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露程も知らない幻想組曲  作者: 熱帯長草草原地帯
第五章 護りたいもの
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養蜂場へ戻り

 養蜂場へ戻り罠を仕掛け終えた俺達はノアタと合流して峰司(ホウジ)を迎えに行った。

 峰司(ホウジ)は大勢の子供達、二人の母親らしき女性と一緒に庭にいた。


峰司(ホウジ)!」

「ヒダッカさん! ノアタさんとヒボラさんまでどうしたんですか?」

「次の依頼を見つけてな。ベアー討伐の依頼なんだが受けてみるか?」

「えっと……(ベアー)?倒せないけど……」

「師匠に攻撃魔法を教えて貰えるように頼んだから、やって見ようぜ!試練のポイントは8ポイントだぞ!」

「僕たち四人で受けるんだ。でも無理そうなら三人で受けても良いんだよ?」

「あっ、えっとやります!」


 依頼主の母親を呼び事情を説明する。


「そうですか、今日までと言うことですね?コノカもとても懐いて居たのに……」


 母親は残念そうにしながらも了承してくれた。

 峰司(ホウジ)のお陰で皆助かっていると感謝された。

 体調も大分回復してきて、赤んぼうもまだ小さいが順調に育っているそうだ。

 遊びに来ていた子供の親達と子育て広場としてこれからも子守をすると決めた所らしい。あとの心配はしなくて良いから次の試練も頑張ってねと応援された。

 ギルドには五日分の報酬と期間は短いが試練ポイント2つの手続きを取ってくれると言う。ノアタとロイの半日分の報酬も払うと言われたがそれは断った。


「沢山ごちそう頂いちゃったからね。」


 そうノアタが言うと母親も納得してくれた。


「コノカちゃん!」


 峰司(ホウジ)が呼ぶと女の子が一人子供達の輪から抜け出てきた。峰司(ホウジ)がお別れを言うと女の子は戸惑いの顔をしながらもうんと頷いていた。


「おにいちゃん、ありがと。」


 お礼を言ってペコリと頭を下げた。その後峰司(ホウジ)に向かって両手を広げ抱きついた。峰司は頭を撫でていた。

 子供達に見送られ俺達は家に帰った。


 ………………………………………………


 家に帰って早速作戦会議を開く。

 先ずはベアー討伐の方針を決める。


「ベアーの痕跡は一頭だったな。」

「跡は追えそう?」

「雨が降ったからな、多分追えるが確実じゃない。」

「そっかー、手間取ってその間に他のベアーが来たら最悪だね……」

「俺とヒダッカは養蜂場を見廻って近づいて来たら倒すのが良いと思ってる。」

「見てきた二人が言うなら賛成するよ。」


 峰司(ホウジ)に目を向けると戸惑いながらも答えてくれた。


「えっとオレも賛成です。」


 提案通り見廻り警戒がメインの方針と決まった。今後の予定を詰めていく。


「期間だが金木犀が咲きはじめて1週間後までだ。」

「「金木犀?」」

「依頼主のテノンさんから言われたんだけど、普通は金木犀の香りってさ虫は嫌いだろう?でもテノンさんの所の蜂は金木犀の蜜が大好物だって。金木犀の蜜なんて全然取れなそうだけどそれを集めると蜂蜜に独特の風味が付くんだってさ。」

「「へー」」

「蜜が集まったら冬眠用の安全な巣箱に移動させるんだってさ。」

「もうすぐ金木犀も咲くだろうし、その前にベアーが出てきたら倒せば良い。そんな感じだな。」

「夜も警戒するんだよね?」

「そう。養蜂場の夫婦は二人きりなのに夜も見廻りに行っててさ、疲労の限界って感じだったよな。」

「結構な広さなんだよね?夜もだと四人じゃ辛い?」

「いや、ユイムさんテノンさんも蜂を守りたいって言ってた。六人だな。だがヒボラも言ったように疲労の限界って感じだったから無理はさせたくない。昼の警戒だけ頼む様にしたい。」

「そっか、じゃぁ僕も昼の警戒チームに入ろうかな?昼間なら僕一人でも弓でなんとか成りそうだし。」

「そうだな、遠距離魔法の出来るヒボラと交代でも良いが。」

「そう言えば明日は俺、午前中にモーリット師匠に呼び出されてるんだよ。」

「ん?そうなのか?」

「急に攻撃魔法を教わることをお願いしただろ?助手をしろって。」

「そうなんだ?じゃぁ明日の朝は僕が行くよ。養蜂場の場所と罠の位置とか教えてよね。」

「ああ。それと仮眠の場所も提供してくれる事になっているから各自準備して荷物を持っていけよ。」

「「了解」」

「はい。了解、です。」


 明日は午前中に授業、そのあと仮眠をして夜間の警戒になる。

 峰司(ホウジ)にはハードなスケジュールだと思うが頑張って貰うしかない。

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