ダラダラっと第二十三回!
「あれから一週間。短かったような、長かったような?・・・やっぱり長かったよ…私が何をしたと言うの…」
「何をって…この町を救った女神様だよ?トワは♪」
「それ、みんなが否定しないでむしろ面白がって肯定したせいで広がったんじゃない!特に、お姉ちゃんが率先して広めたでしょ!?」
「私はそんなことはしてないよ?ただ、トワは女神の様に美しくて可愛い私の妹だと言っただけだよ♪」
「私が女神だと崇められていると、お姉ちゃんは際限なく機嫌が良いよね。お陰で、今ではすっかりキャラまで変わってるし…」
「妹への慈愛で変わったんだよ♪この町は良い街だよね?特に、トワを女神と崇めるところが♪」
「そう思ってるのはお姉ちゃんだけだからね?私は、一刻も早く違うところへ旅立ちたい気持ちでいっぱいです…」
「そんなこと言わないの!みんな、トワを女神様として慕っているんだから♪」
「女神様としてと言うのが凄く重いんだよ?お姉ちゃん…」
「あ!女神のお姉ちゃんだ!」
「こんにちは!女神のお姉ちゃん!!」
「こんにちは。あ、あのね…何度も言っているけど私は女神じゃ…」
「女神のお姉ちゃんのお陰で町が救われたって何度もお母さんが言ってた!ありがとう、女神のお姉ちゃん!!」
「お陰で僕たち、今日も遊ぶことが出来るんだって!!ありがとう、女神のお姉ちゃん!!」
「いや…だからね?」
「「またね!女神のお姉ちゃん!!」」
「あ…またね!気を付けて遊ぶんだよ!!」
「「はーい!!」」
「結局、説明出来なかった…」
「諦めなさい?私の可愛い女神様♪」
「…お姉ちゃん、こればかりは撫でられても納得しきれないほど重いです…」
「一週間も経てば、町中の噂になっているし今さらどうにも出来ないよ?」
「分かってるけど分かりたくない…」
「悩んでるトワも可愛すぎて困る♪」
「…お姉ちゃんには私の悩みは伝わってなさそうだね。本当に…どうしてこうなったんだろね・・・」
今更どうにもならないと分かっているけど、一週間前のドルドーニュが倒れた後の事を思い返してみた…
☆☆☆☆☆☆
「女神様!俺たち、女神様にドルドーニュを天に導いてこの町を救って頂いたことを伝えてきます!!」
「え!?」
「ばっちり見たままの事実をお伝えしておきますので!!」
「ええ!?」
「俺たち目が覚めました!次の長は貴族になんてやらせません!俺たちみんなで良い町を築き上げて見せます!!」
「それは良い事ですけど…」
「本当は、女神様に長をやって頂きたいですけど、そこまで甘えるわけには行きません!なにより、私たちの町ですからね!!」
「良い心掛けですね」
「「「「おおっ!?」」」」
「今の微笑み見たか!」
「ああ…俺、今の女神様の微笑みだけで一月は頑張れるぞ!!」
「俺なんて二月は頑張れる!!」
「私何て三月は行けるわ!!」
「今の気合が入っているうちに町に知らせましょう!!」
「「「「おおー!!」」」」
「あの…」
「「「「女神様!また後で!!」」」」
「ええ!?ちょっと待って下さい!?って…凄い気合い入ってると言うか、入り過ぎてると言うか…絶対に見た事以上に吹聴する気ですよね!!ねぇ!?」
「トワ…」
「お姉ちゃん!!すぐにみんなを止めて真実を話さないとまずい事になるよ!?」
「大丈夫、私の妹は女神だから問題ない!むしろ、世界中に吹聴した方が世のため!!」
「何言ってるのお姉ちゃん!?気力と共に変な力まで戻ってない!?ぎゅ、ギュネスさん!?」
「まあ、良いんじゃねぇか?ドルドーニュがしんじまったのは少し焦ったが、この感じだと丸く収まりそうだしな?」
「そう言う事ではなくて!私だけの手柄みたいになるのは可笑しいと!?」
「ですって?倒した張本人のご意見は?」
「僕だけで倒せたわけじゃないから、僕が言うのも何だけど…トワちゃんの慈愛の心は女神と言われても可笑しくないと思うよ?」
「話がずれたわね、さすが我らがリーダー…」
「お、俺もトワは女神だと思うぞ!!」
「何で対抗してるのよ…ハルトは」
「二人とも、トワを口説きたかったらまずは私の全力の拳に耐えてからだから」
「そ、それはちょっと遠慮したいかな…」
「あんな大岩をぶん投げるような力で殴られたらしぬからな!?」
「私のこの力はトワへの愛で覚醒したもの!つまり…二人の愛はまだまだ足りないと言う事」
「何か説得力あるね、負けた気分だ…」
「い、いつか越えて見せる!!」
「おい…当の本人は女神にされるのが心配で聞いてないぞ?とりあえず、移動するか?」
「すぐに行きましょう!追いかけましょう!!」
「おお…戻って来たな?まあ、間に合わないと思うが行くか?」
「はい!!あ…ドルドーニュをあのままにしておくわけには…」
「…ここでそんなことを気にかけるのがトワと言えばトワなんだが…まさか、馬車でご同行願うのか?」
「…だめですよね?」
「遠慮願いたいと言うか、許容オーバーだな。そこの盗賊さんも連れて行くんだろ?」
「俺こそ打ち捨てていけ、もう十分だろ?」
「そんな事出来ません!ちゃんと治療してもらわないと…でも、ドルドーニュはどうしたら…」
「俺たちに任せてくれないか?」
「お前らは、ドルドーニュの護衛どもじゃねえか?」
「・・・何処かで見たと思ったら、貴方たち警備隊に居たわよね?」
「その通りだ…俺たちは、アルバークさんを裏切って警備隊の行動などを細かく報告していた。…家族のためとは言え、アルバークさんには会わせる顔もない」
「これからどうしたら良いか分からない…分からないが、とにかく今まで汚い事もしたし、大坊の塊でもあったが、しっかりと金だけは貰っていたんだ…弔いくらいはしないとな」
「腕っぷししかない俺たちは、本当にこの後どう生きていけば良いのか…」
「はん!薄汚い豚野郎に寄生していた野郎どもだけはあるな?そんな事は自分で考えやがれ」
「ギュネスさん!!それは言い過ぎです!この人たちだって、好きでその道を選んだわけではないと思います!!きっと、周りの大事な人たちを守るための苦渋の選択だったんですよね?」
「トワ様…」
「え?何故様付け…?」
「トワ様!私たちはどうすればよいのでしょうか!ドルドーニュ亡き今、我々はただの金目的の寄生虫扱いされるでしょう!…私はそうなる覚悟は持っております。ですが、家族までそう思われ扱われるかと思うと!!」
「私には娘がいるんです!もし、この事でいじめられでもしたら…」
「自分だけならどんな仕打ちも受けるけど、家族だけは何とかして欲しい?そんなことくらい、あいつの下につく時に予想何て出来たでしょう?それを…」
「ヴィラさん!ここは、私に話させてください」
「…分かったわよ」
「みなさん、顔を上げて下さい。こんな小娘に頭を下げて懇願する何て情けないと思いませんか?貴方たちが家族を守ろうと下思いは、そんなものなんですか?」
「それは…」
「違いますよね?貴方たちは、ドルドーニュに従う事で家族を守ろうとした。それは、とても辛くて苦しい決断だったでしょう。それで、今度は私みたいな小娘に懇願して助けてもらわないと何も出来ないんですか?」
「そんな…事は…」
「ドルドーニュ従うのは辛かったと思います。でも、それと同時に彼の庇護下にあると安心している部分もあったんですよね?だから、それが急になくなって不安なんですよね?」
「はい…」
「その通りです…」
「これからもう、それはなしです。貴方たちの贖罪は、貴方たちの中にしかないのですから」
「私たちの中に…?」
「そうです。誰が何と言おうと、自分を許せるのは自分だけです。ですから、これから貴方たちは人一倍この町のために頑張らなくてはなりません。こんなところで、私のような小娘に頭を下げている場合じゃないですよ?」
「そんな事で本当に…?」
「そんな事ではありません。まずは、そうやって自分自身を助けて下さい。自分を助け、家族を助け…食材はその後です。一気に全部解決何て無理に決まっているじゃないですか?だから、まずは自分を誤魔化して一時的でも許してください。そうしないと何も始まりません」
「自分を誤魔化す…」
「そうです。まずは、そのために町に貢献してください。町のみんなのためなんて考えて動いてはいつか何かずれが生じます。まずは、自分のため家族のため…そうやっていつか、心からこの町のために貢献出来るようなれるように、私がずっと祈っていますから」
「女神様…」
「…え?」
「女神様の言う通りです。俺たちは全てを背負ってすぐに何とかしようと焦り過ぎておりました。まずは、全てを家族に…みんなに話して町のために働こうと思います。もちろん、最初は自分と家族のために…」
「自分がしっかりしていないのに、いきなり罪をどうこうしようなんて確かにバカげた話でした。女神様の言った通り、必至に町のために動きながら地盤を固めてからゆっくり償っていこうと思います。そのために、時間を貰えるように頼み込むつもりです」
「逃げずに正面から受け止めようと思えたのは、女神様のお陰です!ありがとうございます!!」
「え?あの…私は女神じゃなくてですね…」
「「「女神様!ありがとうございました!!町への道中お気をつけて!!」」」
「いえ…だから、女神じゃなくて…」
「ぷくくっ、め、女神様、それ以上喋るとどんどん墓穴を掘りますよ?ぷくくく…」
「…ギュネスさん、何を笑っているんですか…?」
「トワ、貴方が自分から女神です!って宣伝してるからでしょ?」
「してませんよ!?」
「じゃあ、我らが女神様がこれ以上自爆しないうち、町へと向かいますか!」
「何ですか、その言い方は!?」
「大丈夫、トワは女神…真実だから問題ない!」
「お姉ちゃんはブレなさすぎ…」
「トワ、俺も女神だと思うぜ!」
「お?今度は先手必勝作戦かい?負けないよ!僕にとっての女神はトワちゃん!君だけ」
「はいはい、さっさと行くわよ!」
「いたた!ヴィラ!強く引っ張り過ぎだよ!急にどうしたんだい!?」
「…あそこまであからさまなのに気が付かないのか?」
「それがルーファスなんだよ。まあ、奴も色々あったせいもあるのかもしれんが…」
「トワ、私たちも行こう!」
「ま、待って!お姉ちゃん!!せめて、この人たちにだけでも説明してから…!?」
「「「お気をつけて!女神様!!」」」
「だから、女神何かじゃないの~~!!?」
私の叫びも空しく、誤解されたまま馬車に乗って移動を開始したのでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
回想が長くなりすぎですね…次話で終わらせます(汗
場面の切り替わりに☆を入れて分かりやすくしてみました。戻る時も☆つけます。…分かり難いですかね?
次話もよろしくお願いします。




