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露程も知らない幻想組曲  作者: 熱帯長草草原地帯
第四章 トラシ町
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家に帰ると

 家に帰るとヒダッカさんとヒボラさんが待っていてくれた。


「どうだった?」

「ばっちりだったよ!明日もよろしくって。」

「そうか。師匠も良いって言ってくれたぞ。」

「本当ですか!ありがとうございます。ヒボラさん。」


 精霊の守り(フローライト)へ向かって動き始めた。

 まずは精霊の試練のポイント集め。そして魔力の訓練。

 朝食を食べたらコノカちゃんの家に行き、帰宅。

 夕食後にヒダッカさんと魔法を習いに行く。ヒダッカさんは魔法専門の先生から習ったことがなく、ついでに教わる事にしたそうだ。僕の付き添いだけじゃなくて良かった。

 今日は一日付き合ってもらってしまったけど、明日以降は皆それぞれ村の近くで依頼を受けるつもりだって。


峰司(ホウジ)約束の温泉に行こう。」

「皆で行くぞ!」


 いつのまにか全員で温泉に行くことになっていたらしい。毎日温泉に入っていたオレは体を拭くだけじゃさっぱりしなかった。急いで準備をしようと部屋に戻るとロイ君と同じような服が上下3着づつ置いてあった。


峰司(ホウジ)?入って良いか?」

「ヒダッカさん?どうぞ。」

「それどうだ?ヒボラが選んでくれたんだ、今着ている服だとちょっと目立ち過ぎるからってな。」

「ヒボラさんが?うれしい!ありがとうございます。温泉出たら着るね。」

「気に入ったら(サイカチ)国へ持って帰ると良いぞ。」

「うん!」


 6人で連れだって家を出た。

 ロイ君と今日の依頼はどうだったかと話しつつ歩いていった。ロイ君が試練を受けたときは半年程掛けて色々な依頼を受けて20ポイントも貯めてから精霊の神殿に向かったそうだ。ポイントが多いから良いフローライトが貰えるとかでは無いらしいけど……20ポイント目標にしたいな……


 途中ノアタさんの家とヒボラさんの家に立ち寄った。

 ノアタさんは二人姉妹で荷物を持って出てくると、ノアタさんをさらに美人にした感じのお姉さんと両親が見送ってくれた。


 ヒボラさんは6人兄弟の長男で一番下8歳の双子の弟が一緒に温泉に行きたいと言い出し、一緒に行く事になった。

 きゃらきゃらと笑うアオシ君とコウヤ君を迎え8人で温泉に向かった。トラシ町の中でも行った事の無い方へ歩いていると目立つ大きな建物が見えてきた。


「着いたぞ。」


 鶇村と違い男女別々の風呂が有るそうで入り口でノアタさんと別れる。ノアタさんどうするんだろうって実は思ってた……

 中に入ると、とにかく広くて天井も高くて見上げてしまった。ヒダッカさんには精霊の神殿はもっとでかいぞと言われた。

 ロイ君に連れられて身体を洗い、湯船に浸かる。


「ふうぅ……」

「暖まるぅ」


 同時に言葉が出て笑ってしまう。

 ヒダッカさんとスコットさんはもうすでに湯船で寛いでいた。

 ヒボラさんは双子の髪を洗ってあげているのが遠くに見えた。

 お湯は少し白く濁っていて長く浸かっていても気持ちの良い温度だった。もう出るぞと声をかけられて湯船から出る。新しい服に着替えてさっぱりする。アオシ君はまだ遊び足らなそうに、着替えを手伝うヒボラさんから逃げようとしたけどさっとスコットさんに捕まってた。コウヤ君はおっとりとぼたんを留めている。

 表に出るとノアタさんも丁度出てきた。先程まで結い上げていた髪をほどき腰まで垂らしている。


「えっ髪そんなに長かったんですか?」

「うん?普段は邪魔になら無いように編み込んでるんだよ。」

「邪魔なら切れば良いのに……」

「お兄ちゃんは乙女心が分からないな~綺麗な髪なんだから伸ばしたいんだよ、ねヒボラさん?」

「うん?えっと確かにノアタの髪はきれいだぞ!うん切ったら勿体ない……それよりっ峰司(ホウジ)俺の選んだ服どうだ?ちょっと大きかったか?」

「あの、ありがとうございます。ゆったりめかもですけど着やすくて丁度良いです。」


 なんかノアタさんとヒボラさんが赤くなっているような……ロイ君がこそこそと教えてくれる。


「ノアタさんとヒボラさんは両想いだと思うんだけどお互い言い出せないんだよ。」

「えっそうなの?」

「こっそり応援してるけど進展がなくて……お兄ちゃんは鈍感すぎて気付いて無いし……」

「そっかぁ。」


 ビックリした。仲の良い友達としてしか見えなかった。当たり前だけどフォス国の人も恋をするんだよね。大男はフォス国に恋人いたのかな?家族とかもいたんだよね……

 沙葉ちゃんを思い出す。

 何も言わないで村を出て来ちゃったけど、心配させちゃったかな?帰ったら沙葉ちゃんとフォス国の話をしなきゃ。

 ヒダッカさんは好きな人いるのかな?


 変な所が欠けた月が空に登った。どの家の前にも灯りが点いて歩くのには困らない。双子は元気に走り回っている。

 来るときに見かけた商店は閉まっていたけど、夜も開いている食事処からは良い匂いと、笑い声がただよってくる。

 依頼料を受け取ったら母さんにお土産を買いたいな、珍しい物を探したい。

 少しは(さいかち)国のお金も持ってきたけどそのままでは使えなくて換金って言うのをしないといけないってヒダッカさんに教えてもらった。

 途中ノアタさんとヒボラさん兄弟と別れて4人で家に帰った。


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