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2.水妖の贄

【作品情報】

タイトル:水妖の贄

作者  :ケンイチ

文字数 :37,068文字(全2話 完結済み)

Nコード :N3341IS



【あらすじ】

 これは二十数年前にあった連続怪死事件に遭遇した男性が、とある理由により回想して手記として起こしたものから始まる物語である。


 当時十歳だった男性(仮の名をAとしておく)には、よく行動を共にする仲の良い友人が二人いた。

 一人はずる賢い悪ガキリーダータイプのB君で、そしてもう一人がA君とB君の後をついて回るような気弱な少年C君だ。

 回想の当人であるA君はといえば、この三人の中では黒幕を気取っていると自認しており、仲が良いとはいっても仲間内の力関係みたいなものが透けて見えるような、そんな友人関係であった。


 さて夏休み前日の学校で、B君は二人の友人に一緒にバス釣りに出掛けようと提案する。

 当時小学生の間ではバス釣りが流行っており、どうしても大物を釣り上げてみたかったB君は学校から立ち入り禁止にされているS池に大物がいると聞き二人を誘ったのだった。


 斯くして、一度は邪魔が入るという一悶着があったものの、三人は「行ってはいけない」と言われているS池へと向かったのだが……。

 

========

構成の面白さ

★★★★

アクション性・アグレッシブさ

★★★★

全体的な怖さ

★★★

========


 子供というものは「行ってはいけない」「やってはいけない」をやってしまう、そういう生き物でありそれ自体は何ら悪いことではないと自分は思う。

 しかし禁忌を犯すその行動は時として思わぬ事態を引き起こす引き金になり得たり、支払う代償がとんでもなく理不尽な程重すぎたり……これはそういう話である。


 この話は作者さんもあらすじで書いておられるように、二部構成になっている。

 前編では無事大人になった主人公が手記を製作しながらその当時のことを思い出しているという内容で淡々と書かれており、後編では犠牲となった人それぞれの視点で何があったかについて書かれている。

 前編が静だとするなら、後編は動的であり読み味がガラリと大きく変化するのだ。


 特に後編はアクション性があるため、緊迫感のある展開と場面に華があるため単純に読んでて面白い。

 後編のアグレッシブな動きやスピード感のある怒涛の展開は、普段ハイファンタジーを主戦場にしている作者さんの持ち味なのかもしれない。

 「夏のホラー2025」を全部は読んでいないのだが、淡々と進行するタイプの作品が多い中で構成の面白さと共に目を引いた部分である。


 なので前編後編合わせて、是非読んで欲しいと思える作品なのである。

 前編の手記の仕掛けがあるからこそ後編でそれが花開き、結末に彩りを添えるのだから。



 さて、少しだけ余談を書くとするなら、自分はこの作品を読んで最終的に漫画で脳内補完をした。

 出てくるものが出てくるものなだけに、実写で想像するのは難しいし陳腐化するというのもあるのだが、それ以前にとある人物の怖い笑顔の描写が、漫画にしてみるとページを捲って次の1ページでドーンッとあると怖いし嫌だなぁと思ったからである。

 また怖い笑顔というのも、漫画だと自分の中にある程度蓄積があるため脳内補完しやすかったというのもあるかもしれない。

 逆に現実での脳内再現は忌避感がありすぎて躊躇われたというのもあるのかも。

 ちなみにこの場面が一番頭に残ったのと、ここから一気に動的なホラーの世界へと引っ張り込まれるので余談ではあるが書いた次第である。


 ハイファンタジーで書籍化されている作者さんの作品でもあるので、是非一度読んで頂ければと思う。

========


水妖の贄のURL

https://ncode.syosetu.com/n3341is/


Nコード

N3341IS

本文には書かなかったが、個人的にはところどころ差し込まれる釣りの描写も良かったと思う。

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