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露程も知らない幻想組曲  作者: 熱帯長草草原地帯
第五章 護りたいもの
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酔っぱらって

 酔っぱらって俺の部屋で寝てしまったヒボラを起こしギルドに向かう。


「あたま痛い。」

「呑みすぎだな。」

「お前が強すぎるから……」


 ぐったりしたヒボラとギルドに着き依頼板を見る。

 そろそろ次の依頼を決めたいが丁度良い物が出ていなかった。


「今日もダメか……」


 虚ろな視線で依頼板を見ていたヒボラが1枚の依頼票を剥がした。


「これにしよう。」

「おっ、良いの有ったか?」


 手元を覗いてみると養蜂場からのベアー()討伐依頼だった。


「ん?それは試練ポイントついてないだろう?」

「狩人向けの依頼だからな。でもそこは交渉次第だろ。」


 そんなもんか?ちょっと不安を覚えたが受付で話を聞いて見ることにした。


 養蜂場でベアー避けの柵が傷つけられた。

 まだ蜜を集めている蜂を避難させるのは難しいので至急ベアー退治をしてもらいたい。

 依頼料は蜂蜜で払いたいと言う変わった依頼だった。

 担当者は試練ポイントについては依頼主に相談してみるようにと言っていた。

 至急とついているが、依頼料が蜂蜜なので受けてくれる人が出て来ないかもと。

 条件が合えば是非受けてくれとの事だった。


「ノアタが蜂蜜好きだからか?」

「う、うん?そ、それもあるな。とりあえず依頼主の所に行こうぜ。」


 町から一時間程離れた森の中に依頼人の家は有った。

 家を訪ねたが誰も居なかったので小道を辿って養蜂場が有ると思われる方へ進む。


「すみませーん、誰かいませんかー。」


 俺達が大声をあげて進むと奥から40代くらいの男女が現れた。


「狩人さんですか?」

「はい。」

「良かったー。待ってましたよ。」


 凄い勢いで俺もヒボラも二人に手を握られた。


「えっと、依頼を受けるかの相談に来たのですが?」

「困ってるんです!助けてください!」


 逃がさんとばかりに俺達にすがりつく二人を(なだ)め、話しをさせてもらう事になった。

 二人は夫婦で養蜂場を運営しているそうだ。

 主人がユイムさん奥さんはテノンさんと名乗ってくれた。

 ユイムさんと俺で見廻りに行き、テノンさんとヒボラで話し合いをすることになった。

 養蜂場へ案内されつつユイムさんに聞くと今までもベアーに狙われた事は有るが、柵を越えて来ることは無かったと。


「ベアーは蜜蜂の天敵でしょう?うちの養蜂場は森の中だし警備は魔方陣を利用して行っているんですよ。今まで一度も柵を傷つけられた事は無かったんです。」

「そうか。」

「今年も蜂の巣箱を増やして、蜜も順調に集まっているんです。採蜜まであと少し、なんとか蜂を助けてください。」

「……」


 ここまで言われては助けると言いたくなるがヒボラの交渉次第だからな。 

 農場の廻りを歩いていると確かにベアーがいる痕跡が有った。

 柵の周りは良く二人で出来たものだと感心するくらい対策がしてあった。

 幾つか罠を仕掛ければ、目が届かない所はカバー出来そうだ。

 俺は討伐方法や警備計画等を考えながら歩いた。


 テノンさんとヒボラが合流して、試練ポイントについては問題ないとのことで依頼を受ける事になった。依頼料がはちみつで支払われるのは魔法陣を直すのに安くはない金額が掛かるためで申し訳無いと言っていた。


「四人で受けて頂けるなんて本当に助かります。攻撃魔法使いの少年にも是非お会いしたいですね!」

「ん?ああ。」


 ヒボラが目配せして来るので話を合わせる。

 さすがに準備が有るので、今日からとは行かない。しかし疲れきっている二人の為に幾つか罠を仕掛けておくことにする。

 準備をして後で戻ってくると伝え俺達は農場を後にした。


「どういう事だ?」


 養蜂場から出るとヒボラに聞いた。


「ほら、普通の子供じゃベアー討伐とか無理だろ?だから攻撃魔法使いって事にしたんだよ。」

「したんだよ、じゃないだろう……はぁ。」

「試練ポイント8も付けてくれるよう頼んだし、俺達でベアー討伐するんだから問題ないだろう?」

峰司(ホウジ)がそれで納得するか分からんぞ?真面目に試練に取り組もうとしてるからな。」

「え~。まぁ、そっか……師匠に攻撃魔法を教えてくれるようにお願いしてみる。」

「とにかく、やれるところから始めよう。」


 俺達は町へ戻るとベアー討伐の準備を慌ただしく整えて行った。

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