第十七話 込み入った手段
「因みに、アノ生体アンドロイドは、肩から上の部分を中心に、人工的な有機物で作ってあったんだよ。」
伯爵の説明は続く。
「それは、環境に優しいからって事では無く、数日後に処刑される日まで、替え玉君が、周りに怪しまれないようにするためにね。」
彼はそう言うと、ジャンヌに向かってウインクした。
「まあ、具体的に言うと、彼の最期は、京都の六条河原で斬首刑だったでしょ?だから……ね?」
京子が、そう言ってつけ加えた。
「そう……だったんですね?」
「もう一つ付け加えるならば、あの替え玉アンドロイドは、ソラユキ君を製作する過程で出来た、副産物のようなモノだったりするけどね?」
伯爵が、多分言わなくてもイイ事まで、説明してしまった。
ジャンヌは複雑な気分で、ソラユキの事を振り返って見たが、彼はアンドロイドだから、これといって気分を害している様子も無かった。
「あくまでもアレは、リモコン人形のようなモノだから……まあ、そんなに気にしないでくれると、助かるな。」
マッドサイエンティストの伯爵も、少々バツが悪そうにそう言った。
ジャンヌは、できるだけ気にしない事にした。
(ソラユキはソラユキだものね?)
「石田三成殿は、例によって、地下の客室で休んでもらっているから、希望するなら、またそのうちに合わせるよ。今後は彼に、ウチの大事な参謀役でも、やってもらおうかと思っているんだ。」と伯爵が言うと、京子が「また一人、貴方の歴史コレクションが、増えたって訳ね。」と若干のあきれ顔で言った。
「アハハ……。」と笑うサン・ジェルマン伯爵だが、ソレは、笑って誤魔化せるはずもない仕業だった。
ジャンヌは、今更ながら、自分の立場を再認識した。
(どの道、私はこの人たちと、運命共同体なんだ……慣れなくっちゃね。)




