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輝星のグランギルド  作者: yuuberu
1章 学園編
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第10話 炎の体

視点 シュート



シュート「ライキ!!」


俺はすぐさまライキに駆け寄ろうとした。服は破けていて、身体中に切り傷や焦げ跡がある。


ユキト「ライキ!大丈夫か!?」


すぐ後ろから、アストさんとユキトさんもやってきた。


ライキ「なんで…ここに…。」


アスト「ちょ…ちょっとまって…!今傷を治すから…!」


そう言ってアストさんはライキに近づく。


ライキ「ま、まって…くれ…。今は…近づくな…。」


アスト「えっ…なんで…?」


しかし、ライキはアストさんを静止させた。そこで、俺はあることに気づいた。いつもつけている眼帯がない。それはそうだ。あの爆発を起こしたのがライキなのだから、眼帯を外してどうにかしたのだろう。


シュート「や、やっぱりあの爆発はライキがやったんだ…。」


ライキ「わ、わるい…。こうでも…しないと…。うっ…!」


その時だった。


ライキ「うっ…あっ…アァァァァッ!」


ライキの目に、突如電気のようなものが走りだし、胸と目を押さえて苦しみ始めた。


ユキト「な、何だ!?部屋中に電気みたいなのが…!」


アスト「まさか…属性の目の暴走…!?」


シュート「ま、まずい…ライキ!早く眼帯を…!!」


ドクトル「ふふふ…ははははは……!」


その時、聞き覚えのある声が聞こえてきた。


シュート「い、今の…声って…!」


ユキト「誰だ!」


ドクトル「くくく…まさか…本当に悪魔の目ではないとは…驚いたよ。」


アスト「オルドフェクス研究員…!?あの爆発を受けても意識がある人がいるなんて…!」


俺は一歩後ずさる。今までで1番会いたくなかった人。俺にトラウマを植えつけて、ライキを傷つけた人物がそこにいた。


シュート「ど…ドクトル…。」


ドクトル「まさか君にも出会うとはね…シュート君…。本当に…君たちには、あの時みたいに驚かされる…。」


ユキト「あの狼の獣人を知ってるのか?」


シュート「あいつは…昔研究員に俺たちを拷問するように指示をした張本人です…!」


アスト「えっ!あ、あの人が…!」


ユキト「そうか…お前が…!」


ドクトル「あぁ…。いかにも、私が拷問をするように指示した張本人だよ…。君たちは…どうやってここが分かったのかな…?」


ユキト「答えるわけねぇだろ!」


ユキトさんは剣を取り出し、刃先をドクトルに向けた。


ドクトル「くくく…最近のガキというのは…本当に良い目をしている…。それよりも…今の君たちにはやるべきことがあるのではないかな?」


ドクトルはライキを指差した。今にも、ライキは力が暴走しそうになっている。


シュート「っ!ライキ!」


ライキ「ウグッ…グアッ…。」


シュート「が、眼帯はどこに…!」


ドクトル「それは…これのことかね…?」


そう言うと、ドクトルはポケットからライキの眼帯を取り出した。


ドクトル「つい拾ってね…これは大切なものかな…?」


ユキト「あ、あいつ…!」


シュート「なっ…!か、返せっ!」


ドクトル「ははははっ…!そう慌てるな…貴様らには…流石の私でもこれ以上は感情を抑えられそうになくてね。何度も何度も…この私の邪魔をしてくる貴様らには…ここで私と道連れになってもらった方が良さそうだ。君たちの…大切な友達の手によってね!」


アスト「これ以上ライキが暴走したら、ライキの身体と魔力が持たない…それにあんな爆発がまた起きたら僕たちも…。」


ユキト「くらえぇーっ!!」


その時、ユキトさんが剣を持ってドクトルに向かって走り出した。


ドクトル「おっと…それは無駄だよ。

闇魔法 シャドウバインド」


ユキト「うわっ!?」


しかし、ドクトルが魔法を唱えると、ユキトさんの影から黒い鎖のようなものがでてきて、ユキトさんを縛りつけてしまった。


ユキト「な、なんだこれ!?う、動けねぇ!」


アスト「や、闇魔法…!?」


ドクトル「私は闇魔法を扱うことができてね。少し妨害をさせてもらおう。」


ユキト「くそっ…!」


ユキトさんは何とか動こうとするが、鎖は想像以上に硬く全く動けないようだった。


ライキ「ガッ…アアァッ!!」


ライキの暴走が少しずつ酷くなっていく。もう時間がない。


シュート(ど、どうにかして助けないと…!でもどうすれば…)


アスト「…こうなったら…魔法で…!」


するとアストさんの手から、綺麗なアメジストが出てきたと思うと、ライキの目から何かを吸い取り始めた。その吸い取ったものはアストの体に入っていく。


アスト「うっ!?ぐっ…うぅぅ…。」


シュート「な、何をやってるんですか!?」


アスト「一時的に…ライキの属性の目から魔力を吸い取ってるんだよ…。でも…かなり多くて…吸収が追いつかない…!」


シュート「そ、そんなことしたらアストさんも危ないですよ!」


アスト「僕は…大丈夫…!それよりも…シュート…!早く…あいつから眼帯を奪って…!」


シュート「で、でも近づいたら俺もあの魔法で縛られるんじゃ…。」


アスト「いや…確かあの魔法は…1人しか捉えることはできないはずだよ…!ユキトに魔法を使っている以上、シュートには使えないはず…!」


シュート「そ、そうなんですか…?」


アスト「うん…!だから…早く…取り返して…!」


俺はライキを見た。アストさんが魔力を吸収してくれているおかげか、暴走が収まりつつあるが、それも長くは持たないはずだ。


シュート「お、俺は…」


ためらいが出てしまう。本当に俺なんかでドクトルに敵うのだろうか。


ドクトル「まさか…この魔法の性質を知っている者がいるとは思わなかった…。しかも…魔力を吸収することできる力があるとは…。」


ライキ「グゥッ…ガアッ…!」


ライキはずっと苦しそうにしている。ユキトさんはドクトルの魔法で動けない。アストさんはライキを魔力暴走を抑えてくれている。今、ライキを助けることができるのは俺しかいない。


シュート「眼帯を返してください…!」


俺は覚悟を決め、懐から剣を取り出した。


ドクトル「…はははは。そこの混合種ならまだしも…君に負けるとは到底思えない。今のこの状態でも…私は勝てる自信があるぞ!守られてばかりの君がこの私に勝てるのかな?」


シュート「…勝ちますよ!もう俺は…守られてばかりの弱い俺のままでいたくない!」


ライキの爆発を喰らって弱っているはずなのに、ドクトルはユキトさんの動きを止めるほどの力はまだある。きっと力量差はあるかも知れないが、それでも俺はこれ以上止まり続けたくはなかった。昔は何もできなかったけど、今は違う。あの時みたいに守られてばかりじゃない。次は、俺が守ってみせる。


ドクトル「なら…力尽くで奪ってみろ!

炎魔法 ルインフレア!」


ドクトルが放った炎は瞬く間に俺を包んだ。辺り一帯が炎に包まれる。


ドクトル「ルインフレアは炎魔法の中でも上級レベルの魔法…当たれば灰すらも残らない!昔のように弱い君ではどうしようも…」


ユキト「…おいおい。何勘違いしてるんだよ。」


ドクトル「…何?」


ユキト「そうか…お前は知らないんだな。あいつの強さを…せめて炎じゃなくて別の属性だったら良かったんだけどな。」


ドクトル「何を言ってるんだ!今確かに私の魔法は彼を燃やし尽くして…。」


シュート「でやぁぁっ!!」


俺は炎の中を走り、ドクトルの前に姿をだした。それを見て、ドクトルが驚いた顔をする。


ドクトル「な、何!?な、なぜ!あの炎の中を平然と…!」


シュート「これが俺の能力だ!くらえっ!ドクトル!

炎魔法 ブラストフレイムエッジ!」


炎の刃を複数作り出し、それをドクトルに向かって放った。


ドクトル「まさかユニーカーだったとは…ちっ、こんなもの…水で…!

水魔法 アクアウォール!」


ドクトルは水の壁を作り、消火を図ろうとしたが、俺の炎は水を貫通した。避けようしたドクトルだが、とっさのことでうまく避けれず、炎の刃はドクトルの右腕に命中した。そのおかげで、ユキトさんにかかっていた魔法も解けた。


ドクトル「ぐはぁ…!?な、なんだこの火力は…こ、ここまでの火力…普通の子供が出せるわけ…!」


シュート「俺の能力、<炎の体>は炎系統の魔法を喰らった時、そのまま魔力を吸収して自分の力に変えれるんです。つまりここまでの火力がでてるのは、あなたのさっきの魔法の魔力が俺の魔力が上乗せされたからなんです。」


ドクトル「ぐっ…ど、通りで…。」


シュート「返してもらいますよ…。ライキの眼帯を…。」


ドクトル「くっ…ま、まだ…だ!」


ユキト「氷魔法 アイスロック!」


ドクトル「なっ…!?これは…氷!?」


その時、起き上がって逃げようとしたドクトルの足から氷が現れた。みるみるうちに足を包み、ドクトルは完全に動けなくなってしまった。


ユキト「アストに頼んで魔法の練習をしていて良かったぜ…。さっきはよくもやってくれたな…。これはお返しだ…!」


ドクトル「こ、こんなもの…私の炎で…!」


ユキト「遅いぞ。」


ドクトル「なっ…!」


ユキトさんはドクトルの手からライキの眼帯を取り上げた。


ユキト「受け取れシュート!」


そう言って、俺にめがけてライキの眼帯を投げた。俺はそれをキャッチして、急いでライキの目につけた。


ライキ「…っはぁ…はぁ…。」


アスト「うぅ…。」



バタッ



しかし、眼帯をつけた瞬間、目の暴走は収まったが、2人は倒れてしまった。


シュート「ら、ライキ!アストさん!」


俺は2人を起こそうとするが、体を触った瞬間、手にバチっと電流が流れたような痛みに襲われた。


シュート「いたっ…!?」


シュート(電気…!?ど、どうして…?)


おそらく、雷の魔力が魔法として放出されなかったため、その分の魔力が電気となり、体から抜けようとしているのかもしれない。


シュート(これじゃあ起こすどころか触ることすらできない…ど、どうしよう…。)


ユキト「大丈夫か?シュート。」


シュート「あっ!ゆ、ユキトさん!その…2人の体に電気みたいなのが流れてて触れないんです…。」


ユキト「うおっ…確かにすごい電気の量だ…これはしばらくは動かせないかもな…。」


シュート「そう言えばドクトルは…?」


先ほどから声が聞こえなかったので、ユキトさんに聞いてみた。


ユキト「ん?あぁ、あいつなら氷漬けにしても炎で溶かそうとしてきたから、氷ごと投げて気絶させておいたぜ。ほらそこで伸びてるだろ?」


シュート「あぁなるほど。通りで…えっ…氷ごと…投げた?」


ユキト「ん?そうだぞ?」


俺は振り返ってドクトルの方を見た。そこには足元に大きな氷をつけて仰向けに倒れているドクトルがいた。


シュート「えっ!?か、かなりデカくないですか!?オークぐらいの大きさはありますよね!?あれを投げたんですか!?」


ユキト「おう。あれくらい軽い方だろ?」


アストさんから、「ユキトはホントに力が強すぎる…」とか言っていたのを聞いてはいたが、強いとかいう次元ではなかった。竜と狼の力があるとはいえ、さすがに力がありすぎる。とはいえ、ドクトルにこれ以上暴れられても困るのでこれで良かったのかもしれない。


ユキト「まぁあれくらい大丈夫だろ。しばらくは目を覚さないはずだしな。」


シュート「そ、そうですね。とりあえず…どうしましょうか…。」


ユキト「外はもう暗いはずだ。今帰ろうとしても、迷子になったりモンスターに襲われるかもしれない。しかもこんなところに助けが来るとも思わないしな…。仕方ない、ここで1泊するしかないかもな。ここなら雨風も凌げるし。」


シュート「こ、ここで1泊するんですか!?」


ユキト「しょ、しょうがないだろ…?かなり奥深くまで森に入ってきたからな。しかもここは地下だ。モンスターが来ても足跡が響くからすぐに気づけるし、安全な場所でもあるんだよ。」


シュート「で、でも…ここはここでオルドフェクスが…。」


ユキト「大丈夫だ。こいつらは全員牢屋に入れておくぜ。あの牢屋はかなり頑丈そうだしな。こいつらでも壊せないはずだ。そして朝になったら、ギルドとかに頼んでひっ捕えてもらえばいいんだよ。」


シュート「わ、分かりました。ユキトさんがそう言うなら…。」


俺はオルドフェクスの近くで過ごすことが嫌だったが、ライキとアストさんの状態が悪いのと、ユキトさんがいるからなんとかなると思い、俺はユキトさんの提案に乗ることにした。


ユキト「決まりだな!じゃあシュートは2人の側にいてくれないか?俺はここにいるクソ野郎共を全員牢屋にぶち込んでくるぜ!」


シュート(く、口悪い!?)


そう言って近くにいたドクトルを含め、6人くらいの研究員を軽々と持ち上げてユキトさんは行ってしまった。少し前から思っていたがユキトさんは悪いやつに対しての対応がすごく適当にしている気がする。もしかしたら内心ではかなり怒っていたのかもしれない。


シュート(相変わらずの力持ちだなー…。)


シュート「ふぅ…。」


俺は2人の側に座った。魔力はかなり抜けてきたようで、2人にまとう電気はもうなかった。後は2人が目を覚ますのを待つだけだ。


シュート(勝てた…俺でも…。)


昔は何もできずに、ただ見ていることしかできなかった。あの時もライキを守ることができず、むしろ守られる側だった俺が。


シュート「…俺…強くなれたかな…?」


俺は誰にも聞こえない声で呟いた。


ライキ「…お前は充分強いさ。」


シュート「えっ…!?」


俺はすぐ振り向いた。ライキはそんな俺の様子を見て、小さく笑っていた。


ライキ「なんだよそんな顔して。」


シュート「ら、ライキ…!?い、いつから起きてたの!?と、というか…聞こえてた…?」


ライキ「俺は犬の獣人で耳がいいのは知ってるだろ。ちゃんと聞こえてたさ。いつ起きたのかは…今さっき…だな。」


俺は聞こえてたのが恥ずかしくて、顔を背けてしまった。自分でも顔が赤いのが分かる。


ライキ「…いつのまにそんなに強くなってたんだよシュート。びっくりしたぞ?」


シュート「う、うん。学園に来てからアストさんに魔法を見てもらってたから…いろいろ教わったんだよ。」


ライキ「そうなのか…。すごいなアストくんは、勉強だけじゃなく、魔法もできるとか、羨ましいな。」


ライキはそう言ってアストさんの方を見た。すると、アストさんは少し縮こまっていた。どうやら夜になったのでかなり部屋の気温が下がってきているようだ。俺たち獣人は体温が高いため大丈夫だが、アストさんは人間なので、この寒さだと風邪を引くかもしれない。すると、それを見たライキはアストさんの上に自分の羽織っていた服をかけた。


アスト「…んぅ。」


ライキ「寒くなるだろうし…ボロボロになったけどないよりはマシだろ。」


シュート「ら、ライキは大丈夫なの?」


ライキ「俺なら大丈夫…ではないか。暴走したせいで反動がすごい来たから動けそうにもないし。正直、立つのもきついな…。」


シュート「えぇ!?な、なら横になってた方が良いよ…!」


ライキ「分かってるさ。でも、少しシュートと話がしたかったんだ。」


シュート「お、俺と…?」


ライキ「あぁ…俺さ、この学園を卒業したら、この大陸を出て旅をしようと思うんだ。」


シュート「えっ…えええぇぇ!?」


研究所に俺の声が響き渡った。

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