↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
終わる世界で  作者: 甘水意識
PR
8/15

第二章第一節、自由

明日香は、黒柿魁(くろがき はじめ)さんと一緒にバラバラになってしまった。

僕はもう、明日香との日常を懐かしむ余裕はない。

奴らに復讐をしなければいけない。

あのとき、明日香と魁さんの方へ走ったのは、僕だけじゃなかった。

桜庭惺葉(おうば しずは)。彼女はそう名乗った。

魁さんの恋人だったそうで、魁さんの名前も彼女が教えてくれた。

僕の名前が中嶋春樹(なかじか はるき)だと告げると、惺葉さんは当然のように下の名前で呼んだ。

「ねぇ、春樹くん」

特に理由もなく二人で歩いていると、惺葉さんは口を開いた。

「はい」

「魁はね?とにかく“自由と優しさ”を大事にしてたの」

「自由、ですか?」

「うん」

「魁がずっと言ってたんだけど、『人は法律も倫理も無視して生きていいんだ。人間の本質は“自分勝手”だからね。ほら、小学生、中学生が書いた作文とか、道徳の授業の感想で、決められたルールの中で自由に、って書かれることあるだろ?こんなの二秒で矛盾してるじゃないか。ルールがあっちゃ自由じゃないだろって、僕は毎回吹き出してしまう』って」

すごいな。やばい人じゃないのか?

「えっと…」

僕が返答に困っていると、それに気付いたのか惺葉さんは、付け足した。

「あぁ、これだけ聞いたらやばい人だよね。ごめんごめん。まだ続きがあるの」

「『でもね?それでも人は法律や倫理を守るだろ?それが、人間が持っている優しさなんだ。自由の中でも優しさを忘れない。あぁ、美しいだろ?人間って』」

「完璧じゃないけど、多分こんなこと言ってたと思う。」

「私が一番辛かった時期に魁がそう言ってね。それで私、思ったの、この人と一緒にいたら変われる気がするって。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。