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露程も知らない幻想組曲  作者: 熱帯長草草原地帯
第五章 護りたいもの
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ベアー討伐⑤

 オレはそのままユイムさんとテノンさんの家で寝かせてもらった。

 気付いた時にはヒボラさんがベッドの側に着いていてくれた。


峰司(ホウジ)、目が覚めたか?」

「はい。」


 オレはのそのそと起き上がった。


「身体はどうだ?怪我は無かったみたいだが。」

「なんか頭痛いです。身体は少しだけだるいかもです。」

「そうか。魔力を使いすぎただけだと思うが、もうちょっと寝ていても良いんだぞ?」

「えっと、でも大丈夫そうです。オレはどれくらい寝てましたか?」

「もう暗くなってから少したったな。」

「そっか、いっぱい寝ちゃったんですね。ベアーはどうなったんですか?」

「二頭とも荷馬車を借りてギルドへ運んだぞ。」

「そうですか……」

「ギルドでは大物二頭の捕獲を喜んでたぞ。肉や毛皮、良い素材が取れるってな。解体してもらってるから後日依頼料とは別に売却報酬も出るぞ。」

「はい。良かったです。」

「本当に一人で良くやったな。魔法は上手く出来たみたいだしな。心臓を一撃だったぞ。」

「1回目は失敗しちゃったんです。2回目は上手くいったみたいです。精霊が視えて手伝って貰ったんです。」

「精霊が見えた?」

「オレ思い出して、精霊が視える事。ヒボラさんも精霊が視えるんですか?」

峰司(ホウジ)には精霊が見えるのか?俺には見えない。見える人って神官くらいだろう。」

「神官?そうなんですか……」

「精霊が見えて魔法が成功したのか?」

「はい。助けてってお願いしたらどんどん魔法に吸い込まれていったんです。」

「そうか。凄いな……今も見えるのか?」

「今は見えないです。魔力を込めれば見えると思うんですけど……」

「いや、今は無理するな。」

「はい。あの、ヒダッカさんとノアタさんは?」

「あぁ、もう大丈夫だとは思うけど一応警戒に行ってくれてるよ。」

「そうなんですね。何でベアーが柵の中に居たのか分かったんですか?」

「うん?あぁまぁなんだ鍵の閉め忘れだな。」

「えっ……?」

「ユイムさん達が作業をしてて出入りの時にもうベアーは居ないって思っちゃったらしくてさ……本当に危なかったよ。」

「……誰も怪我をしなくて良かったです。」


 外から声が聞こえてきた。


「帰ってきたみたいだな。」

「はい。」


 ドアがそっと開いた。


「ヒボラ?峰司(ホウジ)はどうだ?」


 ヒダッカさんが顔を覗かせた。


「ヒダッカさん。もう大丈夫。」

「ああ起きてたのか。」

「うん。ノアタさんは?」

「一緒に帰ってきたぞ。小雨が降りだしてな今日はもうベアーは出ないだろう。」

「そっか。」


 ヒダッカさんがオレのベッドの側に座った。


「どうした?ベアーを倒した英雄だろう?もっと元気を出せ。」

「ヒダッカ無茶言うな、魔力切れから回復したばかりだぞ?」

「そうなのか?」

「あの、もう大丈夫。オレ思い出したんだ。精霊が視える事。」

「精霊が見える?あの金色の目を使ったのか?」

「「金色の目?」」

「うん?ほら魔法の系統を調べた時。集会所で使ったあれだろう?」

「うん。」

「俺は聞いてないぞ?」

「そうだったか?まぁそれを使った時に峰司(ホウジ)の目が茶色から金色に変わったんだ。」

「オレ目の色が変わってるなんて知らなかった。」

「まぁ見えて無いだろうから……ってそんな大事な事何で言い忘れるんだよ!」

「大事な事なのか?」

「精霊が見えるなんて修行を積んだ神官くらいだろ?超珍しい魔力じゃないか!」

「えっと魔法じゃなく魔力ですか?」

「はぁー。まぁ峰司(ホウジ)は知らなくて当然だけどヒダッカは授業で習っただろう?」

「そうだったか?」

「魔法の系統は五つ。その他に精霊の護り手って聞いただろう?」

「多分……でもめったに居ないって。それにその時は変なものが見えるとしか聞いてなかったしな。」

「いやいや、変なものが見えるって時点で大体分かるだろう?」

「分からん。」

「オレも良く分かって無くて上手く説明してなかったから……」


 ヒボラさんは精霊の護り手について教えてくれた。

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