覚を鈍くする術の解析をしとるんじゃ。」

樹霧之介(きりのすけ)「何で?いつからですか?」

黒根(くろね)(しずく)はここが見つかってからずっと調べとる。」

樹霧之介(きりのすけ)「何で僕に言ってくれなかったんですか?」

(しずく)「気付いてないかもしれないけど樹霧之介(きりのすけ)、あの人の話すると暗い表情になるからよ。」

樹霧之介(きりのすけ)「え、あ、ごめんなさい、、」

(しずく)「別に謝って欲しいわけじゃないわ。霧が関係している事が分かってから私なら無効化できるんじゃないかって、樹霧之介(きりのすけ)がいない時を狙ってここに来てたのよ。」

樹霧之介(きりのすけ)「そうだったんですね。それなのに僕は何も知らずに、、」

(しずく)「まあ、私も全然知らない術で諦めようと思った事もあったわ。」

樹霧之介(きりのすけ)「ですが(しずく)は今も来ています。」

(しずく)「そりゃそうよ。私たちに何も言わずに勝手に悩んで、勝手にいなくなったあいつに一言言ってやらないと気が済まないわ。」

樹霧之介(きりのすけ)「ですがいなくなったのは僕のせいです。」

(しずく)「それは本人から聞いたの?取り憑いた悪霊の言葉でしょ。それを信じるの?」

樹霧之介(きりのすけ)「ですが、それが本当に志乃(しの)さんの本音だったら、本当に僕たちの前からいなくなりたいって思っていたらどうしたらいいんですか?」

(しずく)「だったら潔くお別れを言うわ。」

樹霧之介(きりのすけ)(しずく)はそれで良いんですか?こんなに苦労して、お別れなんて、、」

(しずく)「私が許せないのは、お別れもお礼も謝罪も何も言えずにいなくなる事よ。逆に聞くけど体が現世にあるのにあの人が本当に成仏できてると思ってるの?悪霊に取り憑かれたままで苦しんでいないって言い切れるの?」

樹霧之介(きりのすけ)「そんなの、、」

(しずく)「助けたいとは思わないの!?」

樹霧之介(きりのすけ)「助けたいです。ですが本当に成仏してたら?」

(しずく)「今のままじゃどうなっているかも分からないでしょ。」

樹霧之介(きりのすけ)「そう、ですね。そうです。僕にも何か手伝える事はありませんか?」

(しずく)「ここではないわ。」

(しずく)は食い気味にキッパリと言う。

樹霧之介(きりのすけ)「、、そうですか。」

(しずく)「だから樹霧之介(きりのすけ)はあの人が守っていたものを継いで守っていればいいの。その為に真琴(まこと)風見(かざみ)妖ノ郷(あやかしのさと)に多くいるもの。」

樹霧之介(きりのすけ)「そう言えば最近一緒に出動するのって、、」

真琴(まこと)「今の樹霧之介(きりのすけ)は放っておけないもの。」

風見(かざみ)「ワイは特定の人間は探せないからな。せめて樹霧之介(きりのすけ)の役にはたちたかったんだ。」

黒根(くろね)(ほむら)は別の場所で手掛かりを探しておるし、茂蔵(もぞう)は故郷の山で大将とその側近の助っ人をしながら狸たちから情報を集めてくれとる。」

樹霧之介(きりのすけ)「諦めてたのは僕だけだったんですね。」

真琴(まこと)「まあ、私たちは実際に聞いてないから実感が湧かないの。陽葵(ひまり)からも聞いたけど浜名瀬さんがそんな事言うなんて信じられないもの。」

???「だったら直接言おうか?」

急に響いた声の方を向けば木の上に志乃(しの)の体を乗っ取ったディブクがいた。

その姿はいつもの狩衣ではなく、厚手のシャツに革のコート、ワークパンツと革のブーツを着けており、髪は高い位置で結ばれていた。

樹霧之介(きりのすけ)志乃(しの)さん!?いえ、ディブク。何故出て来たんですか?」

ディブク「お前らの言う志乃(しの)という奴はもういない。諦めろ。」

(しずく)「そんなので諦めれるわけないでしょ。」

ディブク「なら目障りなお前らを消すしかないな。」

ディブクは斧を持って(しずく)に襲いかかるがそれは風見(かざみ)の風の盾で止められ、その隙に真琴(まこと)が紙で動きを止めようとするが斧で引き裂かれ止めることはできない。

黒根(くろね)樹霧之介(きりのすけ)!木の根で奴の動きを止めるんじゃ。」

樹霧之介(きりのすけ)「はい!」

樹霧之介(きりのすけ)は言われた通り木の根でディブクの足を絡め取るがそれも斧で切られてしまう。

黒根(くろね)「もう一回じゃ。今度は腕を狙え。」

樹霧之介(きりのすけ)「でも志乃(しの)さんの力であれば利き手じゃなくても切られますよ。」

黒根(くろね)「いいから。」

樹霧之介(きりのすけ)「分かりました。」

樹霧之介(きりのすけ)は木の根でディブクの両腕を狙うが片腕しか捕まらない。

片腕が自由なままであればまた切られてしまうそう思ったが、ディブクに巻き付いた木の根は黒く染まり切ろうとした斧を弾き返す。

樹霧之介(きりのすけ)「これ父さんの。」

黒根(くろね)「これくらいはできるようになっとる。甘く見るなよ。さあ樹霧之介(きりのすけ)、もう片方の腕も封じるぞ。」

樹霧之介(きりのすけ)「はい。」

ディブクはまた斧を振り上げると木の根が巻き付いている腕に振り下ろす。

黒根(くろね)「強度は昔と変わらん無駄じゃぞ。」

また木の根を切ろうとしたと思っていたがディブクは自身の腕を切り落として木の根の拘束から逃れると森の奥へと逃げてしまった。

点々と続く血の跡を追うため、樹霧之介(きりのすけ)が走り出そうとするのを黒根(くろね)は肩を掴んで止める。

樹霧之介(きりのすけ)「何で止めるんですか?今なら捕まえられます。」

黒根(くろね)「いや、この森は分からんことが多い。ここの木は操りにくいじゃろ、まだ他にも何かある証拠じゃ。」

樹霧之介(きりのすけ)「ですがあいつ、躊躇なく志乃(しの)さんの体を傷つけたんですよ。」

黒根(くろね)「大丈夫じゃ。」

樹霧之介(きりのすけ)「また治るとしても酷いですよ。自分の体じゃないからって。」

黒根(くろね)「あいつも昔はよく似たような事はしておった。」

樹霧之介(きりのすけ)「余計駄目じゃないですか!」

黒根(くろね)「まあ、それは置いておこう。ここにあいつがいると分かっただけでも収穫じゃ。」

樹霧之介(きりのすけ)「、、そうですね。」

風見(かざみ)「なあ、おやっさん。この腕から妖気を感じるんだ。あいつ、、」

黒根(くろね)「あいつは元々半分妖怪みたいなものじゃ。霊力があるよりそっちの方が都合が良かったんじゃろう。それにあいつが霊力を使えれば(しずく)の首は今頃、体とおさらばしてたじゃろうな。」

(しずく)「そうね。霊力が使えれば風見(かざみ)の盾無効化してただろうしね。」

樹霧之介(きりのすけ)「父さん、ディブクは何をしたかったんでしょうか?」

黒根(くろね)「さあな。じゃがこれからは邪魔が入る可能性がある。ここには1人で来ん方が良い。」

(しずく)「そうは言っても、術の解析はまだ掛かるわよ。」

黒根(くろね)「感覚さえ狂わなければいけるんじゃがな。」

樹霧之介(きりのすけ)「解除するだけなら力ずくでできると志乃(しの)さんは言ってましたけど、、」

(しずく)「その話本当?」

樹霧之介(きりのすけ)「はい。何か気になることありました?」

(しずく)「これを解除するには大元となるものを叩かないといけないの。浜名瀬さんはそれが分かっていたのよ。」

黒根(くろね)「それか大元に繋がる手掛かりか、大元に辿り着くまで何か、森を切り開くつもりじゃったかもな。」

(しずく)「本当に力ずくなのね。」

黒根(くろね)「まあ、これはあいつも好んで使いはしないがの。」

真琴(まこと)「何をするつもりだったのか知らないけど、聞くにも浜名瀬さんはいないのよね。」

(しずく)「12号なら何か知らないかしら。ずっと側にいたんだし。」

黒根(くろね)「式神の契約で思考も少しは共有しておったはずじゃから可能性はあるの。」

(しずく)「なら早速12号と話しましょう。何か手掛かりがあればここでの作業も減らせるわ。」

樹霧之介(きりのすけ)「ですが12号はしばらく人間の街に行くと言ってそれから姿を見ていません。」

(しずく)「何で?」

黒根(くろね)「とにかく一度戻ろう。また奴が来るかもしれん。」

樹霧之介(きりのすけ)「そうですね。」

樹霧之介(きりのすけ)たちは一度樹霧之介(きりのすけ)の家に戻り今後の事について話し合う事になった。

ここまで読んでいただいてありがとうございます。

次も読んでくれたら嬉しいです。

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