050_バルム丘陵の戦い その2
山頂に配備してある全ての投石機のカウンターウェイトが持ち上げられていく。麓に配備した全ての弩砲の弦が引き絞られていく。
『攻撃を開始する』とのララスの宣言が冬の冷たい空気を震わしてなお、迎撃戦が前提のローランスは動かない。
弩砲にフルメタルのボルトがセットされる。そして強化魔法が付与され、隠蔽の為に覆い被せていたダストカバーが外された。
麓の歩兵と魔導兵の混成部隊の部隊長たちから、続々と準備完了の旗印が掲げられる。
頂上を見ると、こちらも投石機に強化魔法が掛けられ、カウンターウェイトに重力魔法が付与される。
投石機を担当する各部隊長から、続々と準備完了の旗印が掲げられた。
自軍の丘を本陣から見回したランダレアが、右手を上げたままスタンバっているララスに近付き状況を伝達する。
戦場を包む、一瞬の沈黙。
「ってーーーっっ!!」
その号令とともにララスが右腕を振り下ろす。
もちろん、あの号令は昨晩の軍議で俺がララスたちに進言したものだ。
その号令とともに弩砲がボルトを斉射し、投石機が数十キロの岩を放つ。
前方、右翼、左翼にそれぞれに配備した弩砲30基のうち、それぞれ10基が火を吹く。もちろん実際に火を吹くことはないが、そう表現したくなる程には強烈な火力だった。
まず右左翼の弩砲が狙うのは、両脇の丘の斜面に沿って陣を張る重装騎兵の集団。下から上を狙うことにより、丘の斜面にほぼ平行な射線となる。
左右それぞれ10本のボルトが肉眼で捉えきれない速度で丘を駆け上がり、途中に存在する障壁――人馬をごとごとく貫通し山頂付近の地面に突き刺さった。ボルトの軌跡には爆散した人と馬の骸の山。アーマーを紙のように貫き、肉を裂き、骨を砕く。着弾時に発生する瞬間空洞で爆発したように見えるのだ。
正面の丘へは、麓付近を固く守る歩兵の集団にボルトを直撃させる。こちらも両脇同様、過ぎたる跡は10本の血の道と化していた。
続けて第二波、またそれぞれの方面に10本のボルトが放たれる。血の道が20本に増える。続けて第三波…。
30基のうち10基を一度に放つ。その後10基、またその後10基。他の弩砲が攻撃している間、他の弩砲は次弾の準備を行うことで、絶え間なく攻撃をするという戦法だ。
そんなことをしている間にも投石機から砲弾と化した岩が雨あられと降り注ぐ。
まず両サイドの丘には、麓で迎撃態勢を取る弓兵や歩兵に向かって岩を直撃させる。左右それぞれ8基。弩砲とは異なり、1基1基が時間差で攻撃することにより、止まない岩を降らせる。
そして前方の、敵本陣がある丘へは、本陣への直接攻撃は避けて周辺に陣取る重装騎兵や予備兵力を殲滅する。
通常の投石機が放物線を描いて岩を飛ばすのとは違い、魔力強化された頂上の投石機は、例えるならば野球のピッチャーのように上から岩を叩きつけて敵軍を屠っている。直撃を受ければ、元が人間なのか馬なのか分からない程の肉塊と化すだろう。
本陣のローランス他、上級指揮官と思しき何人かが暴れる馬を必死に抑えている。まるでロデオだ。あれだけ啖呵を切ったにも関わらず、手も足も出ずむざと兵を失う気持ちとは、いったいどんなものだろうか。まぁ体験したくはないが。
敵が、2万の人馬が為す術もなく赤い花を咲かせてただの肉と成り果てている。
弩砲斉射が1巡し、投石が4撃目を加えたくらいから敵軍が恐慌に陥り、大混乱に陥ったのが分かる。未知の攻撃に恐れ慄き、また各方面の現場指揮官を失い、まともな連携も取れなくなっている。
それでもララスは攻撃の手を緩めない。圧倒的火力。もはや目の前で繰り広げられる光景は戦ですらない、ただの殺戮だった。
そのまま暫く攻撃を続ける。弩砲は勿論、浮遊魔法のお陰で投石機もエイムの微調整が出来ているようだ。
そこここで降伏する部隊や敗走する兵が出てきたとき、「撃ち方止め!!」とララスが右手をさっと上げる。
そのひと言に、ボルトと岩がピタリと止んだ。
もちろん、この号令も昨晩の軍議で俺が教えたものだ。
「投降する者は武器を置いて縄につけ! 剣を取るものは殺せ! 全軍、突撃っ!!」
ララスの渾身の攻撃命令が下る。いかに敵の方が数が多いとはいえ、ここまで何もかもが崩れれば王家軍の突撃には到底耐えられないだろう。
案の定、それからの展開ももはや戦では無く、ただの残党狩りの様相を呈した。
敵両翼の重装騎兵は壊滅状態。こちらの重装騎兵の突撃を止めるものは何もなく、ただでさえ混乱を極める歩兵に止めを刺す。
正面で右往左往する敵軍がそれを見て剣を置き、跪いた。それら投降兵を主力の歩兵部隊が取り囲む。その脇を、左右を蹂躙した重装騎兵の一部と、クロスボウを装備した魔導兵を後ろに乗せた軽騎兵が駈け上がる。既に死に体となっている敵本陣守備は、騎兵の突撃と魔導兵からの強力な射撃により粉砕された。
最後に丸裸になった敵本陣を取り囲む。勝負ありだ。
ちなみに、軽騎兵の後ろにクロスボウを装備した魔魔道兵をタンデムさせるという案はランダレアから出てきた。未知の戦い方を柔軟にカスタマイズするセンスは、さすが陸軍卿と言わざるを得ない。
―◇―◇―◇―
後ろ手で縛られ、猿轡を嚙まされた敵総大将――ローランスがララスの前に引きずり倒される。
全軍突撃後、殆どの兵が武装を解いて投降した。その数およそ1万。総大将が捕えられれば戦う意味も無い。いや、本来は討ち取られない限り鼓舞して戦うべきなのだろうが、完全に戦意を喪失してしまっている。
ララスが剣を抜き、地面に腹ばいで反り返るローランスの首筋に切っ先を当てる。
「ランダレア。」とローランスを顎でしゃくる。ランダレアが心得たようにローランスに嵌められた猿轡を解く。
「この、悪魔め…! く…殺せ!」
ぉお、これが本物のくっころか。
「無様ねローランス。どう見ても負け戦、殺せというのであればなぜ自刃しなかった!! お前は、軍を率いる総大将たる器ではないわぁ!!!」
そう絶叫するや否や、ララスがローランスの顔面に前蹴りを4発喰らわせた。
開戦のときに言われたこと、めっちゃムカついてたんじゃん…。
ぐぅと、ローランスが言葉にならない呻きを漏らす。
「あなたは殺さない。今後、あなたたちは正規の手続きによって裁かれる。覚悟しておくことね。」
肩で息をし、それだけ言ってララスが剣を収める。ムカついてボコスカ蹴っ飛ばしたとはいえ、ちゃんとここで感情をコントロールできるとは、見事だ。
「その女と生き残った上級指揮官どもは鎧をひん剥いた上で罪人として急ぎ王都へ護送せよ。我々はこれからハクシーランに向けて進軍を開始する。」
ララスはそう凛と言い終えるとローランス達を冷たい目で射竦め、くるりと踵を返して天幕に戻っていった。
鎧を無理やり剥ぎ取られ、ローランスの他、捕らえた指揮官クラスの兵がこの寒空のもと下着姿で縄に括られる。
「ランダレア殿、敗走兵はさておき、捕虜はどうするおつもりですか?」
捕縛の指揮に当たっていたランダレアがこちらを振り向く。
「ひとまずは多少の兵糧と、管理の兵2千を置いて置くことにします。末端兵の士気はそこまで高くないようなので大丈夫でしょう。」
「承知しました。まぁ、サイレル領の復興、というより再編にも、人手は要りますからね。サイレル家の統治より、王家の統治を望む者も多いでしょう。今のサイレル領は、不正による貧富の差が大きすぎますから。」
「左様です。まぁ、この者共を取り返そうとする兵はおらんでしょう。ツカサ殿、気になるのであれば捕虜を集めているところに行ってみるといいですよ。」
「貴様、知った様な口を…!」
おやと声のした方を向くと、下着にひん剥かれて後ろ手で縛られているローランスが俺を睨んでいた。
「なんでしょうか?」
「何者かは知らいけど、知ったふうな口を利くな…ぐあ!!」
「口を閉じろ!」
俺に悪態をついていたローランスが、兵に剣の柄でぶん殴られている。痛そうだ。
「ランダレア殿、お言葉に甘えて捕虜の様子を見てくることにします。」
―◇―◇―◇―
敵陣営の丘の麓に分散して投降兵たちが集められている。彼女たちはローランスたちとは違い、縄にも括られず、鎧も脱がされず、地面に座ってわりと自由にしていた。
ただ、やはり不安そうだ。とはいえ、ランダレアが言っていた通り抵抗や反撃の意志は無いように見える。
王家への反逆。ローランスたちのような指導的立場の人間に動員されただけの兵たち。士気など上がるはずもない。
それにしても――
投石機で潰され、弩砲に貫かれた死体の山に視線を移す。
やっぱりおかしい。確かにこんなに惨たらしい光景は気分が良いものでは無い。だが、逆に言うとそれだけだ。日本で生活していたときは、SNSで流れてきた『そういう映像』を運悪く目にするだけでもっと気分が悪くなったものだ。
いや、そもそも前哨戦の開戦前、双眼鏡越しに敵軍の諍いを見ていたときから変だった。双眼鏡越しとはいえ、あれはこれまで生きてきて初めて目撃した殺人現場だったはずだ。相当なショックを受けてもいいはずなのに、特になんとも思わなかった。
足元に転がる千切れた敵兵の首を持ち上げる。気分の良いものではないが、それだけだ。
(この世界に転移したときに、精神がこの世界に最適化された…とか? 赤の他人とはいえ、死体を見てなんとも感じねぇことが最適化か?? んー、分かんねぇ。解明すべきこの世界の謎に1つ追加だな。)
「ったくよぉ、食い扶持の為に軍に入隊したらとんだ貧乏くじだぜぇ。」
「ばか! ヤバスあんた声大きいわよ!」
「リーファ、お前真面目かよ。今更サイレル家に気ぃ遣ってなんになんだよ。」
「それは…そうだけど。」
捕虜集団の一角からそんな話し声が聞こえてきたので、持っていた首を丁重に置く。
? はて、どこかで聞いたような会話のテンポ、どこかで聞いたような名前だけど…。
「だいたい王家への反逆とか、んなめんどくせーことやるなっての。」
「めんどくせーってあんたね…。まぁでもそうね、私たち下っ端にとっては確かにどうでも良いことではあるわね。」
「だろ? んで結果がこの有様だぜ。笑えねぇってんだ。」
1人は胡座をかきながら悪態をつき、1人は体育座りで相槌を打っている。
あっ、思い出した。確か、ユーナとガーク商会に潜入きたときに、あの地下倉庫の哨戒に来た二人じゃねぇのか? リーファにヤバス、そしてあの会話テンポ。間違いない、あの二人だ。まさかこんなところで再会するとは。
そんなことを思いながら2人を眺めていると、不意にリーファと目が合った。と、慌ててヤバスの悪態を止めに掛かる。
どうやら俺のことを、2人の態度を見咎めている王家軍の兵士と勘違いしたらしい。
ヤバスがなんだと振り返り、俺と目が合うや否や素早く体育座りの姿勢を取る。なんだか、修学旅行の夜に生徒が夜更かししてないか部屋を見回る先生になった気分だ。
「そこの、リーファという兵士とヤバスという兵士。ちょっとこっちに来てくれないか?」
俺がそう声をかけると、リーファとヤバスが『やっちまったー』みたいな感じで俯く。リーファがヤバスに『ばか、アンタのせいよ』と文句をぶつけている。
「そこの二人! さっさと立て!!」
監視の兵が怒鳴ると、二人が弾かれたように立ち上がった。
「いや済まない、別に君たちに危害を加える気はない。ちょっとこちらへ来てくれ。」
二人が顔を見合わせ、他の捕虜の間を縫っておっかなびっくりこちらへ近付いてくる。
戦々恐々とこちらを見上げる二人。こんな場所、こんな状況で『危害を加えない』なんて言葉に価値は無い。周りの捕虜たちも固唾を飲んでこちらを伺っている。
二人とも若い。リーファは見るからに大人しそう、ヤバスは見るからにヤンチャそうな相貌をしている。見た目と言葉遣いが比例する分かりやすい奴らだ。
「いくつか確認させてくれ。お前たちはこの戦争に招集されるまでは、ハクシーランの防衛を担当していた部隊の兵士か?」
「は…はい! 私たちは、共にサイレル家陸軍第1師団魔導大隊所属の魔導兵であります! 平時はハクシーラン各所の哨戒任務に当たっておりました!」とリーファが正体の姿勢で答える。さすがにヤバスも正体している。
「ほう、魔導兵だったか。では、ハクシーランの地理に詳しいのだな?」
リーファが逡巡したが「はい!」と答える。なかなか聡い子だ。
そちらはどうだ? とヤバスに水を向けると「はい! 同じく!」と堂々としている。なかなか肝の座ったヤツだ。
いや、リーファは『正直に答えていいのかしら』と一瞬考えた上で生来の真面目さから正直に答え、ヤバスは『王家に乗ったほうが生き残れるぜ』という打算のもと答えたというべきか。
まぁなんにしろ、今の質問でこれから自分たちに課せられる役割は分かったはずだろう。
「では次の質問だ。変なことを聞くようだが、リーファとヤバス、君たちが徒手格闘で闘ったらどちらが勝つ?」
さすがに聞かれていることの意味を測りかね、2人が固まる。が、「リーファです!」とヤバスが回答してくれた。
うん、そうだろうそうだろう。
「では最後の質問だ。リーファ、君の出身は現ハクシーラン、旧オーマチ領か?」
リーファが驚いたように一瞬たじろぐのも、「はい! その通りであります!」と回答する。
やっぱりか。生きててくれて何よりだな。
「分かったありがとう。二人とも、このまはま私についてきてくれ。会わせたい人がいる。」
―◇―◇―◇―
「ツカサ殿、どうされましたか? それに、その者たちは?」
ランダレア他、数名の指揮官たちと打ち合わせ中のララスが怪訝な顔をする。
ここは総大将天幕。そこに2人を連れてきた。
「こちらはリーファと、それからヤバスという、サイレル軍の魔導兵です。」
敵軍の魔導兵、と聞いて周囲の近衛兵が一斉に剣の柄に手を遣る。
「いえいえ、彼女たちに敵意はありません。ただ少し、ハクシーランでの道案内役が必要かと思いまして、たまたま捕虜になっていた知り合いを連れてきました。」
「確かに我々はハクシーランの地理に詳しくなく、内部の構造に詳しい者を探しているところでしたが、その者たちがそうだということですか?」
「はい、彼女たちは平時、ハクシーランの各地を哨戒していたようです。」
一同の視線を一身に受ける二人が、見るからに緊張している。
目の前にはついさっきまで戦闘していた敵総大将と高官たち。リラックスしろという方が無理な話だ。
「ツカサ殿、お話は分かりましたが、その兵たちとどのような関係なのですか?」
「まぁ、私が一方的に知っている者たち、としか言えませんが、全く知らない敵兵を登用するよりもマシかと判じて連れてきた次第でございます。ガーク商会内部の哨戒なども担当しておりましたので、その他の建物にも詳しいかもしれません。また翻意については、心配ないかと。こちらのリーファは旧オーマチ領出身で、かつサイレル家より旧オーマチ子爵の統治を支持する者です。またこちらのヤバスは思想より実利を取る人間です。負けたサイレル家に未練は全く無いようです。」
俺の説明に二人が目をパチクリしている。なぜそんなことを知っている? といわんばかりの表情だ。
ランダレアが二人を威圧するように睨めつける中、ララスが二人の前に立つ。
「リーファ、ヤバスといったか。これから我が軍はハクシーランに攻め入りヤーライル他、関係者を捕縛する。そのため、お前たちにハクシーラン内部の案内を命ずる。ただし、少しでもおかしな動きをしてみよ。その場で首を刎ねる。よいか?」
「「はい!」」
青い顔をした二人から、気持ちいいほど揃った返事が天幕に響く。うん、これでよし。
「翻意からくるおかしな動き、とは違うのですが、ここのヤバスは少々手癖が悪いため保管している糧食などを勝手に食べてしまうかもしれません。リーファ、ちゃんと監督するように。」
「え? あ、は、はい! ヤバスのことは、お任せください!」
リーファの声が裏返る横で、ヤバスの顔色が更に悪くなる。ちょっと意地悪だったかもな。
「ところでララス殿下、私はこれからどうすればよいでしょうか。戦闘は終わりましたし…」
「あ、そうでしたわね。ツカサ殿はローランス達を王都へ護送する部隊と合流し、帰っていただいて問題ありません。ただ、投石機を3基、弩砲を10基ほど置いていっていただけますか? こんな状況で籠城は無いでしょうか、一応念のため持っていきたいのです。」
「承知いたしました。それらは置いていきましょう。ただちょっと疑問なのですが、ハクシーランは湾港都市。ヤーライルやその他悪巧みをしていた連中は、海から共和国へ亡命するのではないですか?」
「そのことについては心配ございません。」
話を聞いていたランダレアが割って入って来る。
「インバイト海軍がラガン湾周辺に展開しているはずです。」
「え? では、ラガン湾で海戦が起こってしまうのでは??」
帝国への牽制のため、インバイト海軍の軍船全てが来るわけじゃないだろう。海戦になれば向こうの方が数的に有利のはず。
俺の焦りをよそに、ランダレアが相貌を崩して教えてくれる。
「いくら船があっても搭乗する陸軍兵がいなければ、軍船などただの大きな木の箱ですよ。ご心配には及びません。」
あ、そうか。この世界の海戦は船同士が戦うのではなく、飽くまで船上での白兵戦だったっけか。なら問題ないな。陸軍兵の殆どはここにいる。
「ランダレア殿、いつも基本的なことをご教示いただきありがとうございます。そうですか、であれば安心ですね。陸からも海からも逃げられず、正に袋のネズミかと。でも、よくインバイト軍が海軍を派遣してくれましたね。」
「それはツカサ殿のお陰です。」とララス。
「陛下からの伝書では、ツカサ殿が施したクリムノーラ殿へのご指導に対するお礼、と書かれてありました。」
クリムノーラをシバいたのは、かなり影響がでかかったようだな…。
「あ、まぁ、それはなんというか…。まぁ、良い方向に転がったのなら何よりですね…。」
「アマス公爵から陛下への書簡を見た時には、このランダレア、年甲斐も無く陛下と笑い転げてしまいましたぞ。」
カカカ、と豪快にランダレアが笑う。クララと同じことを言っている。やはりサイレル家とは違い、インバイト家とは盟友のような関係なのだろうか。
「ということですのでツカサ殿、ローランスたちの護送を宜しくお願いいたします。」
「承知いたしました。」
ふぅ、やっと帰れるぜ。




