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露程も知らない幻想組曲  作者: 熱帯長草草原地帯
第四章 トラシ町
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食器を洗って

「こんにちは~」


 食器を洗っているとロイ君の声が聞こえた。産婆さんとコノカちゃんとオレの3人で昼食を食べた後だ。


「お迎えしてくれる?」

「うん!」


 今日はロイ君の学校が休みらしい。

 今日も大変かもしれないからって手伝いに来てくれることになった。

 午後から一緒に遊んでくれるお兄ちゃんが来るってコノカちゃんにも言っておいた。

 人見知りも大分減ったみたいで嬉しそうにお迎えに行ってくれた。

 ロイ君を産婆さんに紹介して庭に出る。

 ロイ君の持ってきてくれた縄飛びをしてたら今日も続々子供が集まってきた。

 俺はだるまさんが転んだを知っているか聞いてみたら誰も知らないって言う。俺が鬼役をして始めてみた。


「だるまさんが転んだ!」


 コノカちゃんが動いてる……て言うか手を振っている。まぁいいか。コノカちゃんを呼び手を繋いだ。

 小さい子が多いので直ぐに繋がっていき、ロイ君はじりじりと距離を詰めてきた。


「だるまさんが……」

「切った!」


 ロイ君が繋いだ手を切ると、わーっと逃げ出した。

 10数えて。


「とまーって!」


 俺は手を繋いだ人数分進み一番近くにいた子に触った。


「はい。捕まえた!」

「おもしろかった~」

「もういっかいやる~」


 みんな楽しかったみたいだ。

 捕まえた子が鬼をやるのが普通だけど小さい子だったので次はロイ君が鬼をやってくれることになった。


「ダールーマーさんが転んだ!」


 しばらく遊んでいたら産婆さんが出てきてもう少し静かにと怒られてしまった。

 すみませんと謝っていると見たことの無いショールを肩に掛けた女性が家から出てきた。


「おかぁさん!」


 コノカちゃんが急に走り出して抱きついた。

 コノカちゃんの母親だった。コノカちゃんは小さな腕を伸ばし抱き付いたまま母親を見上げその頭を撫でられるままになっている。

 コノカちゃんの母親は産婆さんに煩くは無いから遊んでいても良いと話してくれた。その後で少し庭で陽にあたりたいけどどうかしらと相談してた。

 しぶしぶって感じで産婆さんは家に戻り、コノカちゃんとお母さんは庭のベンチに座った。コノカちゃんはお母さんと手をつなぎ隣に座って居られるのが嬉しそうだった。

 許可が出たのでまたみんなでだるまさんが転んだを始めた。コノカちゃんもいつのまにか一緒に遊んでた。

 そのうちに迎えに来た親達にコノカちゃんの母親は囲まれて体は大丈夫か?赤ん坊は元気か等と心配されていた。

 父親が帰ってくると、ベンチに座る母親を見つけて驚いていたけど嬉しそうだった。

 今日も遊んだ子供達の親から大量のお礼を貰い家に帰った。


「「ただいま~」」

「おかえり~」

「おう、待ってたよ!」


 ノアタさんとヒボラさんが来ていた。


「峰司君ロイ君お疲れ様!峰司君ちびっこに大人気なんだって?」

「えっそうなのかな?……」

「今日もお土産いっぱいか?」

「いっぱいだよー!」


 ロイ君が元気に返事をして二人でテーブルにお礼の品を並べる。

 昨日より大人数だったせいで今日も大量の食べ物を貰った。

 親達も気を使ってくれたのかジャムや焼き菓子等の保存出来る物も増えた。


「よっしゃ!今日は食べるの手伝いに来たんだ。宴会だな!」

「あー蜂蜜が有る!僕、蜂蜜大好きなんだよね~」

「ノアタ蜂蜜好きだったっけ?」

「うん、言ったことなかったかな?」

「初めて聞いたな。」

「そうかも?」


 ノアタさんが蜂蜜の瓶を見つけてニコニコしながらヒボラさんと話していた。


「私はこれを開けますよ。」


 スコットさんは去年作った果実酒を数種類出して来た。ヒダッカさんもモーリット先生に渡したのと同じ熟成酒を持ってきた。


「俺はヒボラが呑みたかった酒だ。」


 オレとロイ君は、お酒に興味が有ったけどまだ早いって言われてしまった。先程貰った蜂蜜でレモネードと言うのを作ってくれた。


「「「「「「いただきます。」」」」」」


 色々な種類の料理が並びどれを食べようか悩むのも楽しい。オレは揚げられたパンに挽き肉が詰まっているのが美味しかった。

 ノアタさんはチーズに蜂蜜を掛けると美味しいって教えてくれた。

 ロイ君は今日も皿に大盛に料理を載せている。

 スコットさんに聞かれ子供たちの事を話した。ヒダッカさん、ノアタさん、ヒボラさんも依頼の事なんかを話した。

 魔法の進み具合を聞かれヒダッカさんは矢じりを作って見せることになりめんどくさそうにしてた。

 お腹がいっぱいになった頃、ヒダッカさんから横笛を聞きたいと言われた。森の中で吹いていたのを聞かれてたんだって。

 恥ずかしかったけど横笛を持ち出しオレの好きな明るい曲を吹く。ヒボラさんが椅子を叩いてリズムを取ってくれた。

 その後もロイ君とノアタさんスコットさんがフォス国のゆったりした感謝祭の歌って言うのを大声で歌い出したりして夜遅くまで皆でにぎやかに過ごした。


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