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「彼女たちの後始末」(セーラー服と雪女 第ニ部 新世紀編①)  作者: サナダムシオ


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第五話 救世主

「えっ、ちょっ、ちょっと待って。」

 香子は慌てた。

「何よコレ。どういう事?」

『お母様はボクと一緒に移動した。ここは古代エジプト。みんなは祈りながら、お母様の救いの手を待っていた。』


「あなたは兎も角、私は神様なんかじゃないわ……いや、そうなんだっけ?何だったかな?確か、私の内なる古代エジプトの神の名は……植物再生の神オシリス!」

 彼女は自らの名を唱えた瞬間、そのオシリス神の姿に変身した。

 エジプトの住民たちはソレを見て、「おおっ。」と言ってまた平伏した。


 オシリス神の香子が、持っていた杖をひと振りすると、辺り一面に大麦、小麦の畑が広がった。更にもうひと振りすると、その向こうに玉ねぎ、にんにく、ネギ、キュウリ、レタス、デーツ、イチジク、ブドウ、ザクロなどの畑が、次々に出現したのだ。


「……こんなもので良いかな?」

 尋ねるオシリス神。

「ありがたき幸せに存じます。これで皆、飢えをしのげます。」

 村長らしき者が、平伏したまま返答した。


「収穫の後の、種もみも大切にせよ。」

「ははっ。肝に銘じて。」

「では、私はこれにて……。」

 そう言うと、オシリス神は、出現した時と同様に、音も無くその場から消えてしまったのである。


 ふと気がつくと、香子は元の姿に戻り、メジェド君と手を繋いだまま、自室のベッドの上に腰かけていた。

「今のは……夢?」と呟く香子に、メジェド君が首を振るような(どこが首なのか判別が難しいのだが)仕草を見せた。


 そして彼女は、自分の足元が、すっかり砂にまみれている事に気づいたのである。

「夢じゃ……無かったんだ。」

 彼女はすっかり、放心状態になってしまった。


 そしてすぐに、『じゃあ、まだやりたい事が有るから、僕はこれで……。』とメジェド君は思念を送って来ると、パッと姿を消してしまったのである。

 香子はもう、呆気に取られるしか無かった。


 コレが、西暦2000年2月3日の出来事である。


挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
第五話 救世主まで読みました。 第一部で残された因縁を整理しながら、第二部の新たな物語へ自然につなげているのが印象的でした。カグヤとウアジェト女王の決闘は、単なる勝ち負けではなく、父を失ったカグヤが…
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