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10.罪入り御前

【作品情報】

タイトル:罪入り御前

作者  :海の字

文字数 :1,711文字(短編)

Nコード :N0989KT



【あらすじ】

 ゲテモノ料理が得意で妖専門の庖丁人である主人公は、はじめて人魚を調理することになる。

 お上様が食べる一品であるため主人公は頭を悩ませるのだが……。

 さて……人と魚、どこを調理するべきなのか?


========

シュール

★★★★★

グロテスク

サイコパス

★★★

========


 人魚と言われて皆さんはどういった人魚像を思い浮かべるだろうか?

 やはりアンデルセン童話の人魚姫だったり、最近であればディズニーの人魚姫「アリエル」なんかを想像する方も多いのではないだろうか?

 髪の毛が胸元まで伸びている美少女形態の上半身と、ピチピチとはねる魚形態の下半身を持った麗しい人魚。

 世間一般でまず思い浮かべられる人魚像は、今はこういうものになっていると思うのだがいかがだろうか?


 とはいえ、実は日本の人魚像は先にあげた例だけではなく他にも様々にあるのである。

 例えば、魚の顔部分に人間の女の顔が付いている人面魚のようなものとか、魚に人間の手足が付いている奇妙なものとか……。

 当然であるが絵を描いた人は人魚そのものを見たわけではなく、犯人のモンタージュを作成するが如く口頭で説明されたものを絵に描いたに過ぎないのでこういう面白いものが出来上がったと思うのだが、一応日本ではそういう絵も残されていたりするのだ。


 さて、なんでこんな話をするのかというと、今回の話の時代設定が現代ではないからであり、更にちょうど自分が初夏頃に人魚伝説の本をちらーっと読んでいてそれが頭にあったからなのである。

 その本の表紙には竜宮城の屋内らしき場所で調理される寸前の人魚と、調理しようとする貝の精と魚の精がおり、どうにもそのシュールな絵と今回の話が強烈にリンクしたのだ。

 そのため、今回の話は実写や写実的な絵ではなく、そのトボケたようなゆるキャラな巻物の絵で再現されてしまったので、一応この事を書いておきたかったがために触れたのである。



 さて、今回は代々庖丁人として宮廷仕えしている家系の中で、さらに妖専門の庖丁人としてお上に仕えている男が主人公であり、彼の語りによって話は進んでいく短い物語である。


 人魚を調理するというグロテスクな内容でありながら、そう感じさせないのは彼の語り口が軽妙洒脱であり、おどろおどろしく感じさせないためだろうか。

 更にサイコパス風味の、あまり人間味を感じない人格もシュールな仕上がりとなる事に一役買っているように思う。

 最初から最後まで不思議な感じで、読後感も「良かったね!」と謎に思える作品であるのが良かった。

 自分としてはNHKのEテレとかでありそうなアート系短編作品として脳内再現されたのだが、皆様だとどうなるだろうか?(個人的には朗読でも聞いてみたい感じはする)


 気になったら、是非一度読んでみて欲しい。

========


罪入り御前のURL

https://ncode.syosetu.com/n0989kt/


Nコード

N0989KT

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