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露程も知らない幻想組曲  作者: 熱帯長草草原地帯
第二章 鶇村
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村の最上部の

 村の最上部の集会場が目的地だ。普段は余り人が来ないので丁度良いそうだ。半時くらい丘を登って開けた場所に着いた。

 振り返れば村を見下ろし、遥か遠くの青色は海だろうか。


「さぁ、お願いしますよ。」

「どうすれば良いの?」


 二人ともやる気満々だな。


「先ずは魔力を練り上げて見ようか。ホウジは身体の中を動いているのは感じるんだよな?今はどうだ?」

「うん、今も感じる。」

「ではそれを、頭から右腕、右腕から右足、右足から臍、臍から左足、左足から左腕、左腕から頭へ動かすんだ。身体を一周する細い糸くらいの流れを先ずはイメージしてみると良いぞ。」

「うん。」


「私はどうしたら?」

「いつもはどういう風に魔力を感じるのだ?」

「私は力を入れて重い物を持とうとすると全身が温かく成ります。数秒ですが普段より軽く持ち上げられます。」

「ほう、パワーブーストか。魔力の練り上げは上手な様だな。温かい力を手に集めてくれ。」

「パワーブースト?はい、やってみます。」


 二人がそれぞれに集中するのを確認する。

 その間に俺は触媒を準備だ。

 魔法を発動させるには系統に有った魔力がなくてはならない。

 フォス国では5歳くらいになると自分の系統を調べる。

 手に集めた魔力で触媒を触るのだ。

 特別な物はいらない。泉で水を汲み、火をおこし、木の葉を拾い、土を集める。

 準備が終わり一旦止めてもらう。


「ホウジどうだ?」

「難しいや、魔力が勝手に動こうとしてるみたい。」

「やはりホウジは魔力が多いんだな。小石を転がすのと岩を転がすのでは大変さが違うだろう?少しづつなれていけば良いぞ。」

「うん。」


 神妙な面持ちで二人とも聞いていた。


「先ずは俺がやって見せるぞ。先ずは魔力を手に集める。それから手を水に浸す。」


 桶に汲んだ水に手を浸すと渦を書いて回り出した。

 二人の様子を確認し魔力を解く。


「やってみてくれ。」


 父親を促す。

 少し緊張した面持ちで魔力を手に集め、手を水に浸す。

 渦を書いて回り出した。


「凄いや父さん!」

「俺と同じ水の系統か。続けよう。」

「あっはい。」


 手のひらに木の葉を1枚乗せる。

 そのまま魔力を手に集めてもらう。


「魔力が集りました。でも何もおきませんね。」

「そうだな、木と風の系統は持って居ないようだ。まだ行けるか?」

「はい。」


 今度は焚き火の前で魔力を集めてもらう。

 そのまま手のひらの魔力を火にかざす。

 何もおこらない。


「これも違うようだ。」

「はい。」

「ヒダッカさん火の系統が有るとどうなるの?」

「火力が強くなるな。魔力を込めすぎると火事になるぞ。」


 二人がぎくりっとした。


「ちなみに木の葉が震えると木の系統、浮かぶと風の系統だ。両方持ちはくるくると回りながら浮かぶぞ。では最後に土の系統をやってみようか。」


 今度は手に土を乗せる。

 魔力を集めてもらうと土が塊になった。


「おっ」

「ほう、土の系統も有るのか。」


 父親は採石場で働いていると言っていた。

 例えばウオーターカッターで石を削り出し、ストーンウォールで土砂崩れを防ぐとか?

 粉砕された石を固めて像を造る等も出来るかも知れない。

 そんな事を伝えてみた。


「それは夢が広がりますね。」

「少しづつ色々試して見ると良い。

 魔力を練って集め、イメージをしっかり持てば魔法は発動する。」

「はい。ありがとうございます。」


 魔力を消費して疲れただろうにホウジと嬉しそうに視線を交わしている。


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