第十二話 いやいや、まさかね
水希はいままでモヤモヤとしていた気持ちがスッとなくなった感じがした。そしてイライラしていた感情がすっきりとなくなった。何をいままでこんなにも悩んでいたんだろう。なにをこんなに考えていたんだろう、と水希は思った。
「あ~、なんだか一気にすっきりしたっ!」
そういって水希は屋上で寝そべって気持ちよく青い空を見上げていた。そんな彼女の顔はとても幸せそうだった。しかし、水希はふと考えてしまった。それは…、なぜ水希があんなにも嫌っていたはずだった空のことを好きになっていたのかだった。
「いつの間にそんなことになっていたんだろうね…。自分では全く意識したことなんてほとんどなかったんだけれどな…。むしろ、敵としか意識していなかったはずなのに…。」
天敵を嫌いになってしまうという展開は漫画ではよくあることである。少年漫画ではあまりないものの少女漫画ではかなりある展開である。もう、魔法少女系にはほとんどあるといっても過言ではない展開であろう。
「まあ、いいや。空のどこを好きになったのかは後でじっくりと考えようっと。とりあえず、今はこの静かな昼休みを満喫しなくちゃ。」
所詮、恋をしている乙女だからと言って水希は水希である。そこまで急にオトメチックな考えになるはずもない。作者だってそんな急展開になったら困る者の一人である。そんな高技術は使えない。そして今まであまりこの一週間寝ることもままならなかったのだから彼女にとってこれで寝れるとなるととても幸せなことなのである。
「それにしても…、いつ、告白しよう…。」
その一言を言った途端、水希の頬はリンゴのように赤く染まった。顔から湯気が出るぐらいに熱いと水希は自分の温度が高いと感じた。まあ、実際は熱は出ていないのだが。
「今まで嫌い嫌いって言ってたのにいきなり好きになるなんて…。正直言って私ってダメだな…。こんな鈍感だなんて…。」
「そんなことないと僕は思うけれど?まあ、確かに鈍感だとは僕も思うけれどね。」
急に聞こえたその声に水希は驚いた。水希が振り向くとそこには空がいた。いつの間にそこにいたのか水希は驚いてしまった。
「い、いつからいたの…?」
「え、もちろん、さっきだけれど?」
「さ、さっきっていつ?」
「さっきって大体みずちゃんが僕への気持ちを自覚した位だけれど。」
そんな空の言葉を聞いて、水希は唖然とした。いつの間に自分の気持ちが空によってばれていたのだろうと考えると思わず、口をパクパクとしてしまった。
「う、嘘でしょ…。」
「本当だけれど?」
空の余裕のありそうな態度に水希はイライラを覚える。空のほうがどうやら上手らしい。
「だってさ、みずちゃんって感情が本当に目に見えるんだもん。本当に可愛らしいよね。だから、本人よりも周りのほうがみずちゃんの気持ちが分かりやすいよ。だから、僕もすぐに気づいたっていうか。」
そう笑顔で水希に言う空に水希は口をパクパクとさせたまま。それから空は心の底から嬉しそうでもあり、ねだるように言った。
「僕はみずちゃんのことが大好きだよ。ねえ、みずちゃんは僕のこと、どう思う?」
そんな空の一言に水希は頬を赤くしながら言った。
「わ、私も…そ、空のことがす、す…き…。」
その一言に空はとても嬉しくなった。そして水希を空は抱きしめた。水希はそんな空の温もりを感じれることをとても幸せに感じた。
なんか微妙なラストで申し訳ございません!しかし、私がこの小説を無事に書き終えれたことは本当に良かったです。いや~、どうなるかと思っていましたよ、本当に。にしても、やっぱり、私の文章力のなさって本当に残念ですね…。そして読んでくださった方、本当にありがとうございます!感想をくれた一応ここでは匿名の方ですが、本当に心の底から感謝しております。
では♪