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残念世界の残念勇者   作者: XT
78/96

ループワールド・勇者ケイン編 78

「セイレーン出るぞ!」

アリスの掛け声で、海からセイレーンが浮上する。

「マスター、敵認識が・・・」

毎度のことだが、この手の急襲を受けると、セイレーンでは対応できない。


「分かって言ってるのかだぞ?今ここには、天界や世界の大物がいるぞ。撃てないとか、寝言ってるとスクラップだぞ。屑鉄にしてキロ幾らで業者に売却だぞ」

「マジですか!?撃ちます!撃てます!撃たせていただきます。私をスクラップ業者に売る原因を作るやつらは敵です!ルピ、ルカ!ハドロンブラスタGWスタンバイです」

相変わらず緩い。


「敵の正体は、魔界の地獄バチの一族です。海にはトカゲ族も居ます」

エクセレントが神の加護「望遠」で、敵を識別した。

「トカゲの次はハチかだぞ?」

「はい。魔界のハチは厄介です。毒使いのため、毒耐性が強く、マオさんの毒も効果は期待できません」

トカゲにも魔法耐性がある。数の多さから、結構ピンチだ。


ーーーートカゲ族の会話ーーーー

「パパ上に報告したら、鍵よりも、舐められたままにするな!とのことだ」

「若、よかったですな。大大将殿に食い殺されないで」

「あはははは!パパ上はご機嫌だったからな。更には地獄バチの一族にも協力してもらえたので、わが軍勢は1億オーバー!2種族総出の作戦だ」

ーーーーーーーーーーーーーーー


「数は1億から1億2千。距離5kよ」

セレスが大きな声を上げた。

1億だと?

「セイレーン!撃つぞ、早く撃つぞ!」

流石のアリスも、事態のヤバさに焦りが伺える。

マオが使えない以上、これは大ピンチだ。


セイレーンのハイドロンブラスターGWがフルパワーで発射される。

が、黒く染まった空に、大きな変化はない。

相当数を打ち落としているのだが、数が多すぎる。


「緊急再充電開始です!」

セイレーンも急ぐ。

「魔法剣!爆砕爆炎斬!」

「ツンドラ流星群!」

「紫炎 火炎大蛇よ!」

中距離攻撃のできる、アリッサ、パルム、セシルが攻撃するが、油田火災にバケツリレー状態だ。


「さて、おかぁ様、ここは女神として、無礼な連中に天罰を与えねばなりませんね」

「ですね。この私に攻撃など、愚か者です」

エクセレントとヴィーナスが前に出た。窓の前に並んで立つ二人。

「ケインさん、下がってください。母と姉が攻撃します。離れてください!」

ティナが叫んだ。

「ケイン、この二人・・ただ事ではないオーラを出してるぞ。なんかヤバいぞ」

アリスが、何かを感じ取った。


「神女神の加護!ソドムの炎です!」

天空より、火球が敵に降り注ぐ。天地創造レベルの降り方だ!

「大女神の加護!ゴモラの雨です!」

劇濃硫酸の雨が、敵を溶かす。マオの毒より強力で、触れただけで溶け落ちる。

それを見たピーは。

「やるわね。流石は女神。ポセイドン、ドワーフ、お手伝いするわよ」

「分かった」

「ええ、いいわ」

ポセイドンは、巨大な波を作り出し、飛んでいる地獄バチを一網打尽にした。

ドワーフは、海底からマグマ吹き上げ、海に落ちた蜂、潜っていたトカゲ族に止めを刺す。


「あわわわ・・・」

「若!撤退です!奴ら、化け物だ」

生き残った僅かな兵を引き連れ、地獄バチ、トカゲ族は撤退しようとするが。

「ゲートが開かない!?」

ヴィーナスの張った移動疎外により、カモミールから出れない。

「逃がさないわよ。怪光線!ピーーーーー」

最後はピーが決めた。

考えたら、3人の守護者と天界最強のメンバーが集結していたのだ。

こんなところに飛び込んでくるとは、運の無い連中だ。

魔界の2種族が滅んだ。



「流石は守護者様です。お見事です」

「あなた達も、それなりにやりますね」

ヴィーナスとピーは讃えあう。

 『勇者チーム全員のレベルが、素晴らしいほど上がった。ケインの傷が絶望的に広がった』

天の声も、俺以外を讃えた。


トラブル続出だが、会議はこれで終了となる。

ヴィーナス達は、暫く王宮に滞在。

リリス達の捜査のため、天界から山狩りの部隊が来る。

王宮が神聖化することで、アリスが頭を抱えていた。



「そういえば、シータを見ていないが?」

「はい。シータはケインさんのマイナスレベルの調査で、資料を漁っています」

俺のためか?

「はい。シータは私たちとは違い、細かい計算や資料の解析が得意です。なんとしても、ケインさんのお役に立ちたいと、頑張っています」

「・・・ありがたい話だが、優先して頼みたいことが有る」

「移動はできませんが、連絡はとれます。指示は出せます」

「1200年前に何があったか、詳しく調べてほしい。特に今と繋がりが無いかをだ」

何故1200年前なのかが分かれば、謎が解けるかもしれない。

特に意味がないのかもしれないが、今はアヤメさんが上げた、3つの謎を解明することが先決だ。


ティナに頼むと俺は自分の部屋へ戻る。

本来なら、リリス達の捜索に力を貸したいところだが、今はアイリスの魔力の暴走と、ループワールド阻止が優先だ。

だが、どこから手を付けていいかも分からない。

トーレフの言う『膨大なエネルギーが必要』と言う言葉を信じて、この辺から探りつつ、シータの調査を待つか?



アリスがお茶を持って入って来た。

「ケイン、王宮の東棟をヴィーナス達に使ってもらうぞ。あそこはもう使い物にならないぞ」

神聖化されそうだな。

「会議室の片付けを頼んだメイドが、床に平伏して、出てこれなくなっていたぞ。ヴィーナスの使ったものは、神聖化されるぞ」

食事の世話とか、どうするんだ?

「レナとパルスとセレスでやらせるぞ。感情が無ければ、偉大な神の相手でも関係ないぞ」

おお!って、セレスもか?

「レナ達だけでは足らないから、セレスの感情システムも止めたぞ。他の機械族は可哀そうで、できないぞ」

セレスなら良いんだ・・・・。

「だが、それって・・・」

「言うなだぞ。私も今気が付いたぞ・・・」

「だよな」

「後で考えるぞ。いざと言うときは封印だぞ」

ヴィーナスが使うモノは神聖化する。レナ達はモノだ。神聖化してしまう。そして俺たちは、レナ達の前に平伏すことに成る。

凄く嫌だ。


「なぁ、ケイン・・何か隠してないかだぞ?」

奥さんは、隠し事をしている俺の匂いを、早くも嗅ぎつけた。

「隠し・・・・ている」

ダメだ、嘘はつけない。

「言えない事なのかだぞ?」

「ああ、今はまだ言えない。だが、俺を信じてくれ」

「ママの事かだぞ?」

超能力者か!?

「ああ、アイリスと関係しているのは確かだ」

「分かったぞ。もう聞かないぞ。ケインを信じてるぞ」

アリスは、それ以上聞いては来なかった。


暫くアリスと並んで横に成っていた。

そして考えた。「膨大なエネルギー」・・アイリスの魔力は底なしだ。

1個人の力とは、かけ離れている。アリスも含め、みんなは大技を使い過ぎると、次弾が撃てなくなる。マオはスキルで打ち放題だが、アイリスは違う。幾らでも打ち続けられるほどの、魔力を保有している。

これが『膨大なエネルギー』に相当するか?ティナに聞けばわかるか?


「今呼びましたか?」

ティナが入って来た。

「ノック位するぞ」

アリスが、もっともなことを言う。

「はい。何かケインさんに求められた気がしました」

俺の周りは超能力者だらけだ。この二人が相手の隠し事は、不可能だと知った。


「実は、母が結納の儀を済ませたいから、呼んでくるようにと言われて、探していました」

結納忘れてた。

「ケインだけかだぞ?私も出たいぞ。嫁は出る権利があるぞ」

旦那の結納に嫁が出るのか?シュールだな。

「はい。ご家族の方は全員OKです。奥さんには、砂被り席をご用意です」

最前列だ。



礼拝堂で、婚約の儀が行われる。

後光が眩しいので、ヴィーナスには、頭からシーツを掛けた。3枚重ねだ。

オバQみたいだ。


参列者は、アリスとアイリス、アリッサ。パルムとセシル。

俺の家族たちだ。

「これより、ケインさんとティナの結納の儀を執り行います」

ヴィーナスが宣言する。

「全員、起立!着席!礼!」

エクセレントの掛け声、順番が違う。


「勇者ケイン、前へ。貴方は女神ティナを、妻にすることを誓いますか?」

「ああ、誓う!」

「女神ティナ、前へ。貴女は勇者ケインを、夫とすることを誓いますか?」

「はい。誓います」

「では、誓いにキスを。ケインさんはティナの手の甲へ。ティナはケインさんの頬へ。それぞれの、想いの言葉を添えてください」

ティナの手の甲にキスをして、俺の気持ちを伝える訳だな。


「俺は勇者として、平和で安らかな世界を作りたい。共に歩み、力を貸してくれ」

俺は手の甲にキスをした。

「素晴らしい!我が家に媚び売る男たちは、やれ美しいだの、やれ綺麗だのと、分かり切った世辞しか言いません。こんな素晴らしい、誓いの言葉を聞くのは初めてです」

「ええ、本当に素晴らしい誓いの言葉です。ティナは幸せ者です」

エクセレントと、ヴィーナスから賞賛を受けた。


「では、ティナ、あなたの誓いの言葉を」

「はい。ケインさん・・・・Hは週3回以上です」

ティナは俺の頬にキスをする。

「素晴らしいですわ!カモミール的には、1日3回でもOKですわ!」

「若いからいけるぞ。私と合わせて6回だぞ。朝から晩までH三昧だぞ」

嫁と姑から賛辞が飛んだ。


「これにて、勇者ケインと、女神ティナの結納の儀は成立しました。2人に幸あれ!」

エクセレントがヴィーナスに掛けられていたシーツを外す。

「待て!目が・・・あれ?」

眩しいには違いないが、ひれ伏したい欲求は無いし、ヴィーナスを直視もできる。

「はい。今の儀式でケインさん達は、私の親戚になりました。血縁ではありませんが、近い親戚になります。後光に対する耐性が付きます」

なるほど。


「私も、見れるぞ」

「私もですわ」

「私もだよ」

「俺もだ」

「私もなのね」

俺の家族全員に、後光耐性が付いた。

「天界では婚約破棄はありません。婚約は絶対の儀です。結婚と同様の重みがります。私と婚約したケインさんには、天界の加護。天使の力が宿りました」

なんだと!?俺に加護が?


「48位階天使です。ゴミカス天使の称号が与えられます」

ゴミカスかよ・・・。

「しかしケインさんは、天界では人気者です。次回の天使総選挙で、上位に入れば、女神入りも夢ではありません」

なんだ、その天使総選挙ってのは?

「はい。女神はランク制で、実績によりランクUPしますが、天使は人気制です。投票で位階が決まります。ケインさんなら、天辺も取れちゃいます」

アイドルみたいだ。


「ケインが女神に成る日が来るぞ」

男だから女神はない。

「大丈夫ですわ。男の娘デビューですわ」

「はい、凄い人気者になるはずです」

「俺たちの子供が、男の娘女神か、夢のようだ」

「嬉しくて涙が出て来たわ」

なんだ、その男の娘女神って!俺は嫌だからな。


「天使の加護も使えますよ」

ヴィーナスが微笑んだ。初めて顔の表情が見えた。

「加護だと?ティナが使う、女神の加護!的な奴か?」

「はい。使ってみてください!チンカス天使の加護!と言えば使えます」

チンカスじゃない!ゴミカスだ。


「ゴミカス天使の加護!防壁!・・・防壁!・・・」

「なにも起こらないぞ」

「はい。防壁はまだ無理です。48位階だと『茶柱を立てる』とか『黒猫が横切るのを回避』程度です」

くそ、戦いには全く役に立たない。


「で?だぞ。ケインが女神に成る総選挙は何時だぞ?」

「はい。800年ほど先です」

死んでる。1回は転生した後だ。


こうして、ティナとの婚約も済んだ。俺達は礼拝堂を出ようとした。

「あれ?ドアが凍ってるぞ」

!!!

アイリスの魔法の暴走だ。


「強力な氷の魔法使いが3人も居るからですね。心配はありません」

ヴィーナスが胡麻化してくれた。

「天界のしきたりについて、ご説明したいことが有ります。お時間は?」

エクセレントは、俺に残れと言っている。

アイリスの事なのは間違いない。

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