3.すいか講
【作品情報】
タイトル:すいか講
作者 :蘭鍾馗
文字数 :3,992文字(短編)
Nコード :N0174KW
【あらすじ】
西瓜を一玉丸ごと井戸水で冷やして、櫛形に切って縁側に座って食べたい。
独り者だからできないけれど。
そんな事を行きつけのバーのマスターに話したら、マスターから『すいか講』に参加しないかとお誘いを受けた主人公。
独り者同士が集まって西瓜を共同購入して、田舎の家へと持っていって皆で割って食べる……そういう集まりなのだそうだ。
酒に酔っていた事もあり、二つ返事で主人公はその『すいか講』に参加してみる事にしたのだが……。
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優しい世界・ハートウォーミング度
★★★★★
美味しさ度
★★★★
じんわりする切なさ
★★★
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夏といえば西瓜、西瓜といえば夏。
それくらい夏のイメージが強い果物(野菜)が西瓜である。
皆様、今年の西瓜は召し上がったりはしただろうか?
自分はあまりにも暑かったため、ついスーパーで櫛形に切って売られている八分の一カット西瓜を購入し、むしゃむしゃと食べてしまった。
しかもその前に綺麗に西瓜をぺろりと平らげた羆のニュースを見ていた影響が強く、何だかそれを無性に真似したくなってしまい西瓜の皮ギリギリまでを食べるという羆食いをしてしまった程だ。
味はもちろん美味しかった。
今までスーパーで西瓜を購入した事が無かったから知らなかったが、スーパーで売っている西瓜は糖度が高めなのかもしれない。
さて、今回の話は西瓜を皆で食べる『すいか講』の話だ。
西瓜という果物は、夏休みやお盆の時期に親戚や友人が集まった時に食べるもの……というイメージを抱えている日本人も多いのではないかと思う。
西瓜一玉を井戸水で冷やして、包丁で櫛型に切って、夕涼みがてら縁側に座って、種を飛ばしながら食べる。
主人公の持つ西瓜の食べ方の価値観は、昔の日本にあった原風景に根ざしており、一方でそれは現代社会で急速に失われつつあるものでもある。
実際主人公は独り身だし、井戸や縁側を持っているご家庭も少なくなっているだろうし(あるところにはあるとは思うが)、お盆の時期に大勢親戚が集まる……なんていう機会も大人になっていくうちに減っていく。下手すると元々そんなものは無いって人ももう既にいるのかもしれない。
自分も井戸水や縁側などない所で育っているので、この原風景を体験したことはないのだがサザエさん等のアニメや漫画などから知っている、というちょっと歪な形で原風景として認識しているに過ぎない。
だからか、何だか西瓜や『すいか講』に郷愁めいたものを感じてしまうのだ。
さて、この話は幽霊の男の子が出てくるのだが別に怖い話ではない。
と、作者さんもヘッダー部分で書かれている通り、どちらかというと幽霊はちゃんと出てくる系の心温まる優しい話である。
なので怖がりの人も安心して読める系のホラー作品なのだ。
作品の完成度もとても高い(むしろ完璧と言っても差し支えない気がする)ので、是非一度読んで見て欲しい。
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すいか講のURL
https://ncode.syosetu.com/n0174kw/
Nコード
N0174KW




