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露程も知らない幻想組曲  作者: 熱帯長草草原地帯
第四章 トラシ町
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コノカちゃんの

「おはよう?」


 コノカちゃんの家に着くと庭の木戸の前でコノカちゃんが手を振って迎えてくれた。


「えっと、おにいちゃんまってたの。」

「そっか、ありがとう。」


 へぇーなんか嬉しいな。コノカちゃんの柔らかい笑顔にうきうきしながら今日も午前中は絵本を読み、昼食後は庭で遊んだ。

 途中コノカちゃんの友達?が遊びに来た。

 産婆さんに聞くと私は知らない子だけど、うるさくしないなら庭で一緒に遊んでも構わないって事だった。

 お母さんが探してないかな?

 家に送ってあげたいけど……分からないしなぁ。

 その日は結局3人で遊んで過ごした。

 コノカちゃんも楽しそうだから良かったかな?

 夕方になっていつもより少し早めに父親が帰ってきた。

 近所の子と分かって、皆で家に送っていった。

 そして、やっぱり心配していた……そうだよね……

 怒られてコノカちゃんまで泣きそうな顔になってる。僕は慌てて母親に話してから遊びに来てくれるのは大丈夫と伝えた。子供二人が笑顔になってほっとする。

 何度もお礼を言われお土産にお菓子をもらった。

 雨が降りだしそうだから早くおかえりと言われ、今日も無事におしまいとなった。


 …………………………………………


 コノカちゃんのお父さんに言われた通り夜は雨になった。

 ロイ君のフード付マントを借りてモーリット先生の所へ向かう。


「じゃぁ続きをしようかのぅ。」


 マントを干させてもらい温かい暖炉の側に座る。昨日と同じ様に枯れ枝を持ち魔力を流す。

 木の気持ちってなんだ?と思いながらも水・土・太陽が木を育てるのを想像する。


 ポキリッ


 ヒダッカさんは硬化に苦戦しているようで先程から何本も枝を折ってしまっていた。


「ふむ、硬化したい気持ちが強すぎるのかのぅ?氷は作れそうかの?」

「はぁ……やってみる。」


 枝のさきに氷の塊が出来た。


「ふむ、ヒダッカ君は水の系統じゃったからの。それを尖らせる事は出来るかの?矢じりのようにじゃぞ?」


 ヒダッカさんはしばらく氷を見ていたけど魔力を込めるとガキッと氷が割れてしまった。


「ふむ、なかなか良いのう。」

「えっ割れたぞ?」

「破片を良くみるのじゃ、まっすぐ割れているじゃろう?」

「ああ」

「その鋭いのが大事なんじゃ。硬化と言っても堅いだけのなまくら矢じりなんて要らんじゃろう?硬く尖ってこその硬化じゃ。ヒダッカ君はアイスアローとアイスブレイドが良かろうのぅ?」

「……そう言うのも有ったな……」

「ふむ、続けなさい。」


 オレはヒダッカさんが気になって一緒に見てしまっていた。モーリット先生が振り返ったので慌てて魔力を込める。モーリット先生の目が笑っている様な気がしたけど枝に集中する。

 この枝は何の木かな?オレは桜の木が好きだな。

 空に手を上げるように伸ばした枝から可愛い花が一斉に咲く。春だなぁって見上げると青い空とピンクの花が優しく風に揺れる。


「うおっ!」

「えっ?」


 ヒダッカさんの声に慌てて意識を戻す。

 ヒダッカさんを見たらオレの方を見てるので手に持った枝を見る。


「ふむ、可愛い葉じゃのう。」


 枯れ枝からは緑の葉が伸びていた。


「ええっ!何で?」

峰司(ホウジ)君、今何を思っていたのじゃ?」

「えっと、春の満開の桜と空です。」

「ふむふむ、良いのう。続けるのじゃ。」

「はい。」


 何となくコツが掴めて、オレの枝からは葉が3枚と芽が1つ出た。

 けどそのままでは枯れてしまうらしく、モーリット先生が預かってくれる事になった。

 ヒダッカさんも鋭い氷の矢じりが作れるようになった。


 モーリット先生は休むのじゃ、と今日もお茶を用意してくれた。

 昨日は香り袋で良く眠れたとお礼を言われた。

 (ツグミ)村はどんなところか?と聞かれて答えた。

 長生きしても知らんことがあって面白いと言っていた。


 明日は天気が良ければ外で授業をする予定。

 オレは特に準備は要らないけど、ヒダッカさんは弓と矢を持ってくるようにって。


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