表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「彼女たちの後始末」(セーラー服と雪女 第ニ部 新世紀編①)  作者: サナダムシオ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
10/31

第十話 弓子の迷い

 弓子は、相変わらず自信が無かった。

 雪村とは、小学生の頃からの知り合いだから、もう長い付き合いになるのだが……。


 彼は何時でも、自分の事を第一に考えてくれている。その点は間違い無い。でも彼が圧倒的なチカラを持っている限り、"みんなの雪村"なのだ。自分の独占欲は、抑えなければ……。


 彼女は長い間、ずっとそう思って来た。

 しかし、先日のベルゼブブとの戦闘絡みで、雪村のチカラは、明らかに弱くなった。何でも、来るべき"約束の日"に備えて、チカラの放出を抑えて、チャージに回しているらしい。


 "約束の日"って何かしら?

 彼は時々、理解出来ない事を言う。

 でも、別時間軸から来た、姉の雪子さんには、何の事か解っているようだ。

 ソレも何だか、気に入らないポイントだ。


 彼女は、モヤモヤした気持ちを抱えたまま、毎日を過ごしていた。そんな中、今日は久しぶりに、彼と二人で亜空間レストランにやって来て、他のメンバーの様子を見がてら、お茶を飲む事になった。


 今日も赤い髪にメイド服を着た、義理の妹の由理子が居る。彼女が、運んで来てくれたレモンティーを、テーブルに置くのも待ち切れないように、弓子は話を切り出した。


「ねえ、貴方。」

「何だい?弓子さん。」

「"約束の日"って何かしら。教えて下さらない?」

「……どうしても知りたいの?」

「雪子さんにしか解らないのは、何かイヤなの。」


「ソレが、どんな事でも?」

「ええ、お願い。」

 雪村は仕方無く、自分と雪子の本当の関係を、詳しく弓子に説明した。


 弓子は話を聞いて直ぐは、目を丸くして驚いたが、やがて達観したような表情になった。

「ソレは、避けられない運命なのね?」

「そう。ソレを実行しないと、"全ての時空の雪子さん"は、誕生しないんだよ。そして、これまでの全ての努力が、無かった事になってしまう。」


「だから、貴方だけは、不老不死を選ばなかったのね?」

「そうなんだよ。そんな訳で、僕は予定通りの寿命を全うし、物理的に死ななければならない。だからもし、キミが不老不死になりたいのなら、僕に遠慮したりせず……。」


「……嫌よ!私は、貴方と共に生きるの。一緒に歳をとって、必ず貴方の最期を看取るわ。」

「……そうか。ありがとう。そうしてくれると助かるよ。」

 雪村は本当に嬉しそうに、そう言った。


 コレが、西暦2000年5月10日の事である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ