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露程も知らない幻想組曲  作者: 熱帯長草草原地帯
第四章 トラシ町
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町の中心に

 町の中心にあるギルドに向かう。

 ヒダッカさんノアタさんヒボラさんも一緒だ。歩きながら試練ポイントの事を聞いた。

 試練の泉に持っていく登録カードが有って、依頼を達成するとポイント分スタンプを押してもらえる。依頼料とは別に試練の泉へ行くための試練ポイントが決まっていてその数を貯める。依頼はどれを受けても良いけど自分が出来るものを探すんだ。話していたら大きな建物が見えてきた。

 ギルドって鶇村の役場と一緒の感じなのかなと思っていたら全然違った。


 鶇村では15歳から17歳の間に色々な仕事を経験させられる。

 生涯の仕事を決める為に良く知ってから、って言う大事な時期。

 もうひとつ大人になれば、村の色々な用事を手分けしてこなす為、どんな仕事も知っておく必要が有るって。

 オレも15歳になった時に役場へ行った。

 役場は村長さん以外は当番制で、近所のおばさんが担当してくれた。


「峰司君15歳になったの。おめでとうね。今は雪掻きして欲しい家がたくさん有るから○○さん家のお手伝いしてきてね。」


 こんな感じだった。オレは2月2日生まれだから予想通りの展開だったけど。

 少し緊張して行ったのにな。


 ギルドに入ると入り口に面して○○課の受付って言うのがいくつも並んでた。その前に用事がある人の列が出来ていた。受付の台の奥では職員さんが働いていて机や椅子もたくさん有る。


峰司(ホウジ)君こっちだよ。」


 ノアタさんに手招きされ人とぶつからないようについていく。

 依頼が張り出されている依頼板の前までたどり着いた。色々な種類の依頼が貼り出されている。


「あんまり良いの無いね?」


 収穫の時期なのでどこも人手不足だそうなのだけど……

 ウルフの襲撃が有るかも知れないので、今は町の外での子供向けの依頼は無かった。


「これはどうだ?」


 子守りの依頼。

 出産後体調の悪い母親の子供を見ていて欲しいと言うものだ。

 1~2週間程の昼間だけの依頼。


「う~ん、ポイント少ないんだよなぁそれ。」


 最低でも10ポイント貯めないと試練をこなした事にはならない。この依頼は1週間で2ポイント。


「そうなんだよな。まぁそのうちに良い依頼が出てくるかもしれないが。峰司(ホウジ)はどうだ?」

「良く分かんないけど……他に無ければやるよ。」

「受けるなら、夜は魔法を教わろうか?俺の師匠に聞いてみても良いぞ。」

「魔法教わりたいです!」


 ヒボラさんの言葉に勢い込んで返事をしてしまった。攻撃魔法使いのヒボラさんの先生って凄い人なんじゃないかな?ヒダッカさんも腕組みを解いて良い考えだと頷いてくれた。


「そうだな、魔法を覚えたら受けられる依頼も増えるだろうし。」

「じゃぁ決まり?峰司(ホウジ)君依頼票を剥がして持っていくよ。直ぐに登録しよう!」


 受付で登録をして、依頼の詳しい内容を聞いた。

 体調の悪い母親と生まれたばかりの赤ちゃんは産婆さんが面倒を見ているらしい。依頼は4歳の人見知りする女の子の相手をして欲しい、と言うものだ。

 試練と聞いて緊張していたけどなんか思ってたのと大分違うな……


 とりあえずは依頼人の元へ向かう事にする。

 ヒダッカさんとヒボラさんは子供が怖がるかも知れないからとギルドの前で別れて別行動を取る事になった。

 オレより先に何人かこの依頼を受けようとしたけど、子供に泣かれてしまって諦めたって。

 ヒボラさんは文句を言っていた。でも、ヒダッカさんと2人で魔法の先生へ先に挨拶に行ってくれる。

 オレはノアタさんと一緒に地図にかかれた家を探す。ここかな?ノアタさんが家に向かって声を掛けてくれる。


「こんにちは~誰か居ませんか?」


 中から赤ちゃんの泣く声がしている。家の前で少し待たされた。

 玄関が開き髪をぎゅっとまとめた疲れた顔付きの女性が出てきた。


「こんにちは、ギルドから子守りの依頼を受けて来ました。」

「お待たせしてすみません。助かったわ、お入りください。」


 お互いに自己紹介をして女性が産婆さんだと分かる。家の中に入ると丁度赤ちゃんが寝たところだという。

 椅子の上に置かれた揺りかごの中に赤ちゃんがいる。起こさないようにと注意を受けてから見せてもらう。


「わぁ可愛い。」

「ちっちゃいです。」

「早産でね、少し手のかかる子供で大変なんですよ。なかなか他の事に手がまわらなくて。依頼を受けて頂いて助かります。お二人で受けて頂けるのですか?」

峰司(ホウジ)君一人で受けたいと思ってきました。……だめですか?」


 オレを見て納得したようにうなずき、産婆さんからよろしくお願いしますと言ってもらえた。

 部屋の隅で大人しくしていた女の子が呼ばれた。

 警戒を浮かべつつ赤ちゃんのいる椅子に掴まりこちらを向いた。ノアタさんとオレをチラチラと見てくる。


「コノカちゃんと遊んでくれるお兄ちゃんよ。」

「あそんでくれるの?」

「うん、何して遊ぼうか?」

「えっとごほんを……」

「うん、読むの?どれかな?」


 今日は顔あわせだけかなと思っていたけど。その後ぐずり出した赤ちゃんの世話で産婆さんが手一杯だと分った。

 オレとノアタさんで昼食を用意したらものすごく感謝された。

 コノカちゃんもどこに何が有るかとか教えてくれて助かった。

 人見知りはオレ達にはしなかったし。

 夕方になりコノカちゃんの父親が帰ってきて今日はおしまいとなった。

 明日からもよろしくと頼まれてヒダッカさんの家に帰る。


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