表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
AKIRA  作者: 千路文也
プロ3年目  -進化-
425/426

425  ロングインタビューの始まり


 時間の使い方次第では、日々の日常生活におけるストレスから解放されるとAKIRA選手は信じていた。これだけの圧倒的成績を残しているのに、スタート地点にさえ到達していない感覚。信じてきた自分を疑ってしまう悲しき感情。あらゆる精神的不安を抱えて、ネガティブ力を爆発させてきた。負の感情がどれだけ自分を支えたのか言うまでもないとAKIRA選手は考えていた。


 だが、今シーズンを終えたAKIRA選手にネガティブな印象は無かった。まるで別人のように明るく振る舞い、チームメートを盛り上げていた。報道陣からの質問に対し「ノーコメント」だけではなく、僅かに笑みを浮かべるようになった。一体全体、AKIRA選手の身に何が起こったのか。私はインタビューを申し出た。


 時は12月下旬。AKIRA選手の出生地であるニューヨークにてインタビューは行われた。某有名ホテルの一室でAKIRA選手と対面し、今シーズンに起きた感情の変化について疑問をぶつける。


 ──今年は野球を楽しんでプレイしていた印象でしたが、何故試合中に笑みをこぼすようになったのでしょう。


「まあそうだな……お前の言う通り、試合中に楽しいという感情が芽生えたのは紛れもない事実だ。これまでの俺には無かった特別な気持ちで、言葉で説明するのは難しい感覚も感じた。恐らくそれは、俺自身の成績が不調であったからこそ、笑いが表情として出てきたのだ。野球に悩んでいるのを相手に悟られないよう、防衛本能がポジティブに働いたと言えよう。チームメートが打ったホームランに対し、笑顔で迎えるようになったのも、全ては自分自身を守るためだ」


 AKIRA選手は鋭い眼光で睨みつけながら質問に答えていた。ひとつの質問に、ここまで長々と喋るのもかなり珍しい。私は好機とばかりに次々と問いかける。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ