1話
この物語には妖怪に対する自己解釈やオリジナル設定が含まれています。
オリジナルの妖怪が登場することもあります。
素人がただ思い付きで書いている物語なので最後まで温かい目で読んでいただければと思います。
※作者に教養がないためここで使っている外国語はAIで翻訳しています。
ここは翠嶺町にある翠嶺小学校。
日も長くなり、入学式が思い出に変わる頃、1年生の教室で1人の生徒が肝試しの話を持ち出した。
彼の話によると隣町に住んでいた父親が久しぶりに廃校になった小学校へ行ったらしく、そこがお化けが出そうなくらい荒れていたような話を母親と話していたらしい。
その話を聞いて夏も近い事もあり、肝試しをしたくてメンバーを募集していた。
場所は住宅地から少し離れた場所にある空き家の並んでいる場所でメンバーを募集している男の子、名前は川原 遥馬というのだが遥馬の曾祖母が住んでいた家がありそこに行こうと言うのだ。
そしてその日の放課後に参加者は近くの公園に集合していた。
参加者は発案者である遥馬、自称霊感のある朝比奈 透子、面白そうだからと兄弟で参加の安達 魁斗とその兄の悠希、クラスのマドンナ三輪 結衣、クラスではあまり目立たない篠原 真生の6名が集まった。
透子「もしお化けがいても私が正体暴いてやるわ。」
遥馬「本当に見えるのか?」
透子「信じてないの?だけどその時になれば分かるわよ。」
結衣「それより大人の人は?来るって言っていたから私お母さんにも話して許可もらって来たんだけど。」
遥馬「今日、遅くなる事忘れてた。だけど鍵は持って来たから入れるぞ。それより何で真生も来ているんだ?結衣は誘ったけどお前、興味なさそうだったじゃないか。」
真生「えっと、、」
結衣「私が誘ったの。あんたがどうしてもって言うから来たけど、不安だったから。」
遥馬「何が不安なんだよ。」
結衣「色々よ。実際、大人の人連れて来るって言っていないじゃない。」
魁斗「なあ、いつ行くんだ?揃ったなら早く行こうぜ。」
結衣「私たち帰っていい?真生ちゃん行こう。」
遥馬「待てよ。約束したじゃないか。」
結衣「先に約束破ったのはそっちでしょ。」
遥馬「お前らが帰ったら男と女2人でグループになって回ろうと思ってたのにできないじゃないか。」
結衣「元々自由参加で人数気にしてなかったでしょ。」
遥馬「そうだけど、人数丁度良くなったんだからそうすれば良いだろ。」
結衣「何でそんなに必死なのよ。」
悠希「お前、こいつと回りたいんだろ。そして良いとこ見せたいとか考えてるんだろ。」
遥馬「そんなんじゃない!」
結衣「なら何で引き留めるの?」
遥馬「だから人数の為だって。」
結衣「ならあんたは透子ちゃんと回れば良いじゃない。魁斗くんと悠希くんは兄弟なんだから2人で回れるでしょ。」
魁斗「おい、こんな事してると時間なくなるぜ。やらないなら俺らも帰ろうぜ。」
透子「えー。期待外れ。」
遥馬「結衣、お願いだ。今回だけ、今回だけ参加してくれ。一生のお願い。」
結衣「、、分かった。今回だけだからね。」
遥馬「ありがとー。」
結衣「それと私は真生ちゃんと回るから。それだけは譲らないからね。」
遥馬「えー。」
結衣「何?」
遥馬「、、分かったよ。」
話が付き、6人で遥馬の曾祖母の家に着くとそこは塀に囲まれていて、中を覗くと庭には背の高い雑草が生えていて、家の外観は古臭さく、所々傷みが目立った二階建ての家だった。
透子「ここ?隣より雰囲気ないわね。」
透子の言う隣の家は木造で所々崩れ、いくつかの窓は外れて落ちているところもあった。
結衣「安全そうで良いじゃない。さっさと済ませて帰らないと、騙されたとはいえ子供たちだけだとお母さんに叱られるわ。」
遥馬「何だよ。人を悪者みたいにさ。」
結衣「そうでしょ。嘘ついてたんだから。」
透子「それより早く入りましょ。」
遥馬「その前にグループ分けとルール決めたから教えるぞ。」
悠希「その前に庭に入らないか?こんなとこ大人に見られたら早く家帰れって叱られるぞ。」
遥馬「そうだな。」
6人が移動すると遥馬は説明を始める。
遥馬「全員、懐中電灯は持って来たよな。」
そう言って全員の懐中電灯を確かめる。
遥馬「家入ってすぐ左の部屋が畳の部屋なんだ。その奥まで行くとあそこの部屋に出る。そこで外に向かって懐中電灯の光で合図。外で待ってる奴らも合図を返したら戻って廊下に出たら左に進むと階段あるから登って左の部屋に入るとここから見えるあの二階の部屋に出るからそこでも同じように懐中電灯で合図して戻って来るんだ。分かったか?」
結衣「まあ、分かったけど家の中知ってる遥馬くんが有利じゃない?」
遥馬「なら俺と行くか?」
結衣「それは嫌。」
悠希「見たところそこまで大きい家じゃない。分からなくなればすぐ玄関か、ここから見える場所に来て聞けば良いさ。」
結衣「分かった。行く時は左に曲がれば良いんだよね。」
魁斗「さっさとしようぜ。本当に暗くなる前に帰らないと。」
日は既に落ちかけて辺りはオレンジ色の光で包まれていた。
急いでグループを作り、組み合わせは友達同士の結衣と真生、兄弟の魁斗と悠希、余った遥馬と透子で回ることになった。
結衣「暗くなる前に回りたいから私たちが最初でいい?」
遥馬「分かったよ。」
透子「私は暗くなってからの方が良いから最後がいいな。」
魁斗「なら俺ら2番。」
回る順番はすぐに決まり、最初の結衣と真生のチーム、魁斗と悠希のチームと順調に進んで行く。
古いせいか家の軋む音が聞こえ、天井の染みが目立つがそれ以外は特に何もなかったと2チーム共言い、最後に遥馬と透子のチームが家に入るが中々1回目の懐中電灯の合図が来ない。
遥馬は家の中を知っているので迷うはずはないのだが他のチームよりも遅れて合図がされる。
何か言う事もなく懐中電灯の光は移動して行ったので寄り道でもしたのだろうと2回目の合図を待つ。
だが合図は無くドタドタと廊下を走る音が聞こえて勢いよく玄関のドアが開いて遥馬が出て来ると、その後すぐに透子も慌てたように出て来た。
魁斗「ど、どうしたんだよ。」
遥馬「首に濡れた何かが触れたんだよ。誰か悪戯しただろ。」
悠希「誰もここから動いてないぞ。」
遥馬「だけど見ろよ。その時すぐ触ったらこんなに濡れていたんだぞ。」
そう言って遥馬が右手を全員に見せると濡れているようではあるが汗と見分けがつかず、遥馬と透子以外は困惑している。
真生「ねえ、透子ちゃんは何か見たの?」
透子「何かが天井を這っていくのが見えたの。」
そう透子は興奮気味に答える。
遥馬「お化けの正体暴くんじゃないのかよ。足音も聞こえたし、あの話本当だったのか?」
結衣「あの話って何?」
遥馬「親が話してるの聞いただけだけど、あの畳の奥の部屋で死んだ人がいるらしいんだ。」
結衣「何でそんな事黙ってたのよ!」
遥馬「だって、言ったら来ないと思って。」
結衣「当たり前よ!ただ家の中探索するだけだと思ってたのに、、私、怖いから帰る。」
悠希「一応全員が回ったような感じだし良いだろ。俺らも帰ろうか。」
魁斗「そうだな。」
透子「ここで死んだ人の霊?私初めて見た。」
結衣「あれ?霊感あるなら見た事あるんでしょ?」
透子「え?あ、も、もちろんよ。珍しくもないわ。」
遥馬「とにかく、鍵、閉めずに帰ったら怒られるから閉めないと。」
そうは言うが遥馬は扉の方を向いたまま動かない。
結衣「何してるの?私たち先に帰るから鍵は自分でしてよね。」
遥馬「わ、分かってるけど、誰か付いて来てくんね?」
結衣「怖いの?」
遥馬「そ、そうじゃないけどさ。」
強がりを言う遥馬の手も膝も震えていて明らかに何かに怯えている。
遥馬「そうだ、透子。お前お化けはよく見てるんだから怖くないだろ。代わりに締めて来てくれよ。」
透子「嫌よ。怖いなら明るくなってから締めに来れば?どうせ盗る物なんて無いでしょ。」
悠希「盗る物無くても空き家に住み着く人間もいるみたいだし、戸締りはした方が良いぞ。」
遥馬「それなら付いて来てよ。1番年上なんだからさ。」
悠希「仕方ないな。」
そうして遥馬はポケットから鍵を取り出そうと探るが、鍵がポケットから出てくることはなかった。
悠希「どうしたんだ?」
遥馬「鍵、どこかで落としたみたい。」
悠希「どこでだよ。」
遥馬「多分、さっき慌てて走った時だと思う。」
悠希「なら家の中かよ。」
遥馬「お願いだ。一緒に来てくれよ。このままじゃ帰れない。」
悠希「はあ!?」
結衣「仕方ないわね。私たちが行った時は何もなかったんだし、全員で行けばお化けも出てこないわよ。」
泣きそうになっている遥馬を見かねた結衣がそう提案する。
遥馬「結衣、ありがとう。」
結衣「見て見ぬふりするのも後味悪いし、早く帰りたいからね。」
透子「もう一度入るの?私嫌よ。」
結衣「怖いなら帰ってもいいよ。霊感あるのに臆病なのね。」
透子「ち、違うわよ。怖いんじゃなくて面倒なだけ。」
結衣「なら入れるよね?」
透子「もちろんよ。さっさと行きましょ。」
結衣「男子たちも怖いから帰るなんて言わないよね?」
悠希「人数多い方が早く見つけられるだろ。もう暗くなってきてるし、さっさと見つけるぞ。」
魁斗「俺は兄ちゃんに付いてく。」
遥馬「ありがとう、、」
そうして全員でまた家の中に入り、先頭の遥馬が階段付近の廊下を懐中電灯で照らすとキラリと光る物があり、近づけばそれは鍵だった。
遥馬「良かったー。」
結衣「さあ、さっさと帰りましょ。」
遥馬が鍵を拾い、全員が安堵していると急に家全体が軋み、揺れだす。
透子「な、何?地震?」
真生「動くと危ないよ。揺れが落ち着くまでじっとしてよ。」
悠希「手で頭を守って、転ばないようにしゃがんで!」
そうして全員が固まって揺れが止むのを待つとすぐに止まり、透子が1番に玄関へ駆け出した。
透子「もう嫌よ。鍵も見つかったしもう帰る。」
だが透子がドアノブを回してもドアは開かない。
透子「開かない。何で?」
遥馬「は?こんな時にふざけるなよ。」
遥馬も開けようとするが開かず、鍵を確かめても閉まっているわけではなさそうだ。
悠希「もしかしてさっきの地震でドアが歪んで開かなくなったのか?」
結衣「そんな、閉じ込められたの?」
悠希「いや、さっきの畳の部屋の窓から出れるだろう。」
悠希「台所の方にも裏口あったはずだよ。鍵は閉めれないけどこんな事になったんだからお父さんも許してくれるはずさ。」
透子「台所はどっちなの?もう早く出たい。」
悠希「廊下を真っ直ぐ行けばすぐだよ。」
???「もう帰るのか?」
悠希の案内で廊下の奥に歩き出そうとした途端、その言葉と共に天井から突然目の前に何かが現れた。
それは痩せた人の体を持ち、顔は馬のように長く歪み、その口からは長い舌が垂れ下がっている。
明らかに人とは違う容姿をしたものにほとんどの人は叫び、悠希は固まり、透子は泣き出してしまった。
???「おいおい、そこまで怖がらなくてもいいだろう?わしらの住処に来たのはそっちなんだから。」
遥馬「こ、ここ、ここは俺のひいばあちゃんの家だ。お前なんかの家じゃねえ。」
???「だが今はわしの住処だ。この天井の埃の溜まり具合、最高じゃないか。」
真生「ねえ、私たちを閉じ込めたのはあなた?何がしたいの?」
???「うん?君は他の子よりも怖がってないな。いや、顔色が悪い。無理はするなよ。」
真生「少し頭が痛いだけ。質問に答えて。」
???「久しぶりに人を見たから遊びたいんだ。隠れんぼをしよう。わしらを見つけられたら家に帰してやる。」
悠希「わしらってお前以外にもいるのか?」
透子「そ、それよりもあなたは何者?ここで死んだ人の霊?」
???「わしは幽霊ではないぞ。似たような存在ではあるがな。それに人が死んだのは隣の家だ。」
結衣「隣?じゃあここで死んだ人はいないの?」
???「ああ、わしの知る限りではな。」
透子「なら遥馬くんの話嘘じゃん。」
遥馬「この辺で死んだって話を母さんがしてたからここだと思ったんだよ。それより違うならお前は誰だよ。」
???「それもわしを見つけたら考えてやろう。始めるぞ。」
悠希「その前に何人もいるような事言っていただろ。何人見つければ良いんだ?」
???「わしがいいと言うまでだ。」
そう言うとそれは消えてしまった。
透子「あんな奴の言う事聞かなくてもいいわ。台所から出れる場所あるのよね。さっさと帰りましょう。早く案内して!」
遥馬「わ、分かったよ。」
遥馬が裏口のドアを開けようとするがどんなに力を込めても開くことはなかった。
悠希「窓からは出れないか?」
結衣「ここまでするなら出れないように窓も開かないんじゃないの?」
透子「私は帰るの。やってみなきゃ分からないでしょ。」
吹っ切れたのか、恐怖が振り切れたのか、透子は開く窓を探しに1人行ってしまった。
残された人たちはそれぞれどうするか話し合う。
その間にも透子が窓を開けようとしているのか、ガタガタと窓が揺れる音がしていた。
探しに行く意見と朝まで待つ意見が食い違い、話し合いが中々進まないでいると急にガシャンとガラスの割れる音が聞こえる。
放っておけず慌てて全員で音のした部屋を覗くとガラス片の上に座り込む透子の姿。
そして、ガラスで切ったのか、頬を押さえる手からは赤い雫が垂れていた。
そこにさっき現れた舌の長いやつが現れる。
???「逃げ出そうとするとは面白くない。」
透子「もう帰して!帰してよ!」
そう泣きながら訴える透子はそろそろ限界のようだ。
そこに震えながらも遥馬が飛び出す。
遥馬「見つけた。」
???「何?」
遥馬「隠れんぼはもう始まっているんだろ?なら出てきて俺らに見つかったお前の負けだ。」
???「ふん、そうかもしれんがまだだ。隠れんぼってのは名前を呼んで初めて見つけたことになるんだ。」
遥馬「ならお前の名前はなんだよ。」
???「教えん。」
遥馬「はあ?」
???「ここから出たければわしの名前を答えてみろ。」
遥馬「見つけたら教えてくれるんじゃないのかよ。」
???「考えるといったんだ。わしの名前が言えないならお前らはここから出られない。」
真生「天井舐め。」
???「あ?」
真生「天井の埃などを舐めてシミを作る妖怪。あなたは天井舐めで合ってる?」
天井舐め「知ってる奴がいたか。だがまだわしの他にもいる。まだ終わりじゃないさ。」
結衣「いい加減にして!透子ちゃんは怪我してるし、真生ちゃんだってさっきから調子が悪そうなの!あんたの勝手な遊びで皆んなを苦しめないで!」
天井舐め「そう言われてもな。」
???「その子の言う通りじゃ天井舐め。」
天井舐め「黒根の旦那。」
子供たちの後ろにはいつの間にか黒根と呼ばれる初老の男性とその後ろには1人の青年が立っていた。
黒根「子供たちだけでこんな時間に遊ぶような奴らは少し怖い思いをした方が良いと見ておったが、これはちいとやり過ぎじゃ。」
結衣「真生ちゃん大丈夫?」
真生はさっきよりも調子が悪そうで頭を抱えてしゃがみ込んでいる。
青年「父さん、先にこの子たちの手当てをしましょう。」
黒根「そうじゃな。」
青年「妖ノ郷が近いので真琴に薬を持ってきてもらいましょう。天井舐め、その子に何したんですか?」
青年は真生を指差し聞くが天井舐めは首を横に振る。
天井舐め「あっちの子供は家鳴りに脅かすように頼んだが、そっちの子供は知らん。」
家鳴り1「僕らのせいにするの?」
家鳴り2「命令したのはそっち。そっちが悪い。」
そう言いながら押し入れから角の生えた小人がゾロゾロと出てきてそれぞれ天井舐めに文句を言っている。
黒根「団体責任じゃ。この子らも悪いがお主ら、明日は一日妖ノ郷から出るの禁止じゃ。」
家鳴りたち「えー。」
その時天井の方からトントンと足音が近づいてくる。
青年「まだ天井舐めがいたんですか?」
その時、遥馬の背中が押され遥馬は前によろけて転びかける。
遥馬「何するんだ!」
遥馬を押したのは真生らしく、遥馬が後ろを振り返るがその瞬間に真生の姿は消えてしまう。
青年「ちょっと、悪戯が過ぎますよ。」
天井舐め「わし以外にいるのは家鳴りだけだ。こんなことする奴なんて知らない。」
青年「なら、さっきのは?」
黒根「しかも今のやつ隠里に入ったようじゃぞ。」
青年「なら風見にも分かりませんか?」
黒根「ああ、こうなるとあっちから出て来るのを待つしかない。」
結衣「ちょっと、真生ちゃんは?真生ちゃんはどうなったの?」
黒根「一瞬の出来事で相手の正体も分からぬ今、その子をどうするかも分からん。」
結衣「つまり危険目に遭ってるかもしれないの?」
青年「心配なのは分かりますが隠里、別空間に入ってしまった今、僕たちにも手出しできないんです。」
黒根「子供たちだけでこんな時間に危険なことをしたんじゃ。因果応報じゃよ。」
結衣「それでも、真生ちゃんは私が誘ったの。私が悪いの。」
遥馬「それにみんなを誘ったのは俺だし、真生が突き飛ばしてくれなかったら消えてたのは俺だ。何とかできないのか?」
その時青年が腰から下げている木の筒から鼬のような細長い獣が出てきて喋り始める。
???「樹霧之介。」
その獣は青年を樹霧之介と呼んでいる。
樹霧之介「12号どうしたんですか?」
名前なのか樹霧之介はその獣を12号と呼ぶ。
12号「今の女の子探すの?僕分かるよ。」
樹霧之介「え?、、何故ですか?12号が分かるのは志乃さんだけじゃ、、」
12号「分かんない。」
結衣「真生ちゃんの場所が分かるの?お願い真生ちゃんを助けて。」
12号「隠里にいるなら1号のおっちゃん連れて来るね。」
そう言ってその獣はまた筒に入り、今度は2匹で出て来ると1匹が天井を飛んで一部を示し、もう1匹がそこを注視すると穴のようなものが現れ、そこから何かが落ちてきた。
それは真生で樹霧之介が受け止めると息を吸い込み、咳をしていた。
そして首には手の跡がくっきりと残っている。
???「どいつもこいつも邪魔をするな!!」
そう聞こえた直後に穴から醜い老婆の妖怪が樹霧之介に向かって来たので咄嗟に木の玉を伸ばして棒にし、それを払い除けると部屋の隅へと倒れ込んだ。
樹霧之介は真生を黒根に託してその老婆の妖怪と向きなおる。
真生は首を絞められたことでパニックになり、息が苦しそうだ。
黒根「落ち着け、落ち着いて息を吸うんじゃ。」
黒根に優しく声をかけられ、真生は少しずつ落ち着きを取り戻していった。
結衣「真生ちゃん、大丈夫?」
真生「うん。」
駆け寄る結衣に真生は弱々しく返事をするが、その首に残る手の跡を見て結衣は罪悪感に襲われる。
黒根「お主天井下がりじゃろ。こんな事する奴ではないはずじゃ。いったい何があった。」
天井下がり「憎い、憎いの。散々こき使った挙句、自分のミスを押し付けて私を首に追いやったあのクソ上司が!」
家鳴り3「隣の家で天井から下がってた人間も同じこと言ってた。」
黒根「そうか、お主元々隣に住んでおったな。そして自殺した女性の思いを吸収してしまったのか。」
樹霧之介「ですが関係の無い人に危害を加えるのは違います。」
黒根「そうじゃな、やってくれ。」
樹霧之介「はい。」
天井下がり「関係ない?確かにあの女の子は邪魔したからムカついて手を出したけど、そっちの子供はあいつの面影があるのよ。」
天井下がりは遥馬を憎そうに睨みつける。
遥馬「俺は知らない。そんなの知らない。」
樹霧之介「この子が直接やった事でもないですし、その上司との繋がりがあるとは限りません。それはただの逆恨みです。」
樹霧之介はそう言うと天井下がりの後ろにある柱から尖った枝を生やし、天井下がりの胸を突き刺すと天井下がりは白い煙となって消えた。
結衣「真生ちゃん、痛くない?ごめんね、私が無理に誘ったから。」
真生「大丈夫、結衣ちゃんは悪くない。」
透子「誰か私も心配してよ!」
黒根「怪我人もいるから真琴に連絡せんとな。」
12号「それならさっき戻った時に言ったからもう来ると思う。」
その言葉通り玄関の方から声がする。
真琴「風見、この家なのよね?」
風見「おう、樹霧之介の妖気、ここからするぞ。」
真琴「ああ、いたいた。もう、12号。呼ぶなら場所も言ってから行ってよ。今回は風見が暇してたからいいけど。」
12号「ごめん。」
真琴「まあ、先にこの子達の怪我をみましょう。怪我人は何人?」
黒根「2人じゃ。こっちの子供、天井下がりに首を絞められておった。先に見てやってくれ。」
透子「私は!?先に怪我したんだよ。」
真琴「重症者の方が先。傷薬渡すから樹霧之介が診て。」
樹霧之介「分かりました。」
まだガラス片の上にいた透子を樹霧之介は持ち上げると安全な場所に下ろして悠希が懐中電灯で照らし傷の手当てをする。
透子の傷はそこまで深くはなく、皮膚の浅い部分を切って血が多く出ていただけだったので、真琴が持って来ていた水と手拭いで血を拭って薬をつけるだけで済んだ。
頬の他にもガラス片の上に座り込んでいたので他にも傷は付いていたがどれも浅く、順調に治療を進めていく。
樹霧之介「他に痛いところはないですか?」
透子「うん、ありがとう、、ございます、、」
樹霧之介「僕は真琴の方を手伝ってきます。」
透子「はい。」
悠希「俺も行こうか?」
樹霧之介「いえ、君たちはここにいてください。あの子の治療が終わったら家へ送りましょう。」
悠希「はい。」
そう言って樹霧之介は真琴の方へ行く。
樹霧之介「手伝う事ありますか?」
真琴「ありがとう大丈夫よ。4号と診てみたけど呼吸は安定してるし、危険そうな内出血も腫れも見られない。」
樹霧之介「手の跡あんなに酷いのにですか?」
真琴「そうなの。跡はしばらく残るとは思うけど、致命的な怪我はないわ。」
黒根「この子供、霊力があるからな。無意識に自身を守ったのかもしれん。」
樹霧之介「そうですか。」
樹霧之介は少し考えて真生の方を見てみると首に包帯を巻いた真生もそれに気づいて樹霧之介の方を見て笑う。
真生「お兄ちゃん。怖い人倒してくれてありがとう。」
樹霧之介「これが僕の仕事ですし、12号が見つけてくれなかったら何もできませんでした。」
真生「12号ってこのフワフワな子?あなたもありがとうね。」
そう言って真生は治療の為に出て来ていた4号を撫でている。
樹霧之介「立てますか?家へ送り届けましょう。」
真生「うん。」
真生は樹霧之介が差し出した手を握って立ち、廊下の方で待っている透子たちの方へと歩いて行った。
樹霧之介はそれを後ろから見て、腰につけた木でできた筒に声を掛ける。
樹霧之介「12号、今もあの子の気配分かりますか?」
12号「分かんない。」
樹霧之介「そうですか。」
それだけ聞くと子供たちを連れて家を出るとそれぞれの家へと送り届けて、樹霧之介たちも妖ノ郷へと帰った。
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
次も読んでくれたら嬉しいです。




