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輝星のグランギルド  作者: yuuberu
1章 学園編
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第12話 2人の出会い

ライキ「はぁ……くそ、全然寝れねぇ……。」


つい独り言がでてしまった。4人でギルドを作るって話がまとまったのは良かったが、すでに夜も遅くなり、不本意だが研究所で夜を明かすことになった。研究員たちは俺の属性の目の爆発と、ユキトの攻撃で誰も目を覚ましていなかった。牢屋に入れてるので安心して眠れる…と思ったが、床は想像以上に硬くて冷たい。眠れるわけがなかった。体を起こして周囲を見ると、シュートとユキトはすやすやと寝息を立てていた。


ライキ(……なんであいつら、こんな状況で寝れるんだよ……。)


すると、不意に後ろから声がした。


アスト「あれ…ライキさんも目が覚めたの?」


振り返ると、アストが壁に寄りかかってこちらを見ていた。


ライキ「アスト君も寝られなかったのか。」


アスト「うん。ちょっとね……やっぱり床が固いから、体が痛くなっちゃって。」


ライキ「だよな……俺もそんな感じだ。」


そう言って、俺もアストくんの隣に腰を下ろし、背中を壁に預ける。無言のまま、しばらく二人で同じ夜の空気を共有した。


アスト「……あ、そうだ。これを返さないと。」


そう言ってアストくんがポケットから取り出したのは、シュートがくれたあのペンダントだった。


ライキ(そう言えば…攫われた時に落としてしまったんだよな。)


アスト「無くしたらいけないと思って…ずっと持ってたんだ。」


ライキ「そうだったのか。ありがとう。」


俺はペンダントをつけた。やっぱりこれがあるとどこか安心する。


アスト「大切な物なんだよね?シュートからもらったって聞いたよ。」


ライキ「あぁ、あいつが初めてくれたプレゼントなんだ。俺、この目のせいでエリューレア国では友達なんてできなかったんだ。だけど、シュートだけは唯一友達でいてくれて、ずっと俺のそばにいてくれた。だから、プレゼントをもらった時は、本当に嬉しかったし、これは俺の大切な宝物なんだ。」



———



今から5年前のこと。小さい頃から嫌われてた俺は、自分の家しか居場所がなかった。外にでても、みんな俺の姿を見ると逃げるようにどこかに行ってしまう。話しかけても怖がられて無視される。そんな生活が続いて、俺はいつしか家から出なくなった。両親は俺のことを大切にしてくれる人で、いつも俺の属性の目のことを考えてくれたり、俺の心を支えてくれていた。


だけど、そんなある日、母が突然体調を崩してしまった時があった。ずっと俺の面倒を見たり、周りからも非難されたして、ストレスが溜まっていたんだと思う。それを見て俺は、居ても立っても居られなくなり、家を飛び出して近くの森に向かった。森には薬草や、栄養のある果物があることを知っていたから、それを取って持って帰ろうと思っていた。


シュート「うわぁぁ!?」


その時、俺の耳に誰かの悲鳴が聞こえてきた。何事かと思い、俺は声の方向に向かった。すると、そこにはゴブリンに襲われていたシュートがいた。


ライキ(な、なんでこんなところに俺と同じくらいの子供が…!)


シュート「こ、来ないで…!」


ライキ「くそっ…!おらぁっ!」


俺は考えるよりも身体が動いていて、気づけばゴブリンに向かって思いっきり殴っていた。


「ギャァッ!」


ライキ「ウグっ!?」


しかし、ゴブリンも反撃をするように、持っていた大きな木の棒で俺を殴ってきた。当時の俺は引きこもっていたせいで、体力もなく、身体も鍛えていなかったため、攻撃を避けれず頭に思いっきり攻撃を喰らってしまった。


ライキ(や…ばい…!)


頭から血が流れ始め、俺はその場に倒れてしまった。その時初めて血が出てくるのを見たから、死ぬんじゃないかと恐怖を覚えた。だけど、ゴブリンは追い打ちをかけるように、倒れた俺にまた殴りにかかってくる。


ライキ(あ…ぶない…!)


俺は振り下ろされた棒を何とか掴む。そのまま棒を奪おうとするが、ゴブリンも必死に抵抗をしてくる。


ライキ(くそ…力が強い…!……っ!そうだ!)


ライキ「雷を…喰らえっ…!!」


咄嗟に魔力で雷の力を貯めた。俺は属性魔力が雷だったので、雷の魔法にはそれなりに得意だった。


「ギャァァァッ!?」


電流が木の棒を伝って流れていく。そのおかげでゴブリンは痺れ、木の棒を離した。俺はすぐさまチャンスだと思い、木の棒に魔力を込めながら、思いっきり木の棒をゴブリンにスイングした。


ライキ「いっけぇぇ!!!!」


「グギャァァ!?」


ゴブリンは吹き飛び、大木に頭から直撃した。そのままゴブリンは倒れてピクリとも動かなくなった。


ライキ(な、なんとか…倒せたのか…。)


俺はその場に座り込んだ。初めて戦闘をして、疲れがいっきにきた。


ライキ「その…大丈夫か…?」


俺はまだ怖がっていたシュートに話しかけた。


シュート「お、俺は…大丈夫…です。で、でも君の頭から血が…!」


ライキ「俺は…大丈夫だ。」


シュート「そんなわけないじゃないですか…!は、早く止血しないと…!」


そう言って、シュートは持っていた小さな鞄から、包帯と薬を取り出す。


ライキ「君…治療できるのか…?」


シュート「い、いや…簡単なことしかできないですよ…。でも、これで血は止まると思います…!傷が浅くて良かった…。」


処置ができたシュートは一息ついていた。


ライキ「それより…君はどうしてこんなところにいるんだ?」


シュート「え、えっと…俺の祖母が病気になっちゃって…いつも俺に優しくしてくれるから、好きな果物でも取ってきて元気づけようと思って…。」


ライキ「…はは。何だ、俺と一緒か。」


シュート「えっ…?一緒?」


ライキ「俺も…母さんが寝込んじゃってさ、薬草とか、果物とか、その辺を取ってきてあげようって思ってたんだよ。」


シュート「そ、そうなんですね…!じゃあ…俺と一緒に薬草と果物を探しに行きませんか!」


ライキ「…は?俺と…?」


シュート「はい!あっ…もしかして迷惑ですか…?」


俺はシュートの言っていることに困惑した。そんな提案をされたのは、人生で初めてだったから、言葉が出てこなかったのを今でも覚えている。


ライキ「いや…その…お前俺のこと知らないのか?俺は…属性の目を持ってるんだぞ…。怖くないのか?」


シュート「えっ!?き、君が噂の悪魔の目を持つ…!?」


やっぱりそうなると思った。俺のことを知れば、誰でもそんな反応になるに決まってる。また同じような態度を取られると思ったけど、シュートは違った。


シュート「…でも、悪い人とかではないですよね?」


ライキ「…は?」


シュート「あの悪魔の目を持ってたとしても、それで悪い人とは限らないし、事情だってあるかも知れないし…というか、身を挺してまで俺を守ってくれた君が悪魔と契約してるなんて俺には思わないですよ!」


ライキ(な、何…言ってんだ…こいつ…)


シュート「あ、えっ!?な、何で泣いて…!?俺何か言っちゃいました!?」


自然と涙が溢れていた。誰も、契約なんてしてないって言っても、信じてくれるのは両親だけで、他の人には恐れられて話すら聞いてもらえなかった。だから、あっさり信じてくれたシュートが、俺にとっては救いになった。気づけば、俺はシュートに今までのことを話していた。孤独で育ってきた俺にとって、シュートはかけがえのない存在だった。シュートも、ずっと話を遮ることなく最後まで聞いてくれて、俺にとっての唯一分かってくれる理解者になってくれた。


シュート「そう…なんだ、辛かったよね…。」


ライキ「…ごめん、初対面なのにこんな姿見せてしまって…。」


シュート「何で謝るんですか…!辛い思いをしてきたのは君なのに…!」


ずっと誰も信じてくれないと思っていたから、他人と関係を作るのはやめようとまで思っていた。だけど、シュートだけはそんな俺の想像を壊してくれた。それが本当に嬉しかった。


シュート「…そうだ!これをあげます!」


すると、シュートは鞄の中から、綺麗なオレンジ色の宝石を取り出した。


ライキ「えっ…こ、これって…。」


シュート「魔光輝石っていう宝石です!さっきたまたま拾っちゃって…。良ければ受け取ってください!」


ライキ「い、いや…そんな綺麗な宝石…ホントに良いのか?」


シュート「もちろん!これは、俺と君がここで出会って、友達になった証です!」


ライキ「とも…だち…。」


シュート「あっ…!す、すみません…流石に気が早かった…ですかね…?」


ライキ「…いや、そんなことない。でも…良いのか…?俺と友達になって…。もしかしたら、君も…俺と一緒にいるせいで、無視されたり非難されたりするかも知れないんだぞ?」


シュート「そんなの怖くないですよ。俺は、初対面なのに誰かのために頑張れる君がとてもカッコいいって思ったんです。だから誰でもない君と友達になりたいんです。」


ライキ(お、俺が…カッコいい?)


そんなことを言われたのは始めてだった。シュートは、俺の空いていた心をずっと満たしてくれている。俺は、こういう人を探し続けていたのかも知れない。だから、自然と俺もこんな人と仲良くなりたいと思った。


ライキ「お、俺も…君と…友達になりたい…。」


そう言って、俺は宝石を受け取った。彼がずっと触っていたからかは分からないけど、宝石はすごく暖かかった。


シュート「ホントですか!?やった!あっ…そう言えば…名前を言ってませんでしたね。俺はシュート・フォクセル!」


ライキ「ライキ・イナガキだ。…よろしくシュート。」


シュート「はい!よろしくお願いします!ライキさん!」


これが、俺が心の支えになった人物、シュートとの出会いだった。


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